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サル社会の構造14~種間闘争にどのように対応した?-オナガザル編-

弱オスたちが複雄集団に吸収された後、それまでの同種間の縄張り闘争に加えて、異種のサル間の種間闘争が激しく争われるようになりました。

この種間闘争にオナガザル達はどのように対応したのでしょうか?今回は図を見ながら追求していきたいと思います。

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まずオナガザル含め、サルたちが置かれた状況を押さえていきます。
弱オスたちが複雄集団に吸収され、集団ザルと離れザルという構成となるが、樹上の過密度(餌に対して食える頭数)はさほど変わりません。
加えて快美欠乏を獲得したサルたちは、より豊かな餌、縄張りを求めて、種を超えて縄張り争いをするようになります。(=種間闘争)
種間闘争に加えて、同類闘争も平行して行われており、樹上はまさに戦国時代のような状況!
(種間闘争がサルたちにとって一番の圧力。これが同類闘争も加圧している構造。)

☆この状況でオナガザルたちはどのように対応したのでしょうか?

●森の周辺部へ、樹上から地上へ、辺境の地へ移動
年中雨期の熱帯雨林の樹上は過密状態。縄張り争いに加えて、異種間のサル同士の種間闘争も激化。
その状況で熱帯雨林からその周辺部や、地上に降りた種がいるのは、そこを追い出されたから。(つまり逃げたということ。)

ニホンザル:北方に適応。寒さにも耐えれるように。(しっぽを短くして体温を保つように)
パタスモンキー:地上に適応。俊敏に動けるように。時速30キロで走る。

●集団化
別の地へ移動するだけでなく、さらに集団化することで種間闘争に対応していきました。
集団化の中でもオス同士が集団化した方が圧倒的に有利。よって今まで集団を組んでいなかったオス同士も集団(複雄化)を形成するようになります。

ヒヒ:樹上から地上に追いやられ、オス1匹、メス複数匹(単雄複雌)の集団同士が連合体を形成。樹上とは違い地上は外敵だらけ。外敵闘争に対応するために集団化し、さらに鋭い牙を持つように進化。
カニクイザル:オスメス含む100頭規模の大集団を形成して種間闘争に対応。

●大型化
種間闘争では、集団化に加えて、オスを大型化させた方が有利です。
原猿時代にはオスとメスさほど体格差はありませんでしたが、オナガザルになるとオスがメスよりも大型化し、種間闘争に対応していきました。

今回は以上です。

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