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宇宙人はよく陰謀論に登場する(副題:笹原シュンの「白いウサギ」と週間文集オンライン)

宇宙人はよく陰謀論に登場する

 事象の原因が解らない時、欧米では宇宙人が登場し、古代人(縄文人)では、全ての物に宿る精霊(神)が登場し、この世界(自然界)は物質も生物も全て目に見えない精霊(気・エネルギー・情報)で繋がっており一体のものである。と考えて居る。

笹原シュンの 白ウサギカテゴリーの記事一覧 – 笹原シュン☆これ今、旬!! (shunsasahara.com) [1]

『白ウサギを追え!』でも宇宙人が登場します。

>日本における救出作戦話をわが日本国に移しましょう。実は我が国は、ディープステートの数、アドレノクロム生産量、行方不明の子供の数、ともに世界第3位の、ディープステート大国です。当然トランプ大統領&Qアノンの掃討対象になっています。しかし我が…

上記に関して

週刊文春オンラインで以下の記事が有りましたので転載します

 

「御社の地下秘密工場についてですが…」富士フイルムに“陰謀論”の真偽を直撃した | 文春オンライン (bunshun.jp) [2]

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「御社の地下秘密工場についてですが…」富士フイルムに“陰謀論”の真偽を直撃した

“富士フイルム陰謀論”を検証する #1

陰謀論が世間を騒がせるようになって久しい。

アメリカでは国を揺るがす大問題になったことは記憶に新しいが、日本でも福井県の自民党ナンバー2である斉藤新緑県議が議会報告の中で、ワクチンを「殺人兵器」とし、コロナ騒動は世界を闇から操る勢力であるディープステイト(DS)が計画したものだと主張していたことが、「週刊文春」3月25日号 [3]で報じられ話題になった。(全2回の1回目)

「議会報告」のなかにQアノン陰謀論

(前略)

また、毎年、世界では百万人、日本では3万人もの子供が誘拐され、行方不明になっています。 悪魔崇拝者(カバール)の「儀式」に子どもたちが「生贄」として供され、性的・肉体的に虐待されています。「アドレナクロム」とは、まさに、その生き血を吸う「若返り」商品で、飲用しなければ一気に老化するので麻薬のように常習しなければならなくなります。 それが、教皇や女王や政治家やセレブやハリウッドスターなど、多くが愛用していたというから驚きです。 東京ディズニーランドの地下からも、昨年5月5日、二千名余りの子供が救出されています。 セントラルパークの地下からは1万人が救出されたようです。(中略) でも、トランプチームが、カバール掃討作戦で、悪人退治をしてくれており、既に、世界中で300万人ともいわれる大量逮捕、処刑が実施されているようです。

「福井県議会議員さいとう新緑 議会報告」より

斉藤県議の「議会報告」はネット上で流通するQアノン言説のまとめ的な内容だが、上記の記述は本稿の主題である最近のネットの陰謀論界隈で話題になった「事件」と密接に関連しているため、まずはこの言説について解説したい。

子供の脳から採取される若返り薬?

ここで出てくるアドレナクロム(注:「アドレノクロム」表記が一般的なため、以降はこちらを用いる)は実在する薬品だが、Qアノン信奉者の間では「若返り薬」とされており、その原料は誘拐された子供を虐待することで脳から分泌される成分を抽出したものであると主張されている。

しかし、アドレノクロムに若返り効果があるとする確かな論文等を筆者は確認することができなかった。美容業界ではどうかと確認すると、高須クリニック名古屋院院長で美容外科医の高須幹弥氏(高須クリニック創業者・高須克弥氏の子息)が、自身のYouTubeチャンネルでアドレノクロムの若返り効果についてよくSNSで質問されると明らかにした上で、ネットで言われる効果は「全部デタラメです」と断言していた。

「高須幹弥高須クリニック」チャンネルより

また、東京ディズニーランドの地下から子供を救出したという話も登場する。Qアノン世界観での悪役であるDSは児童性愛者・悪魔崇拝者の集団とされており、DSの悪行として子供へのさまざまな虐待が主張されている。そうしたDSに対し、光りの勢力であるトランプ大統領(すでに前大統領であるが、Qアノン信奉者の間ではバイデンは逮捕されており、実権は未だにトランプが握っているとされる)率いる米軍が、世界各地で逮捕作戦を実施しているというのだ。

昨年末に世界的に拡散された虚報に「ドイツにある選挙関連企業のサーバーを米軍特殊部隊が押収し、その際にCIAとの銃撃戦が生じて死者が出た」というものがあるが、ディズニーランドの話はその日本版と言っていい。なお、この他にも横浜にある「こどもの国」から囚われていた子供が救出されたという主張も存在する。Qアノン的世界観では、世界の至るところにDSの秘密施設があり、そこには誘拐された子供たちが囚われているのだ。

自衛隊演習場内の地下工場を米軍が攻撃?

