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観念機能の形成過程27~初期人類のメスに思春期はあるのか?~

 

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前々回の投稿 [2]では、初期人類のオスの思春期について言及しました。

 

初期人類はオスメス残留という他の哺乳類に見られない集団形態を採り、集団内での争いを避けるため、哺乳類特有の強力な性闘争を封鎖しました。そして、この封鎖した最強の性エネルギーを利用して、思春期を作り上げました。

 

オスは思春期を迎えると、性ホルモン(駆動物質)を分泌して、
①神経細胞の結合が活発になり、記憶容量が格段に増大する=学習能力が高まる
②リスクのある行動(冒険心)を取ることを好む
などの特徴が見られるようになります。

 

つまりオスは思春期を作り出すことで学習能力を高め、リスクに挑戦する中で能力を伸ばして、軟弱化を防ぎ変異を促進させていったと思われます。

 

■メスの思春期について
前々回の投稿ではオスの思春期について言及しましたが、メスにはどのような変化があるのでしょうか?

 

まずは集団にオスだけでなくメスも残留するという点では、メスも集団を出ていく類人猿に対し、人類は弱点を残すことになります。

 

そもそも、類人猿のメスが集団を放逐されるのは、子育て期間を長期化させたことによるオスの軟弱化(適応力の弱体化)を防ぐため。だからオスだけでなく、メスも集団を出ていくことで、メスにも生存圧力がかかるようになり、メスをオス収束させる=性収束させることになります。その性収束が年中発情を可能にし、オスの性闘争を激化させることにつながります。その結果、オスの弱体化を防ぎ、種としての強化を図ってきました。これが類人猿の生殖の基幹戦略です。

 

したがってメスの残留は、類人猿と比べると、オスの性エネルギーを引き出す力が弱くなる点が、問題となります。つまり、この弱点を超えるために、人類のメスにも思春期がセットされているのです。

 

では、思春期を迎えたメスがどう変化するのかについては、次回の投稿で触れていきます。

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