- 生物史から、自然の摂理を読み解く - http://www.seibutsushi.net/blog -

【実現塾】生命の起源と原理 2~細胞膜の形成から分裂機能の獲得

『生命の起源と原理 1~生命の誕生』 [1]では、生命とは外圧適応体であり、外部世界に適応しようとして先端可能性へと収束する。そして、その可能性への収束によって統合されている。つまり『可能性への収束=統合』という根底的な原理で貫かれていることを示した。

そして、統合エネルギーを受信し代謝を行う無機生命体ソマチッドを提起した。これは、従来の有機物で構成されている生物の定義では到達できない、生命誕生からの現在の生物までの進化の連続性を説明できる。

そして今回は、『細胞膜の形成から分裂機能の獲得』までを扱う。

 ☆☆円偏光電磁波と同期してエネルギーを受信する柔らかな螺旋構造

無機生命体の原基ソマチッドも、ソマチッドが進化してリン酸を取り込みエネルギー蓄積機能を獲得してエネルギーを増大させた含水リン酸塩鉱物錯体のソマチッドも、螺旋形状をしている。その螺旋構造は『やわらかく』、統合を促す電磁波と共振しやすい構造をとっている。

 『やわらかさ』の秘密は、生命が水なしでは存在しないことに関係する。水に浮いた生命分子は全体として電気的に概ね中性だが、極性といって、+に帯電した部分と-に帯電した部分に分かれる。同じく水分子も極性を持つ。

この生体分子と水分子は、それぞれ電気的に中性であるため、化学結合のような固い結合はできない。しかし、それらの微弱な電気的極性は弱い引力で+と-を引き付け、ある程度変形が可能な水素結合でくっつく。このときの水分子の膜を、構造水皮膜という。

他方、統合を促す電磁波も螺旋運動をしている。例えば宇宙から飛来する電磁波も円偏光という回転しながら前進する構造をとっている。そして、珪素の正四面体をつなげていくと螺旋状になるが、これも先の水素結合で柔らかく変形し共振しやすい=エネルギーを受信しやすい構造をとっている。さらに、リン酸を取り込んだ進化系ソマチッドも同様の構造をとっている。

これらの、螺旋という共通構造を持った、初期生命体と電磁波が同期して、エネルギーの受け渡しを可能にしているのだ。

つまり、水素結合が作り出す『らせん構造』『やわらかさ』『螺旋電磁波共振性』が生命体の基本構造 [2] になっているのである。

そこで、このような螺旋形状を基にして、生命誕生の過程を見てみると、

☆無機生命体の誕生

正四面体のケイ酸塩(SiO4+金属)が繋がって、螺旋形状の鎖を形成する。このケイ酸塩は、宇宙の螺旋状の電磁波からエネルギーを吸収し、外圧に応じて他の無機物と結合したり、切り離したりする。これは、代謝ともいえ、無機生命体の誕生である。

☆エネルギーの増大

この無機生命体が、エネルギーを保存、あるいは増大するために、エネルギー蓄積機能の高い、リン酸と結合しリン酸塩をまとった螺旋形状の鎖となる。

☆☆その後生物は、細胞形成までにリン酸という共通物質を利用する

細胞膜・RNA・DNAには、共通する物質として、上記リン酸を利用している。これらを、形や機能を変え利用しながら現在の生物に進化していく。よって現在の生物の、同じリン酸を多用している。

☆細胞膜の形成

このような螺旋状のリン酸塩が、仲間のリン酸塩分子と結合する機能を獲得する(結合分子を追加する)と、この螺旋状の鎖はとぐろを巻くようにして球体を形成する。(結合する機能を獲得しても、必ず結合できるとは限らない。したがって全分子数>結合分子数なので、必然的に球体となる。)こうしてまず、細胞膜が形成された。

この形成過程には『細胞内の「液-液相分離」現象~タンパク質や核酸分子を整理し、反応の場を作り、生命を駆動する』 [3]のような、RNA等が水中で作り出す、周辺の水とは異なる性状での球体の形成という現象も、球状の細胞膜形成に関わっている可能性が高い。

☆たんぱく質のアンテナの形成(短命な生命体の誕生)

 この球体が、必要なリン酸等を選択的に取り込んだり放出したりする、たんぱく質のアンテナを形成し、代謝機能を獲得した。(しかし、たんぱく質は壊れやすいので、この生命体は短命であり、逆に言えば、様々なたんぱく質をもった生命体が登場したと考えられる。なぜならば、たんぱく質の種類は極めて多いためである。)

☆複製機能(RNA・DNA)の形成(比較的長命な生命体の誕生)

この短命の生命体が、リン酸を使ってRNAを形成し、さらに安定度を高めるためにDNAを形成した。これによって、壊れたたんぱく質を再生(複製)することが可能になり、比較的長命の生命体が誕生した。しかし、このRNAやDNAも傷つきやすく、それらが壊れるとたんぱく質を再生できなくなる。

 ☆40億年前:分裂機能の獲得

その後、分裂機能を獲得するが、現在みられる進化した後の生物を見て定義された『分裂は子孫を残すため』とは異なる意味をもっていた。

それは、DNAが傷だらけになる前に、DNA全体を引き剥がして分裂する仕組みを形成した。これは、いったん死んでRNA状態に戻り、改めてDNAを再生するという仕組みである。

 つまり、分裂の原初的意味は、DNAが傷ついて死んでしまう前に、分裂して一から再構築することで、さらに長命化を図るという機能の獲得だったのである。

その後の生殖機能は、この分裂による修復機能を基盤にし、新たなな機能を塗り重ねたものと考えるほうが整合性が高い。

これが、40億年前の海底の熱水噴出口の近くで誕生した細菌=好熱菌である。

その後、光合成菌が登場。次いで35億年前に、光合成菌を取り込んだシアノバクテリアが登場した。

 

[4] [5] [6]