さて、誘拐された子供たちの利用法の一つとされるアドレノクロムだが、斉藤県議がこの議会報告を発行する少し前の2月上旬頃、ネットの陰謀論者達の間で“新説”が話題になっていた。

自衛隊の北富士演習場の地下に存在する富士フイルムの秘密アドレノクロム工場を米軍のUFOが攻撃し、そこに囚われていた子供たちを救出、多数のDSを逮捕したという主張だ。あまりに荒唐無稽な話だが、次のような主張がTwitterやFacebook、ブログなどで拡散が行われていた。

北富士演習場陰謀論を伝えるFacebookの投稿

何故、富士フイルムなのか? 何故、北富士演習場なのか? 何故、UFOなのか? 理解が追いついていない方も多いと思われるので、最初に答えを明示する。要は、断片的にあった事実を、飛躍した論理で結びつけたものなのだ。

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第一に、富士フイルムはアドレノクロムを日本で販売している企業の一つであること。

第二に、米海兵隊の公式Twitterアカウントが「Fuji Film」とツイートしたこと。

第三に、北富士演習場で2月上旬に火事(野火)が発生したこと。

上記3つの事実を飛躍した論理で結びつけた結果、「北富士演習場地下にある富士フイルムのアドレノクロム工場を米軍が攻撃した」という主張になっている。富士フイルムの関連会社である富士フイルム和光純薬は、取り扱っている薬品のデータや希望納入価格をネット上で公開しているので、それで目をつけられたと考えられる。

日本ローカルで出回っている信憑性のない主張

世界中で拡散される「トランプ率いる米軍大活躍」話と比べても大規模な作戦のはずだが、どういう訳か日本語でしかこの話題を見ない。そこで、政治的思想の左右を問わず過激なYouTubeチャンネルの発言を収集しているRadiTubeで関連する単語で検索してみたが、アドレノクロムに関する動画は多数あっても、富士フイルムと結びつけるものでは見つからなかった。日本語でYouTubeを検索するとたくさん出るのだが、横文字になった途端これである。どうも、日本ローカルで出回っている話らしい。

逆に、在任中のトランプ大統領が富士フイルムのグループ会社FUJIFILM Diosynth Biotechnologies Texasと契約を結び、新型コロナワクチン製造能力を強化したことを発表し、同社のCEOに謝意を表明する演説動画が出てきた。トランプ前大統領がDSと戦っているなら、なぜDS企業のはずの富士フイルムにワクチン製造で謝意を示すのだろうか。

また、ここで「米軍のUFO」として登場するのが、TR-3Bと呼ばれる謎の機体である。Qアノンが登場する以前から、陰謀論界隈で存在が主張されていた地球製のUFOとされる航空機であるが(そもそも正体がわかっているならUFO(未確認飛行物体)ではないのだが……)、記述によって反重力推進だったりプラズマ推進だったりと設定が安定せず、実機を撮影したとする動画や写真も明らかなコラージュだったり、形が違っていて怪しい。そもそも、米軍の機体なのに、練習(Trainer)を表すT、偵察(Reconnaissance)を表すRが付いているなど定められた命名規則に則ってないし、B型があるならA型はどこいったとかさまざまな疑問が湧くが、これらを深く考えても意味はないだろう。

ここまで挙げてきた情報だけでも、「北富士演習場地下にある富士フイルムのアドレノクロム工場を米軍が攻撃した」という主張の信憑性はないとみるべきだろう。だが、ここで名前を挙げられた当事者はどう考えているのだろうか。そこで、DSの悪徳企業とされた富士フイルム、そして、北富士演習場を管理する陸上自衛隊にネットで出回っている言説について取材を試みた。

まず、最初に富士フイルムに取材を申し入れた。電話で広報担当者に趣旨を説明したが、「自衛隊の北富士演習場にある御社の地下秘密工場」、「誘拐した子供たちからアドレノクロムを抽出」、「米軍のUFOが御社工場を攻撃して囚われていた子供達を救出」といった話をする間、相手の困惑が電話を介しても伝わってくるのが分かり、色々と辛かったのを覚えている。

しかし、なんとか趣旨を理解してもらい、グループ会社でアドレノクロムの販売を行っている富士フイルム和光純薬より、書面と電話にて回答を得られた。以下はその質問と回答である。

――御社でのアドレノクロムの販売の有無、実際の製法、用途について。

「当社は、アドレノクロム(本製品)を製造していません。海外メーカーにて製造された本製品を試薬として輸入・販売しています。なお、本製品は、生体由来ではなく、化学合成によって製造されています」

「試薬とは、企業や大学などでの研究開発に用いられる薬品を指します。従って、本製品はお客様の研究内容に応じて使用されています」

「当社は、試薬では幅広いラインアップを有していますが、本製品は販売量が僅少であるため、販売終了を検討しています」

ネット上の言説を完全に否定する回答となっている。また、サイトに掲載されたアドレノクロムの希望納入価格をして「富士フイルムは儲けている」という声も存在していたが、一般論として少量多品種で研究向けの試薬は高価である。そして、そもそもアドレノクロムは販売量が僅少であるため、販売終了を検討しているのだという。4月1日現在、サイト上でも1グラムといった大容量品の販売終了の告知が確認できる。

