2013-10-13

宇宙は分散系である―武田福隆氏の新宇宙理論

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今回は宇宙の成り立ちに関する新説を紹介します。
武田福隆氏の「宇宙は分散系である」(日本図書刊行会)からの紹介です。今年の1月に紹介した『太陽系の起源』と同じ著者です。いわゆる学識ではなく、経歴は教員、東京都水道局の技術職員、化学メーカー勤務という、宇宙に関しては素人という方です。
今回紹介する説は、著者が“化学”の分野の仕事に携わった経験から生み出されたもので、宇宙を溶質と溶媒の織り成す分散系の体系であるとの着想のもと、数々の宇宙の常識を覆していきます。
その追求の背後にある世界観について、次のように書かれています。
「自然は一人のスーパー大天才の作品であるから、森羅萬象はみなどこか似ている点がある筈である。この似ている点を探し出し、それをよく調べれば、全能の神の個性すなわち森羅萬象の背後にある自然の基本法則が見えてくるであろうと考えたのである。その結果、宇宙は分散系であるという結論に達したのである。」
それでは、まず、その理論の根幹となる視点から紹介します。

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宇宙は真空を分散媒とし、天体を分散質とする分散系である
分散系とはなにか?
化学の定義では「連続して存在する相の中に、不連続的、粒子的な相が存在する物質混合相を分散系という。連続相を分散媒といい、不連続的、粒子的相を分散相あるいは分散質という。」
分散系の性質の中で最も重要と思われるのは分散質粒子の安定性についてである。分散質粒子は如何なる条件下で不安定になって凝集するか、もしくはより細かに分散するかということである。
その背後に横たわる根本原理とは「凝集とは粒子のエネルギーが粒子が減少し得る場合に起こる現象であり、集合してもエネルギーが減少しない場合は凝集の逆の分散という現象になる。そして、この凝集も分散もその程度は分散媒のエネルギーの強さに比例する。」ということである。
更に、分散質粒子の表面には或る厚さの分散媒物質による収着層(吸着層)が形成されることである。つまり、分散質粒子は裸で分散媒の中を浮遊しているのではなく、分散媒でできた着物を着ている。
そのような分散系の概念に照らして考えると、宇宙は真空を分散媒とし、天体を分散質とする規模雄大なる分散系であるといえる。
分散系ととらえたときの宇宙の性質
真空は、物質的に見れば空虚であるが、エネルギー的に見れば重力場、電子場等が存在し空虚ではないことになっていて、むしろ電子対創成※などから分かるように、物質誕生の場すなわち物質の素が充満している空間と考えて然るべきであろう。
電子対創成…衝突するガンマ線などから電子対(陽・陰電子)が生じる現象。
真空を膨大なエネルギーを内臓するものとして、アインシュタインの宇宙定数を当てはめると、1km以内で空間が歪んでしまう結果となる。つまり、理論が破綻している。これを救うには、真空の大量のエネルギーがいくら大量であっても、ほとんど完全に相殺されるような構造に真空がなっていると考えればよい。
そこで、真空には正エネルギー素子と負エネルギー素子が存在する、と考える。
どういうことか。
身近なところに大量の正電荷と負電荷が同居しているにも拘わらず、内にも外にもその気配すら感じられないものがある。岩塩の結晶(下左図)である。真空の正エネルギー素子と負エネルギー素子もこれと同様の結晶格子を形成し、真空は結晶格子の連続体であると考える(下右図)。
 
岩塩の結晶                    真空の結晶格子(想像図)
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つまり、真空は固相である。
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List    投稿者 kumana | 2013-10-13 | Posted in ⑫宇宙を探求するNo Comments » 

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