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骨格から人類の起源を探る①~二足歩行はテナガザルの時点で既にできている~

当ブログでは、哺乳類から遡って適応の歴史を、その時の状況や脳回路の機能から、論理的なアプローチで人類の起源を追求していますが、既存の人類学では「化石の骨格」で人類の祖先かどうかを判断しているようです。

当ブログでのこれまでの追求では、人類の祖先は一旦「オランウータン」というところまで来ましたが、既存の人類学のアプローチもやはりしておく必要があると思います。

ですので、骨格からの改めて、哺乳類に遡って検討してみたいと思います。

 

■哺乳類の骨格と類人猿の骨格の比較

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①前脚と後脚の違い
大きな違いは、基本的に発達具合が、前足なのか後足なのか?が注目されます。
一般哺乳類は、四足歩行で速く走る為に、まず前脚部分が発達しており、これはおそらく方向転換が容易にできるようにだと推測されます。
それでは、後ろ脚に注目してみると、足の指先部分だけを地面につけ、踵が浮き上がった骨格になっています。これは強く地面を後ろに蹴りだす為だと思われます。

 

②踵の位置の違い
それに対し、類人猿はどうでしょうか。
テナガザル系は樹上で四足を使う為、まずは、足の指が対向して曲がるような方向な指の向きをしています。これは言わずもがな、後ろ脚で枝を掴む為。
さらに身体が安定するように足の面積が広く枝に密着するように、扁平で踵がつくような足の形をしています。

 

③骨盤の大きさ
そして、樹上で上下の運動をしたり、樹上で立ったりするために腰骨(=骨盤)が大きく、体重が下半身にかかっても支えられるような作りにもなっています。

 

要するに、テナガザル系は、樹上適応のために、どちらかと言えば、二足歩行に適しており、四足歩行に不向きな骨格なのです。

だからテナガザルは枝先はもとより地上(に降りることは少ないですが)でも、ほぼ二足歩行なのだということ。

二足歩行は人類の専売特許のように思えますが、実はこれはミスリードで、【二足歩行は既にテナガザル時代に当たり前のようにやっていた】ということがわかると思います。

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