2010-03-18

哺乳類の起源と歩み~逆境の連続が哺乳類を生んだ①「先哺乳類の誕生」

前回の記事では生物の歴史を俯瞰し
☆生物史とは「大絶滅の歴史」である
☆生物は大絶滅をはじめとした「逆境によって進化してきた」のである

ということがわかってきました。
今回の記事ではその中でも哺乳類にスポットを当てて私たちの祖先はいつどのような状況(逆境)で進化してきたのかを見ていきましょう。

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外圧状況の確認
まずは、先哺乳類が生まれたと思われる時代とそのときの状況、そして大陸の状態を簡単に見てみましょう。
●デボン紀(4.9~3.6億年前)
超大陸ゴンドワナが存在し、地表の気候は全体としては温暖でしたが、3億5000万年前から、ゴンドワナは徐々に南極点に移動。大陸が氷河に覆われることによって地球の気温は低下していきます。
●石炭紀(3.5~2.9億年前)
超大陸ゴンドワナは依然として南極点に位置してはいますが、気温は徐々に上昇していきます。しかし、やはり大陸氷河の影響からか、気温の上昇はあまりなかったと思われます。地球全体で見ると寒冷期といえるでしょう。
石炭紀末にさらに氷河期訪れますが、これはゴンドワナがさらに南極点に移動したかだという説があります。
●ペルム紀(2.8~2.5億年前)
石炭紀後期の大陸移動により寒冷化した地球は、ペルム紀初頭も寒冷な気候だったと考えられます。
しかし、後期に向けて徐々に気温が上昇していることから、それぞれの大陸が超大陸パンゲアへと移動したからだと考えられます。
その結果、ペルム紀末には大陸同士の衝突による地殻の活発化が起こり、火山活動が激化し、気温の上昇と酸素濃度の低下へと繋がりました。
※参考サイト(リンク)(リンク)(リンク)(リンク

寒冷化という外圧に対して獲得したのが恒温性と胎生
では、続いて各年代どのような外圧がありその逆境に対して進化していったかを見ていきましょう。
るいネット『逆境の連続が哺乳類を生んだ①』より引用します。

1.氷河によって水辺を追われ、寒冷化に適応して生き延びた
3億5000万年前より地球は氷河拡大期に突入、約一億年間それが続く。
その中で2億9,000万年前爬虫類が出現、そしてさほど間をおかずして単弓類(哺乳類の前身)が出現する。これは恐らく、氷河拡大期中、多くの地域で池や川が氷結し、その結果、水中に棲めなくなり(or卵が水中で孵らなくなり)止む無く水辺を離れざるを得なかったからで、その為肺呼吸や心臓の機能を(心肺機能)を高める方向で進化を遂げた種たちが辛うじて生き残ったということではないかと思われる。
この単弓類の特徴は、摂取した食物を熱エネルギーに変え、かつ熱を汗腺によって発散する機能がある。つまりある程度の恒温性を獲得している。これは基本的に寒冷下で生き延びられるように適応した結果であろう。
そして恒温性を獲得した結果、卵胎生=卵を体内で孵して生む種も登場している。そのようにして寒冷化に適応した単弓類は、変温動物であった爬虫類(従って赤道近辺にしか棲息でき無かっただろう)に対してより広域の生息域を一旦は確保する。

哺乳類の特徴である「体温調節機能、(卵)胎生」は、大陸移動によって寒冷化した環境に適応する中で獲得したと考えられます。
            < 先   哺   乳   類 >
          石炭紀氷河期      ペルム紀中期温暖化
             ↓            ↓
          体温調節機能  ⇒ (卵)胎生機能
         (保温、発汗、体毛)
具体的に体温調節していた生物をみていきましょう。
●保温機能
edafosaurusu.jpg
・エダフォサウルス(石炭紀~ペルム紀 、体長3~4m )
背中に大きな帆があり、太陽光で体を温め活動していました。
●体毛
・ゴルゴノプス(ペルム紀、体長2m)
gorugonopusu.jpg
ペルム紀後期になると体に毛を生やし、寒冷地で冬眠せず活動できた初めての動物だと考えられています。
●発汗機能
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・エステンメノスクス(ペルム紀中期、体長3m)
哺乳類だけが持つ発汗機能を生物史上最初に獲得。皮膚の化石から無数の汗腺が発見されました。
●卵胎生
卵胎生とは、卵を胎内で孵化させて子を産むこと。卵生と胎生の中間に位置する生殖様式といえます。卵胎生は既に両性類の段階で獲得しており、初期爬虫類の登場直後(orほぼ同時期)が獲得時期と考えられています。先哺乳類である単弓類も恒温機能を獲得した結果、胎内で卵を孵化して生む種が現れます。
※画像は『古世界の住人』さんからお借りしました。