――アドレノクロムに若返り効果があるとの主張があるが、御社の見解は。

「当社は試薬の一つとして本製品を提供しているのみであり、当社の知り得る限りでは、若返り効果に言及した科学的な文献等はありません。また、当社としてもその効果を確認したことはありません」

――北富士演習場地下に地下工場を保有しているか。

「当社に、地下工場はありません。北富士演習場のある山梨県にも工場はありません。また、アドレノクロムの製造を行っていないため、アドレノクロムの工場もありません」

そもそも、地下工場どころか山梨県に自社工場は存在しないという。前記の通り、取り扱いのアドレノクロムは海外メーカーの輸入品のため、工場も存在しない。

――本取材以前に、御社とアドレノクロムについての陰謀論を認識されていましたか。また、この陰謀論について、御社としてどう思われますか。

「当社が取り扱うアドレノクロムに関して、SNSを中心に事実とは異なる記載により、問合せを受けたことはあります。当社としては、海外メーカーにて化学合成により製造された試薬である旨を伝えております」

多くの企業にとっても他人事ではない

富士フイルム和光純薬では、以前からアドレノクロム言説についての問い合わせがあり、ネットでの言説は認知していたという。YouTube上にはアドレノクロムの取り扱い会社にいわゆる「電凸」をかけるユーチューバーも確認でき、ネット上の陰謀論に実在企業が登場した場合、広報部門に負担がかかると思われる。では、陰謀論で企業が損害を受けた場合はどうなるのか。

――陰謀論が御社の業績等に悪影響を及ぼした場合、法的措置は検討されますか。

「今後も、当社は、取り扱うアドレノクロムに関して正しい情報をお伝えしていきます」

ここまでが富士フイルム和光純薬の回答である。一貫して、ネット上の陰謀論言説を否定する内容となっているが、過去にも対応してきたと回答があり、その苦労がしのばれる。

だが、これは多くの企業・団体にとっても他人事ではない。日本の陰謀論界隈においては、富士フイルムの他に元ソニー会長の平井一夫氏、サンリオ創業者の辻信太郎氏、ZOZO創業者の前澤友作氏といった財界人もDSの人間であるとされ、政治家の9割、芸能人の半分がDSという主張が平然となされている。少しでも名が知られればターゲットとなる恐れがあるのだ。

TwitterやFacebookといったSNSでは、Qアノン陰謀論アカウントに対してアカウント削除等の厳しい姿勢で臨んでいることが報じられているが、英語アカウントはそうでも日本語アカウントの大多数は対応が追いついていない。また、国内でブログ等のサービスを提供している事業者に至っては、ほぼ野放しになっているのが実情である。

陰謀論で名前を挙げられた富士フイルムは陰謀論を明確に否定した。しかし、これは富士フイルム側の主張でしかないという反論があるかもしれない。

小さな事実に大きなウソ

陰謀論の厄介なところは、部分的には事実を含んでいるものが多いことだ。しかし、それら小さな事実たちを飛躍した論理で結び付けることで、都合の良い、刺激的なストーリーを紡ぎだしていく。増山氏はこうも書いている。

小児性愛犯罪が存在すること自体は、事実なのだ。その事実の断片の集積が、陰謀論までもが事実なのだと私に思い込ませるようになっていった。

出典:アメリカ大統領選の「陰謀論」にハマってしまった私~やらかした当事者が振り返る~ [5]

陰謀論は人間の倫理観・正義感を刺激する

政治的思想の左右を問わず、児童への性的虐待、政治不正といった悪事を肯定する人は少ないだろう。陰謀論やフェイクは「悪者に支配されている」、「悪事が行われている」、「悪事が正された」といった、人間の倫理観・正義感を刺激するものが少なくなく、誰しも引っかかる可能性を秘めている。

本稿で取り上げた陰謀論もこの類型に過ぎず、新しい陰謀論は最新の事件や話題を取り入れ常に生み出されている。最近では、スエズ運河をコンテナ船が塞いだ事件に関連して、「このコンテナ船は人身売買された児童を輸送しており船会社は偽天皇家の……」といった陰謀論が流布されていたが、隠された悪事が露見し正義の鉄槌が下るという構図はまんま同じである。

増山氏のように陰謀論から抜け出して自省できるなら、それに越したことはない。しかし、それは難しいのが現実だろう。大量の情報が溢れている現在、フェイクや陰謀論に引っかからないでいるのは難しい。それでいて、ブログの時代なら拡散するにもコピペといった手間が必要だったのに対し、SNS時代は数秒で拡散可能だ。まさしく今は、陰謀論に有利な時代になっているのかもしれない。

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