- 生物史から、自然の摂理を読み解く - http://www.seibutsushi.net/blog -

“新型スーパーウイルス”の正体と感染・増殖・重症化のプロセス その2

Posted By seibutusi On 2020年4月25日 @ 9:48 AM In ⑧科学ニュースより | No Comments

“新型スーパーウイルス”の正体と感染・増殖・重症化のプロセス その1 の続きです

_________________________________________
.新型コロナウイルスの侵入・増殖のプロセス

新型コロナウイルスは、ヒトの細胞であればどの細胞でも侵入できるわけではなく、ウイルスを受け入れる「受容体」が発現している細胞だけに侵入することが可能となります。新型コロナウイルスの増殖のプロセスは4段階1. ウイルスの細胞への吸着と侵入2. ウイルスの脱殻(だっかく)と核酸の遊離3. ウイルスの複製の生成(=増殖)4. ウイルスの細胞からの放出
1.新型コロナウイルスの細胞への吸着と侵入

・ウイルスは、「受容体」が発現した宿主細胞を見つけると、スパイク糖タンパク質の突起を細胞表面に引っ掛けて吸着・結合。・ウイルスの突起・スパイク糖タンパク質と宿主細胞のタンパク質とが、結合・融合することで、細胞内への侵入を果たします。・新型コロナウイルスの細胞への侵入=乗っ取り=感染の成立です。

2.新型コロナウイルスの脱殻(だっかく)と核酸の遊離

・ウイルスは細胞への侵入と同時に自らのエンベロープ外膜を破壊して、保有している核酸(RNA遺伝子)を細胞内に遊離させます。・この外膜を破壊して核酸を遊離させる過程が「脱殻(だっかく)」です。・ウイルスの脱殻(だっかく)によって、細胞内に遊離した核酸・RNAの遺伝子は、細胞核の中へ送り込まれます。
3.新型コロナウイルスの複製の生成(=増殖)

・ウイルスは細胞を乗っ取って、自らのタンパク質や核酸(RNA遺伝子)を合成させるようにプログラム化。・これで、ウイルスの複製に必要なタンパク質や核酸(RNA遺伝子)を、大量に合成することができます。・細胞内で合成されたバラバラのタンパク質や核酸(RNA遺伝子)は、細胞の複製機能を利用して集合させることで、ウイルスの複製(コピー)が生成完了。・これで、新型コロナウイルスによる最初の宿主細胞での増殖は完成です。
4.ウイルスの細胞からの放出

・複製により増殖した新しいウイルスは、細胞外へと放出されます。

・放出された大量の複製ウイルスは、また次の標的宿主細胞へ吸着・侵入することによって、次から次へと新たな増殖が繰り返されていきます。・また、複製ウイルスの放出の際には、宿主細胞の膜や壁は破壊されます。

・従って、一度ウイルスに感染して乗っ取られた宿主細胞には、「細胞死(アポトーシス)」または「ガン細胞化」の2つしか選択肢がありません。

・「アポトーシス(細胞死)」とは、ガン細胞化などの被害を避けるために、細胞自らが自殺してしまう「プログラムされた細胞死」のことです。

・こうして、新型コロナウイルスによる増殖の進行・拡大とともに、さまざまな症状の発現とその重症化が進行していきます。
.4つの受容体の発現部位と重症化の関係

3月中旬までの研究や論文などで、新型コロナウイルスの細胞侵入の際の受容体として、「ACE2受容体」以外にも3つの受容体が存在することが明らかになっています。

・3つの受容体とは「CD147受容体」「GRP78受容体」「CD4受容体」です。今回の「新型コロナウイルス感染症」においては、何らかの基礎疾患のある人が重症化して死亡に至るケースが多いことは分かっていました。

・しかし、4つもの受容体の存在新型コロナウイルスの細胞への侵入経路が幅広く行われていることが判明。

・肺だけではなく心臓、肝臓、腎臓、腸、血管などの損傷や炎症はもちろん気管支炎や腫瘍やガン細胞は、新型コロナのターゲットにされます。

1.「ACE2受容体」の発現部位と重症化との関係

〇「ACE2受容体」の本来の機能

「ACE2受容体」本来の機能には、・炎症を起こした部位の保護作用・肺炎などの損傷からの保護作用・心臓機能の調整・保護作用・血管機能の調整・拡張作用・腎臓機能の調整・保護作用などがあります。・従って、これらの部位に基礎疾患があり損傷や炎症などを起こしたりすると、「ACE2受容体」の発現が多くなると思われます。・その結果、新型コロナウイルスが増殖するための標的細胞となるリスクが高くなると推定できます。


〇「ACE2受容体」の発現が多い下気道(気管支・肺胞)では重症化が多い

「ACE2受容体」の発現部位は、上気道(鼻腔、咽頭、喉頭)、下気道(気管支、肺胞)、心臓、腎臓、さらに十二指腸、小腸、精巣などの細胞表面です。・もともと、気管支や肺胞の細胞表面は、「ACE2受容体」が多く発現しやすい部位。「ACE2受容体」には、炎症を起こした部位の保護作用という本来の働きがあります。そこで肺胞がなんらかの影響で炎症を起こすと、「ACE2受容体」は、肺胞の細胞表面に特に多く発現する傾向があります。