哺乳類は両生類から直接進化した
引き続きるいネット『逆境の連続が哺乳類を生んだ①』より引用します。

注)一般には哺乳類は爬虫類から進化したと考えられている。しかし恒温性の獲得や汗腺の存在。更には単弓類の後期には汗腺を発達させ栄養分を分泌する乳腺の原型が登場していることから見て、私は彼らを先哺乳類と呼んでも差し支えないと思う。そして、この単弓類=哺乳類の祖先の登場時期が、爬虫類の登場とさほど時間的に差が無いことから、両生類から爬虫類の系統とは別に直接枝分かれした可能性が高いと思う。
更に(初期単弓類が卵生と卵胎生どちらであったかははっきりしないが、)もし卵胎生の単弓類が主流(もしくは先行している)であれば、両性類が水中で孵していた卵を、母体の羊水の中で孵すように進化したと考えられる事から、(爬虫類は硬い卵の殻を作っている)両生類から直接進化した可能性がますます高まる。

双弓類(爬虫類の祖先)が始めて登場するのは、約3億年前の石炭紀後期のペトロラコサウルス。単弓類(哺乳類の祖先)の登場とほぼ同時期に登場しますが、石炭紀の次ぎのペルム期に単弓類が繁栄するのに対して、双弓類はあまり繁栄しません。
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石炭紀後期からペルム期前期は気候が乾燥化、寒冷化に向っており、双弓類はウロコなどの厚い皮膚や硬い卵の殻で乾燥には適応していたが、変温動物であり寒冷化には適応できなかったため、あまり繁栄しなかったと考えられます。
ペルム期も後期になり、徐々に気候が温暖化してくると、双弓類も繁栄しはじめます。まだまだ、単弓類が全盛の時代ですが、空を飛ぶコエルロサウラヴィスや、水の中に暮らすホヴァサウルス水陸両生のクラウディオサウルスなど、多様な種が登場し始めます。
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一般的な学説では、哺乳類以外の単弓類も爬虫類に分類している事が多く、哺乳類は爬虫類から進化したと説明している例が多いです。しかし、現代の爬虫類の祖先である双弓類と哺乳類につながる単弓類は明確に分けて、哺乳類と爬虫類は両生類から別々に進化したと分析した方がいいと思います。
そのほうが、気候の乾燥化や温暖化に伴い、その勢力分布が大きく変わる現象が上手く説明でき、生物進化の仕組みをより深く理解でるからです。
※画像は『古世界の住人』さんからお借りしました。
<まとめ>
まとめると以下のような図解になります。
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 ポイント
①哺乳類、爬虫類とも逆境によりそれぞれ進化した。中でも哺乳類は寒冷化という逆境に適応するために(卵)胎生と恒温性を獲得した。
②哺乳類は両生類から直接進化したと考えられ、爬虫類の系統とは別である。


ペルム期も中期になってくると温暖化し、穏やかな環境になり単弓類が繁栄していきます。
単弓類は現生哺乳類の基礎的な機能を獲得していますが、まだもう少し距離があります。そう考えると単弓類が哺乳類に進化するにあたりまだまだ逆境があったはずです。
単弓類を襲った次なる逆境はなんでょうか?続きはまた来週
(masamune)

List    投稿者 MASAMUNE | 2010-03-18 | Posted in 2)知られざる原始哺乳類No Comments » 

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