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シリーズ 人類と病気 アレルギー(3) アレルギーを引き起こす原因構造

 前回の記事(リンク [1])でアレルギーは先進国病であり、原因は人工物質ということが状況証拠から分かりました。今回は、アレルギーの原因が人工物質であるという原因構造を解明していきたいと思います。

 

アレルギーイラスト [2]

□アレルギーとは、どのように起こっているのか?

  そもそも、アレルギーはどのようにして起こっているのでしょうか。

まずは、専門的な知識は脇に置いて概略で捉えていきます。

  アレルギーは直接的には体内(=腸壁及び鼻粘膜の内側)に侵入したタンパク質を異物と認識することによって起こります。タンパク質は身体を構成する物質ですが、人間にとって他の動物や植物のタンパク質は異物でしかありません。したがって普段、わたしたちがタンパク質を体内に吸収する際にはアミノ酸レべルまで分解(消化)します。

 アレルギーは、本来入ってきてはいけないタンパク質が体内に侵入するわけですから、正しい反応なのです。たとえば、卵のタンパク質を血管に入れれば、量によってはショックで死んでしまいます。

 つまり、アレルギーとは、タンパク質が体表の防御壁を破って体内に入ってくるため起こると考えられます。

 

□タンパク質が体表の防御壁を破って入るとは、どのように起こっているのか?

 前回(リンク [1])お伝えした通り、アレルギーは現代病です。つまり、昔はタンパク質が体表の防御癖を破って体内に入ってくることは無かったのです。

 

 昔と現代で人間のからだの仕組みが変ったかと考えてみるが、たかが数十年で人間のからだの仕組みは変るようなものではありません。

 

 人間が変ってなければ摂取するものが変ったと考えるのが普通でしょう。

そう考えると細胞に穴が開くか修復するのを阻害するのかが考えられます。

 

 またタンパク質に壁を破るような機能もありません。それがもしあったら、障壁は消化不良のタンパク質によって穴だらけになってしまいます。

 

つまり、何かしらの外的要因で起こるようになったと考えられ、壁が破られる原因は人工物質だと考えられます。

具体的に云えば、排ガスや農薬や抗生物質です。

 人工物質

 

□人工物質(排ガス、農薬、抗生物質)は、細胞の壁を破壊するのか?

  まず、基本認識として、体表(腸壁・鼻の粘膜など)は紫外線や細菌、ウィルスといったさまざまな外圧に晒されていますが、体内の細胞に直接作用し破壊するのは活性酸素です。具体的には細胞膜(主に脂質)を酸化させます。

 日常的にも、皮をむいたリンゴが変色したり、バター黄色くなったりする現象です。放っておくと、ボロボロになっていきます。体表はこれと同じ外圧に晒され、実際に細胞膜の脂質は常に酸化させられています。

 

活性酸素 リンゴ [3]
 しかし、細胞にも修復機能があり、酸化した細胞膜の一部を分解し、新たな細胞膜に置き換える新陳代謝をしています。

人工物質は、その過程に影響を与えていると考えられます。活性酸素はありふれたものですが、人工物質によっても活性酸素が発生し細胞膜を酸化させ→破壊したり、更にそれを修復する作用を阻害していると考えられます。

  人工物質は、アレルギーとの関係でよく語られますが、その人工物質がどのように作用するかを書いているものはありません。そこで、それぞれの物質の性質からアレルギーに至る原因構造を次回に考えてみます。

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