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生物の基本要素の反エンタルピー増大(秩序化・統合化)過程をになう微生物

前回に続き、生物の基本要素の反エンタルピー増大(秩序化・統合化)過程をになう始原生物(微生物)について

外部エネルギーを利用して二酸化炭素から糖やアミノ酸をつくる微生物

光合成生物(太陽光をエネルギー)と化学合成生物(水素や硫黄などの化学物質をエネルギー)及び電気合成物(電気をエネルギー)があり、そのうち有益な微生物を紹介します。

 

http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5664054.html より

CO2を吸収し有機物に変える微生物や、H2を生成する微生物。

知っての通りCO2は地球温暖化の原因となる。H2は次世代に期待されているエネルギー源である。そんなに都合のよい微生物が存在するのだろうか?しかし、CO2を吸収するのは植物が行っていることであるし、そういう微生物もたくさん存在する。水素生産菌も決して特殊な菌ではなく、土壌やシロアリなどの体内にも普通に存在している。嫌気性の細菌だ。

CO2から石油を合成する細菌】

人類が放出した二酸化炭素を逆に石油に変え、生態系のバランスを取り戻す微生物が、静岡の油田のまっ黒なタールの中にいた。それが、大阪大学が発見した、廃液処理などに活躍しているシュードモナス属の細菌の仲間である。

この細菌は、エネルギー源としての石油が豊富にあるときはそれを取り込み、石油がない環境では二酸化炭素を還元し、石油を合成してため込む。今後、遺伝子解析を進め、遺伝子操作で石油生産能力の高い新種ができれば、と考えている。

酸素も光も必要とせず、二酸化炭素と水素を利用する生物が、進化のなかでどのような位置づけになるのか興味深い。

【水素細菌】

水素細菌(Hydrogen-oxidizing bacteria)とは、遊離の水素を酸化し、その反応によって生じるエネルギーを利用して、炭酸同化を行う化学合成細菌の総称である。

土壌や海洋などの自然環境中に存在する。Alcaligenes属やPseudomonas属、Bacillus属、あるいは好熱性のHydrogenobacter属など、多様な分類群に属する細菌が含まれる。

光合成細菌を用いた水素生産は、太陽光を利用可能なこと、基質に未利用資源である有機性廃水やバイオマスなどを利用可能なことから、環境浄化とクリーンエネルギー生産を同時に行うシステムの構築が可能である。

水素生産菌】

水素生産菌は決して特殊な菌ではなく、普遍的に存在していると考えられる。土壌やシロアリなどの体内にいる。嫌気性の細菌とされる。

発酵条件で鍵となるのはメタン生成菌など、他菌種の活動を抑え、水素生産菌に適したpH値、温度等の培養条件を維持することにある。

一般的に下水消化汚泥を水素発酵の種菌として用いる場合には生成した水素は速やかに水素資化性のメタン生成菌によって消費されることから水素回収は困難であるといわれ、このような水素資化菌の活動を抑制する方法として熱処理や酸処理などの改質法による水素資化性メタン生成菌の死滅が有効であるとの知見があるが、未改質の下水消化汚泥を用いて水素発酵を行っても発酵槽内のpH値を制御することによりメタン発酵反応を抑制することで水素生成汚泥として利用できるとの知見もある。

メタン生成菌の増殖に適するpH6.8∼7.5よりも低い4.0∼6.8が水素生産菌の活動には望ましいとされる。温度条件は他の菌種が活動しにくい50℃でも活動が確認される。

極限環境生物を発見!地球最深部マリアナ海溝で新種の細菌・南極の昭和基地で新種の菌類2種】 [1]

http://sciencejournal.livedoor.biz/archives/5320729.html より

常識では考えられない生物たち

地球では常識では考えられない環境でも、まだまだ未発見の生物が多数存在する。 実際に、さまざまな環境で生物が成育している。例えば深さ10000mの深海にある、海底堆積物内にこれまでは数が少ないと考えられてきたアーキア(古細菌)が大量に生息していることが発見されている。

地球の上空、高度12000mの成層圏からも航空機を用いた採集標品から、1立方メートルあたり約1個の細菌が検出されている。その菌を調べたところ、これまでに知られている中でもっとも高い紫外線耐性を示した。

インド洋の深海、水深2450mの熱水噴出口からは122℃の高温、200〜400気圧もの高圧で生育できる微生物が見つかった。

【電気で生きる微生物】

http://www.riken.jp/pr/press/2015/20150925_1/ より

-微生物が持つ微小電力の利用戦略

太陽光が届かない深海熱水環境に電気を非常によく通す岩石が豊富に存在することを見出しました。そして、電気を流す岩石が触媒となり、海底下から噴き出る熱水が岩石と接触することで電流が生じることを発見しました注1),注2)。これらを踏まえ、海底に生息する生物の一部は光と化学物質に代わる第3のエネルギーとして電気を利用して生きている。

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