・特に喘息(ぜんそく)や呼吸器疾患のある人習慣的な喫煙者は、新型コロナウイルスに感染すると咳き込みを繰り返すため、肺炎を発症して「ACE2受容体」の発現をさらに喚起することになります。

・肺炎を発症してしまうと、『新型コロナウイルスは今まで以上に勢力を増して肺胞の細胞内で増殖を加速化する』という症例の報告もあります。・新型コロナウイルスが下気道(気管支、肺胞)で増殖して肺炎を起こして重症化すると、呼吸不全、敗血症、多臓器不全などを合併して、最悪のケースでは死亡に至ることもあります。

・発症からわずか2週間で死亡してしまったあの「志村けんさん」喫煙常習者で肺炎での入院歴もあったことから、このパターンの重症化プログラムに陥ったものと推測できます。
2.「CD4受容体」の発現部位と重症化との関係

「CD4受容体」は、なんと 免疫細胞の表面に発現する糖タンパク質の受容体。

・主に、リンパ球系のT細胞(ヘルパーT細胞)や単球系のマクロファージや樹状細胞に発現します。なお、このCD4受容体は、エイズウイルス(ヒト免疫不全ウイルス (HIV-1) )の主要なレセプターとして知られています。「CD4受容体」が、これらの免疫細胞の表面にが発現するということは、新型コロナウイルスに標的宿主細胞として狙われ乗っ取られるということ。

・新型コロナウイルスに乗っ取られて増殖を終えられた免疫細胞の行く末は、細胞死またはガン化のいずれかの選択肢しかありません。

・本来であれば「ヘルパーT細胞」は、マクロファージや樹状細胞から新型コロナウイルスの情報を受け取り、サイトカインなどの免疫活性化物質などを産生して、攻撃の司令塔の役割を担うはず。

・それが、に新型コロナウイルスが増殖するための宿主細胞として狙われ、「CD4受容体」の発現で抵抗もせずに、免疫細胞自らが死滅する運命になるとは驚きです。
〇これまでの「新型コロナウイルス感染症」の症例を検証

・新型コロナの患者の病態で、『重症患者の85%に免疫のリンパ球の減少が見られる』という症例は、新型コロナウイルスが免疫細胞の「CD4受容体」とも結合できることで裏付けできます。また中国の新型肺炎の重篤な患者に『エイズ治療薬を投与すると症状が改善された』という症例は、エイズウイルスの「CD4受容体」が新型コロナウイルスの受容体でもあることを裏付けます。リンパ球が減少すると白血球も多く減少することになるので、「免疫不全」を引き起こし最悪は「多臓器不全」で死亡する可能性が高くなるのでしょう。

・またリンパ球の減少による免疫不全で『サイトカインストームを引き起こし多臓器不全に陥る』という症例も見られるとのこと。

・「サイトカインストーム」とは、「免疫機能が暴走することで起こる免疫異常」のこと「CD4受容体」の本来の役割である、「ウイルスなどの病原体と戦い身体を守る免疫機能」が極端に強くなって免疫異常となり、自分自身の正常な細胞までも破壊することで重症化する病態です。「新型コロナウイルス感染症」において、度々若い人でも重症化して死亡する症例は、この「サイトカインストーム」原因ではないかと思われます。
3.「CD147受容体」の発現部位と重症化との関係

「CD147受容体」は、特に腫瘍や炎症のある組織などの細胞で高度に発現する糖タンパク質の受容体。つまり腫瘍やガン細胞(悪性腫瘍)の表面に発現するということは、基礎疾患にガンがある人の腫瘍細胞は、新型コロナウイルスから宿主細胞として激しい増殖のターゲットにされてしまうということ。

・「新型コロナウイルス感染症」において、『ガンの患者において死亡する症例が多い』ということも、「CD147受容体」の存在があることで因果関係が想定できます。
4.「GRP78受容体」の発現部位と重症化との関係

「GRP78受容体」は、細胞内の小胞体で恒常的に発現するタンパク質の受容体。「小胞体」とは、細胞質内に網目状に連なる膜性の袋状細胞小器官のこと。「GRP78受容体」には、ガン細胞の増殖の阻害作用やアポトーシス(プログラム化された細胞死)の関与作用があります。

・従ってガン患者のガン細胞小胞体で「GRP78受容体」の発現が頻繁におこると新型コロナウイルスの増殖ターゲットとされる確率が高くなるということ。

・この「GRP78受容体」の存在も「新型コロナ肺炎」において『ガン患者の死亡する症例が多い』という報告を裏付けることができます。

下記参考記事

_________________________________

『新型コロナ災禍の終息は1~2年先?まずは接触機会8割減による沈静化が必須!』 http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/211/0 [1]

『新型コロナウイルスの細胞侵入・増殖から肺炎の発症までの過程とその危険度とは』 http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/179/0 [2]

『新型コロナウイルスと互角に戦える免疫力!自然免疫を高めると無症状・軽症で回復』  http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/180/0 [3]

___________________________________

以上です。


Article printed from 生物史から、自然の摂理を読み解く: http://www.seibutsushi.net/blog

URL to article: http://www.seibutsushi.net/blog/2020/04/5587.html

URLs in this post:

[1] http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/211/0: http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/211/0

[2] http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/179/0: http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/179/0

[3] http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/180/0: http://fanblogs.jp/boyakiman/archive/180/0

Copyright © 2014 生物史から、自然の摂理を読み解く. All rights reserved.