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大規模な消毒剤の空中散布や日常的な手の過剰殺菌による人体への影響

「人体常在菌の概要と役割」http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=291609 [1]より。
人の体は細菌と共生することで維持されており、常在菌を良いバランスで保つことが、健康には非常に重要です。
 常在菌の役割としては、病原菌の侵入や増殖を抑制する免疫機能、人体では作れない有用な物質の製造機能があります。
 また、常在菌には善玉菌、悪玉菌という言い方がありますが、一つの菌が単独で役割を果たしているわけではなく、細菌同士が協力し合って細菌群として機能しています。常在菌は高度に分業化した社会を作って、その社会を守るためにお互いに協力し合っています。

現在、新型コロナウイルスの感染対策として、手の消毒が励行されていますが、消毒剤による皮膚の過剰殺菌や大規模な消毒剤の散布等々。消毒剤による人体の健康への影響 については、十分な注意が必要 なようです。

 

In Deep https://indeep.jp/perfect-spanish-disinfection-could-suggest-perfect-doomsday/ [2] より。

世界中で拡大する大規模な消毒剤の空中散布や、日常的な手の過剰殺菌により、いよいよ人類の健康状況は終末の局面に至ると予測される

・スペインで大規模な空中消毒が実施されることを報じたメディア。 La Razon [3]

消毒剤とは「毒」だという認識が必要となっている

あんまり暗い気分になりたくはないのですけれど、報道などを見ていると、
「なんか、どんどん悪いほうに行ってないか?」
と思うことが多くなっています。

新型コロナウイルスの感染状況の話ではなく、「人間の対策」のほうがです。

冒頭のスペインの「政府が、空中からの大規模な消毒作戦を承認」というのもそういうひとつです。

中国で新型コロナウイルスの感染拡大が始まった頃にも、武漢などでは「大規模な街中の消毒」が繰り返されていました。

そして、それと共に、現在、アフリカから南アジアにかけて「イナゴ(サバクトビバッタ)」の駆除のために、さまざまな国で大規模な殺虫剤の散布が続いています。

これらの現実が「近い将来に招くかもしれないこと」にふと気づいた際に、以下の記事を書かせていただいたことがあります。
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人類絶滅への道 : コロナウイルスとイナゴに対しての「殺菌と消毒の嵐」が吹き荒れる中、地球の微生物と昆虫類が「大絶滅」に向かう可能性。そしてその次は…
https://indeep.jp/disinfecting-whole-world-could-cause-human-extinction/
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新型コロナウイルスの消毒剤に何が使われているのかは、国によって違うのでしょうけれど、一般的な物質の特性としては、「第4級アンモニウム塩」というような物質と類似したような性質のものが使われる場合も多いと思われます。

たとえば、これらの第4級アンモニウム塩的な物質は、それが新型コロナウイルスを死滅させるかどうかという以前に、
「これらは、激しく人間の常在菌と、身体機能そのものに悪影響を及ぼすもの」
であるのです。

なお、アメリカ環境保護庁 (EPA)が 3月に発表した「新型コロナウイルスに対して有効な消毒剤」は以下のようになっていました。

EPAが新型コロナウイルス に有効だとした薬剤の一部

・過酸化水素
・フェノール
・第四級アンモニウム塩
・亜塩素酸ナトリウム
・次亜塩素酸ナトリウム
・二酸化塩素
・塩化ナトリウム

これらはですね。ウイルスを「殺す」のにも有効なのかもしれないですが、「常在菌も殺す」し、「生体機能も殺し」ます。

たとえば、上にある「フェノール」は、Wikipedia には以下のようにあります。
フェノール] 毒性および腐食性があり、皮膚に触れると薬傷をひきおこす。
まあ、どれもそうですよ。

過酸化水素] 強い腐食性を持ち、高濃度のものが皮膚に付着すると痛みをともなう白斑が生じる。重量%で6%を超える濃度の水溶液などの製剤は毒物及び劇物取締法により劇物に指定されている。

第四級アンモニウム] 第四級アンモニウム化合物は健康にさまざまな影響を与える。例を挙げていくと、軽度の皮膚や呼吸器の炎症から皮膚の焼灼性熱傷、胃腸炎、吐き気、嘔吐、昏睡、痙攣、低血圧、死などがある。

上の第4級アンモニウムの「さまざまな影響」には、
死などがある
などがあり、「死などがある」じゃないだろ、と言いたくなりますが、現在、スーパーや公共施設などの入口に置かれてある消毒剤の中には、こういう薬剤が添加されているものがたくさんあるのです。「死などもある」というような作用を持つかもしれないものが。

