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細胞が音を聴く? -音により細胞に遺伝子応答が起こる可能性を示す-

音(周波数情報)は耳の専用神経細胞が感知して大脳に知らせるのだから感知できる周波数(20~20000HZ)以外は認識できないとおもっていました。

しかし最近のCD音楽で、人間の聴覚範囲を超える20000HZ以上の周波数をカットして録音した所、違和感を感じる人が多くいたそうです。

又人は、音について音楽治療や癒し効果があったり、無音響室では精神不安になります。

この様な事象から人の音との関係はもっと深い関係があるのではと考えていた所、

「細胞によっては特定の遺伝子群のはたらきが抑制されることを発見しました。」との驚くような記事が有りました。

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細胞が音を聴く? -音により細胞に遺伝子応答が起こる可能性を示す-

2018年02月01日

 粂田昌宏 生命科学研究科助教、吉村成弘 同准教授らの研究グループは、可聴域の音に対して細胞レベルで遺伝子応答が起こることを示しました。生命と音との根本的な関係の解明が期待されます。

本研究成果は、2018年2月1日午前4時にオンライン学術雑誌「PLOS ONE」に掲載されました。

研究者からのコメント

 これまで音(可聴域音波)は、耳などの感覚器によって受容され、脳によって統合解釈されることで、はじめて生命にとって意味のある情報になるものと捉えられてきました。本研究では、この「常識」にチャレンジし、音が直接細胞に作用して遺伝子応答を引き起こすことを示す結果を得ています。今後も、生命にとって音とは何なのか、独自の切り口から考えていきます。

概要

音は、人をはじめとする動物個体にとって、外界の認識やコミュニケーションのツールとして非常に重要な役割を果たします。その個体レベルでの重要性は誰もが認めるものであるのに対し、細胞レベルで音を認識する仕組みがあるかどうかについては、これまでに科学的な検証がほとんどなされていませんでした。

そこで本研究では、可聴域音波が細胞レベルでの応答を引き起こすかどうかを、細胞の遺伝子応答に着目して追究しました。様々な種類の細胞に様々な音波を当て遺伝子解析を行ったところ、細胞によっては特定の遺伝子群のはたらきが抑制されることや、その応答レベルには音の大きさや波形などの特徴が大きく影響することを明らかにしました。中には抑制応答が見られない種類の細胞もあることから、分化など細胞の状態によって、音に対する応答の仕方が異なると考えられます。

今後、さまざまな実験を通して検証を進めることで、細胞が持つ音波に応答する仕組みを明らかにするとともに、音が生命に与えうる影響を多角的に考察していきます。

詳しい研究内容について

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