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触覚の不思議~触覚は、もっとも根源的な感覚

Posted By seibutusi On 2016年8月13日 @ 9:57 PM In ①進化・適応の原理 | No Comments

人間の感情を生み出すのは「脳」ではなく、 皮膚や腸などの内臓と言われます。また、身体性認知科学では、触覚が、私たちの意思決定や心の有り様に影響を及ぼしていることが確められています。さらに、触覚は、気持ちや判断を変えるだけでなく、物事を深く理解するためにも必要だとも考えられています。

触れる [1]

(画像はコチラ [2]からお借りしました)

 

今回は「触覚」とは何か?について考えてみます。

  外部環境についての基礎的な情報を、私たちは、まず、触覚を通じてキャッチします。

赤ちゃんの五感の中で発達が早いのは、なんといっても触覚です。触覚は妊娠10週頃から自分の身体や子宮壁に触れるという行動が見られ、学習が始まっていると言われます。お母さんのお腹の中では全身が触覚の存在であった赤ちゃんは、生まれるとすぐに自分が触っていると、見ているものとが同じであることを認識し始めます。

赤ちゃんの視力は、新生児では0.03程度しかありません。そこで赤ちゃんは触わることで空間認知を始めます。生まれたばかりの赤ちゃんは、なんにでも触れたがります。赤ちゃんにとっては、触れること、舐めることの方が、見る・聞くことよりも、情報を得られるからです。このように、赤ちゃんは「触れる」ことによって、自分自身と世界との関係を学んでいきます。

このことは、脳科学によっても裏付けられています。「光を見せたとき」「音を聞かせたとき」「指に振動を与えたとき(触覚を与えたとき)」の 3つの場合の脳活動を測定されています。

測定では、触覚刺激のときは、側頭部から頭頂部にかけての広い領域で脳活動が見られ、視覚、聴覚刺激に比べてずっと広い領域に及んでいることが確められています。しかも、成人が触覚情報を処理する感覚野を超えて、その周辺領域せ聴覚野などにまで活動が広がっていようです。

触覚刺激によって視覚野や聴覚野の脳活動が見られることから、まず触覚でとらえた情報と視覚情報を結びつけその対応を取っていくようです。赤ちやんは少なくとも月齢2カ月のときには、一度触れたことのあるものは目で見ても「覚えている」ようだとの報告もあるそうです。

成長するするにつれて、視聴覚的な記憶が中心になっていきますが、その基盤に触覚があることには変わりはありません。ところが、テレビ、最近ではネットが生活に浸透するにつれて、実際に体験することなく様々な視覚情報が飛び込んでくるようになりました。また、パソコンや携帯、スマホの普及で、年々、字を書く機会も減少しています。このような触覚と視覚・聴覚とが分断した状況の増加が、少なからず最近の学力低下に影響しているのではないでしょうか? 今、改めて、触覚を含む五感(視覚・聴覚・臭覚・味覚・触覚)とは何か?その重要性や活かし方などを考える必要を感じています。

 

参考
触楽入門-はじめて世界に触れるときのように 他


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