多くの人々は、それを「毎日、手になすりつけて」いる。

これらの薬剤の最も適切な表現は「毒」です。

~ 中略 ~

スペインの数値が語る「消毒の現実」

そもそも、スペインでは、これ以前に、 「軍事緊急ユニット(UME)」 の名の下に、 「軍によるスペイン全土消毒作戦」 が展開されていました

以下はそれを報じた 3月23日の記事のスペインの報道の概要です。
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スペイン軍事緊急ユニットがスペイン国土の隅々まで消毒する

軍事緊急ユニット(UME)の兵士たちは、スペインのさまざまな都市に展開し、コロナウイルスの蔓延を阻止しようとしている。彼らは 3月15日に消毒活動を開始して以来、空港や駅、あるいは行政施設や養護施設まで、あらゆる種類のスペースを消毒するという使命を遂行している。

軍は、この「消毒戦争」のために消毒用の大砲まで開発し、「町全体」を消毒することさえ可能にした。軍は主に 0.5%の次亜塩素酸塩を含む消毒剤を消毒に使用しており、消毒する領域全体に均一に噴霧させている。

特に、ベンチ、手すり、建物への通路、待ち合わせ場所、人ごみなど、接触が増える可能性のある領域に重点を置いている。適切と思われる場合には、0.45% の次亜塩素酸塩溶液で満たされたポンプを使用し、病院の駐車場などの広いエリアに使用している。 (La Razon)
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これまでもこのようなことをしていたのですが、これからは「空中からの散布も始める」というのです。

なお、注目していただきたいのは、スペインでは「 3月15日」から、このスペイン全土の徹底消毒作戦をおこなっているということです。つまり、この 1ヵ月ずっと行っている。

それを知りまして、私は、
「ああ、スペインで、感染拡大が止まらないのは、このせいだ」
と直感しました。

これは、あくまで私個人の考え方ですが、「人間はバクテリアによって、ウイルスから守られている」と私は考えています。地球上に存在する夥しい種類のウイルスたちと、バクテリア(細菌)や真菌は、基本的には共生していると思われ、特殊な例を除けば、その共生関係の中では「致命的な健康被害は起きにくい」と思われます。

人間が地球に登場して以来の地球とは、そもそも、そういう「共生の場所」です。

たとえば、科学の世界で、人間の腸内のバクテリアが「健康に非常に重要だ」と気づいたのは、比較的最近のことですが、
「それなら外部のバクテリアも悪いわけがない」
と思うのです。

私たちはウイルスに対してもバクテリアに対しても、「病原体」としてのイメージしか持てないという、現実の把握に乏しい近代社会に生きてきました。しかし、腸内細菌のことを考えるだけでも、私たちは「微生物と共生して生きているし、共生しなければならない」というのが現実だと気づきはじめていた はずです。

それなのに、現実の今の社会では、そのバクテリアをただ殺している。常在菌まで殺している。

常在菌に関しては、「全身の常在菌がウイルスから私たちを守っている」ことは医学的にも真実であり、これについては後でふれようと思います。過剰な手の殺菌などは、ウイルスや病原体バクテリアに感染する危険を増加させるのです。

そもそも、スペインで行われているような屋外での殺菌作業が、「実際に屋外のウイルスを殺すのかどうか」は、実は科学の世界ではよくわかっていないのです。

以下は、3月12日の科学誌サイエンスからの抜粋です。
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上海、光州、韓国などの都市で、屋外の消毒で最も一般的に使用されているのは、希釈した次亜塩素酸ナトリウムの溶液、または家庭用漂白剤だ。

しかし、これらの漂白剤が屋外でコロナウイルスを破壊するかどうかは不明であり、それが物の表面でウイルスを殺すかどうか、あるいは、それが空中のウイルスを殺すかどうかは不明だ。 (Science)
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科学的に有効性がわかっていないことを、なぜか大規模に行う。

ただし、これらの消毒剤は、ウイルスに有効かどうかわからなくても、「バクテリアは確実に殺す」はずです。

ということは、スペインの完全な消毒活動は 1ヶ月以上続いているわけで、現在、
「スペインの自然環境体系と、スペイン人の健康は、信じられないほど毀損している」
と考えられます。

スペインのあらゆる場所で、消毒剤が大気中に漂っている状態であり、それは肺から直接、血液に入る(経口した毒は肝臓などで解毒されても、肺から入ると解毒されません)ことになります。

環境に関しては、微生物が消えることで、それに依存している小さな生物たちが生きることができない。その小さな生物に依存している大きな生物も生きられなくなってくる。

~ 以下略 ~

 

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