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核実験・原発事故による放射能汚染の現状

西欧科学の産物の一つ。核兵器・原子力発電。最近マスコミではあまり報じられませんが、核実験・原発事故による放射能汚染の現状はどうなっているのか。

1.太平洋核実験の汚染物質の現状(2019年)

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                     画像はこちら [2] より。

まずは、太平洋核実験の汚染物質の現状。

・世界的には、1945年に初めての核実験が行われて以降、冷戦期にはアメリカ合衆国・ソビエト連邦を中心に約2,000回の核実験が行われている。
・太平洋核実験場はアメリカ合衆国が使用していた核実験場。マーシャル諸島にあり、1946年から1962年にかけて100回を超える大気圏内核実験が行われた。
以上、(Wikipedia [3]

冷戦期にマーシャル諸島のエニウェトク環礁に建設された核実験の遺物(コンクリートのドーム)から汚染物漏出の恐れがある。その他、世界各地の実験場の汚染物質はどうなっているのか。予断を許さぬ状況です。
以下、「AFP BB NEWS [2]」より。
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太平洋の「核のひつぎ」から汚染物漏出の恐れ、国連総長が懸念
【5月16日 AFP】
国連(UN)のアントニオ・グテレス(Antonio Guterres)事務総長は16日、核実験で生じた汚染物を投棄するため20世紀に建設されたコンクリートのドームから、放射性物質が太平洋へ漏出することへの懸念を表明した。

太平洋の島国フィジーを訪れ、学生らを前に演説したグテレス氏は、マーシャル諸島のエニウェトク(Enewetak)環礁に建設されたこのドームについて、冷戦(Cold War)期の太平洋における核実験の遺物であり、「一種のひつぎ」だと表現した。

さらにグテレス氏は、マーシャル諸島のヒルダ・ハイネ(Hilda Heine)大統領と同様に、このドームに封じ込められている放射性物質の漏出の恐れを非常に懸念していると述べた。

同環礁の一部を成すルニット(Runit)島に1970年代後半に建設されたドームは、核実験で生じた放射性汚染物質の投棄場となっている。

放射性物質を含んだ土や灰が、クレーターに運び込まれ、厚さ45センチのコンクリート板で覆われている。

当時は一時投棄との位置付けで、クレーター底面には何らの加工もされていないことから、汚染物の海洋流出の危険性が指摘されている。

何十年も経過したドームには複数のひびが入っており、サイクロンが直撃した場合には崩壊しかねないと危惧する声もある。

グテレス氏はドームへの対応策には直接言及しなかったものの、太平洋の核の歴史は過去のものではないという見方を示した。(c)AFP
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2.福島原発事故、その後の汚染状況(2019年)

次に、日本国内。福島原発事故から8年。地域住民と東京新聞による山菜の放射能汚染についての報告です。今だ深刻な汚染状況です。

以下、「東京新聞(原発のない国へ) [4]」より。
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福島・飯舘村 山菜のセシウム汚染は今(2019年)
2019年06月05日

東京電力福島第一原発事故で高濃度に汚染された福島県飯舘村。昨年に続き、住民の伊藤延由(のぶよし)さん(75)と、山菜に含まれる放射性セシウム濃度を調べた。前回報じた楢葉町と比べ、土の汚染度は格段に高い。山菜の濃度も格段に高かった。

飯舘村での定点観測は2回目。昨年に比べると、濃度が下がってきているようにも見えるが、6種の山菜のうち食品基準(1キログラム当たり100ベクレル)を大きく下回ったのはタラの芽とシドキだけ。コシアブラやコゴミなど4種は5分間ゆでても基準値を大きく超えたままだった。

後日、同じエリアで採取したワラビが簡易検査で542ベクレルと倍以上の値だったと伊藤さんから連絡を受けた。原因を探ると、測定した部位が微妙に異なる可能性が浮かんだ。本紙では根元付近から採取して全体を測定しているが、伊藤さんは柔らかい中間部から上を採っていた。部位別に濃度を調べると、穂先と根元では濃度に3倍近い開きがあった。(山川剛史)
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