2012-04-24

シリーズ 超極小『素粒子』の世界15 ~原子や電子ってどこまで観測されているの?~

素粒子の世界を勉強していると、当然のように原子があって、原子核があって、電子があって、さらに、陽子があって、中性子があって、その中にはクォークがあって・・・
というイメージを持ってしまうのですが、実際に、感覚機能(=本能)を使って、観測できているのは、原子がかろうじて、ぼんやりと見えるくらいで、電子や、原子核でさえ、観測されていないって知っていましたか リンク
実は、水素原子1個でさえ、つい最近、ようやく観測されて、それが大きなニュースになっているくらいなのです

PN2010110401000169_-_-_CI0003.jpg

水素原子1個見えた! 東大など、電子顕微鏡で初2010/11/04
初めて撮影された水素化バナジウム。水素(H)とバナジウム(V)の原子が規則的に並んでいるのが識別できる。リンク

じゃあ、これまで勉強してきた、真ん中に原子核があって、その周りを電子が回っていて・・・・っていうあれは何 :roll: って思ってしまいますが、あれはモデル(=観念)でしかないということなんだそう
そのあたりの現在の原子像にいたるまでの歴史に、今回は迫ってみたいと思います
いつも応援ありがとうございます

 にほんブログ村 科学ブログへ


①かつて、物質の最小単位は原子であった。
かつて、物質の最小構成要素である原子はそれ以上分割できないと信じられていましたが(原子=atomという名前がそれを表していますね )、19C後半、原子には電子という粒子が含まれていることが発見されました
それまで、最小単位だと信じられていた、原子の中に電子が含まれていると思ったのはなぜなのでしょうか :roll:

②電子の発見
CRT1.jpg
リンクより
電子の発見は、まず、1864年に、ヒットルフが、減圧したガラス管内の放電実験により陰極線(陰極から出る放射線)を発見したことから始まります。
その後、30年を費やして、1897年、J・Jトムソンの実験により、陰極線は、電荷と質量を持った粒子(=電子)である事が分かりました。
一方、1896年、ピーター・ゼーマンは、磁場により複数に分裂する原子の線スペクトルの実験から、原子中には電気を持った粒子が存在していることを発見します。
詳しくはこちらをご覧下さい。
このように、トムソンやゼーマンの実験結果を背景として、原子には-の電荷を持った電子が存在していることが予測されました。さらに、原子全体は中性なので、電子の予測と合わせて、原子の中には電子だけでなく、+の電荷を持つ物質も存在することが予測されたのです

③W.トムソンのぶどうパン型モデルと長岡半太郎の土星型モデル
原子の中には、―の電荷を持った電子と+の電荷を持った「物質」が存在するという予測から、2つの原子モデルが考案されることになります。
1つはW.トムソンが考案した 『 ぶどうパン型のモデル 』 です。これはプラスの電荷のかたまりの中に、複数の電子が含まれているというモデルです。

%E5%8E%9F%E5%AD%90%E3%81%AF~1.PNG

もう1つは長岡半太郎が考案した 『 土星型のモデル 』 です。これはプラスの電荷の周りを複数の電子が周回運動しているというモデルです。
20101206_1567190_t.jpg

現在の視点から見れば、長岡さんのモデルの方がより現在のモデルに近いことが分かりますが、当時は長岡さんのモデルは支持されませんでした。というのも、電磁気学の理論によると、原子核の周りを周回運動する電子はエネルギーを失い、原子核に引き寄せられてしまうはずだからです。(次回、詳しく説明する予定です★)
果たして、原子の姿はどのようなものなのでしょうか?

④ラザフォードの原子モデル
このような状況の中で、1911年、ラザフォードは金属箔にα粒子(He+)を照射する実験を試みました。α粒子はプラスの電荷をもっている。これを金属箔に照射することで、何か分かるかもしれないと考えたのですね
quantum06_02.bmp

ラザフォードの実験結果によると、α粒子のほとんどは金属箔を直進して通過しましたが、時折、大きく進路を曲げられるα粒子が存在しました。この実験結果は、「 プラス電荷が原子の中心部に集中して存在している。」 ことを示唆しています
つまり、長岡モデルの方が、実際の原子の姿に近いことが分かったのです
09d694ecd7957664b43ca509f0379063.png

ここまでのところで、ようやく中学や高校のときに習った原子核の周りを電子がクルクルと回っているようなモデルにまでたどり着けましたね

WINDOW~1.JPG

しかし、実はこれは現在考えられている原子の姿ではないのです!
どういうこと???と続きが気になると思いますが、今回は、ここまでとします

さて、最初に提起した『実は、原子でさえ、しっかり観測されていない』という話が実感を持って、感じられてきたと思います♪
現在、考えられている原子モデルは、観念でしかない!つまり、もし新たな仮説が出てきたときには、塗り替えたら終いなのです
そんな風に見てみると、私たちって、かなり思考の枠を狭められているのかもしれません><

次回は、いよいよ量子物理学を原子モデルに適用して成功したと言われているボーアさんの原子モデルに迫りたいと思いますのでお楽しみに

List    投稿者 tateko | 2012-04-24 | Posted in ⑬相対性理論・量子力学・素粒子No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2012/04/1277.html/trackback


Comment



Comment


*