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「白目」から相手の気持ちを読み取るのは人間ならではの能力

Posted By seibutusi On 2020年1月24日 @ 3:21 PM In ⑧科学ニュースより | No Comments

 

前回の実現塾で、類人猿と人類の身体的相違点の一つに「人類のみが白目である。何故か?」との話が出てきました。
回答としては『白目』による『黒目』の強調という特徴は、相手(天敵、獲物)に自分の眼の位置を知らせてしまう短所というよりも、狩りや狩り以外の日常生活において仲間同士でのコミュニケーションを大きく高める長所を強める為。
となりました。
「ゴリラ研究の第一人者 京都大学・山極寿一総長に聞く」

https://academist-cf.com/journal/?p=10949

「白目」から相手の気持ちを読み取るのは人間ならではの能力
の記事があり、結論は下記の内容です。
>言葉はそれぞれの民族で違うのに目の特徴が同じであるということは、人類が地球上に広がっていろんな言語を編み出す前、我々の祖先はすでにこの白目を持っていたということです。でも人間に一番近いチンパンジーも白目を持っていません。つまり人間だけにこの目が発達したということになります。だからなんらかの大きな理由があったわけです。
ちらっと見るだけじゃなくて、じっくり目を見て対面することによって、より相手のことが深くわかります。だから人間は、電話で済む話でも大事なときには面接をします。それは、単にそのときの相手の気持ちを確かめるだけではなく、相手の人格だとか、相手の人間性みたいなものを見たいからなんですよね。しかも重要なことは、人間は生まれつきそういう能力を持っているということ。非常に大切な能力で、本能に近い能力ということなんです。これが、ゴリラと人間との違い。実際にゴリラの社会に入って体感しないとわからないことです。
以降転載します。
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これまでの山極先生の研究で「表現」されたものの例を教えていただけますか。
たとえば、僕が発見したのはゴリラの「覗き込み行動」。ゴリラって、相手の顔を覗き込んで、10cmくらいの距離で顔と顔を合わせるんですよ。これはゴリラの群れの中にいたときに、ゴリラが実際に僕に対してとった行動です。
それまで僕はニホンザルの研究をしていましたが、ニホンザルにとっては、相手を見つめること=威嚇です。ニホンザルは、顔を見つめると威嚇されていると感じ、逃げたり攻撃してきたりするわけです。動物園などに行くと、サルの檻の前に「サルの顔を見つめないでください」と書いてありますよね。それが彼らの社会のルールです。
だから僕は初め、ゴリラの場合でもそうだと思って、ゴリラの顔をなるべく見つめないようにしていたわけです。ゴリラが僕のほうを見たら視線を外していました。でもゴリラがこっちまでやってきて見つめ出すもんだから、これはヤバいなと思って避けた。そうすると、回り込んでまで顔を近づけてきて……そのときは「あれ、何してんだ!?」と思って、じっと下を向いていることにしたんです。すると、「ウー」と唸って、そして後ずさりして、不満そうに立ち去って行った。
そのときに「これは、ニホンザルとは違うな」と感じました。そこでゴリラの行動をもう一度注意深く見てみると、ゴリラ同士が毎日のように顔と顔を見合わせるという行動をしているわけです。「あらっ!」と思いましたね。事例を記録していくと、挨拶だったり、仲直りだったり、交尾の誘いだったり、遊びの誘いだったり、仲裁だったり……と、顔と顔とを見合わせる行為がいろんなところで出てきたんです。それで、これは彼らにとって非常に重要なコミュニケーションだということがわかりました。これは論文にもまとめています。
——ゴリラにとっては顔と顔とを見合わせることがコミュニケーションになっているんですね
そこから「じゃあ人間にとってこの行動はどういう価値を持っているんだろう」と問い返してみた。人間はそうした行動をとりませんよね。誰かと話をするときにも一定の距離を保っています。そもそも話をするのに、近くにいて顔と顔とを向かい合わせる必要すらないじゃないですか。だって、音声で意味を伝え合えるんだから。言葉を交わし合うために対面しているわけじゃない。
でも人間は対面したがる。これは、ニホンザルとは違ってゴリラとは同じなわけです。だけど対面するときに距離を置くのは、ゴリラとは違う点。なんでこうした違いがあるんだろうと思ってみたら、「目」に違いがあったんです。
——「目」ですか?
そうです。ゴリラの目って真っ黒なんです。ゴリラは言葉を持っていないうえに、目が真っ黒。だから近づいて顔を合わせる必要があるんじゃないだろうか。でも人間の目って白目がありますよね? 目がキョロキョロしたりパチパチしたりすることによって、相手の気持ちがわかる。集中しているのか、どこかに注意を逸らしてるのか、別のことを考えているのか、白目があることによって少し離れた場所からだと相手の状況がわかるわけです。そしてそれが、言葉を伝える支えになっているんです。
我々人間が言葉を交わし合うときには、相手の顔を見て、目の動きを見て、相手の気持ちをモニターすることが非常に重要です。現代人は虹彩の色こそ違えど、どの民族もみんな白目を持っている。白目を通じて相手の気持ちを推し量る能力は、人間誰もが持っているものです。
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