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熱力学第二法則に抗する生命活動と生物進化 

生命活動の根本原理は、秩序が崩れて無秩序化するとされる自然現象に抗して、秩序を高めていくことにある。例えば、生物は、生きている状態は、同じ物質でも腐敗しないが(常に秩序化されている)、死ぬとすぐに腐敗する(無秩序化する)。

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 画像はコチラ [2]からお借りしました

また、進化は巨大化と特殊化によって実現されてきが、巨大化とは構成分子の極端な増大であり、それ自体が高度な秩序化になる。それは、自由で無秩序に動いていた分子を、複雑な組織の中に取り込んで秩序化する物理現象だからである。

つまり、生命活動や生物進化は秩序化のエネルギーに貫かれている。だから、常に無秩序化に向かう熱力学第二法則が支配する従来の物理学では説明できない。よって、生命の起源の探究には、なぜ、秩序化できるのか?を含めて説明できる物理理論が必要になる。

そのヒントが、佐野博士の、『熱とは何か?温度とは何か?現代熱力学の誤りを正す(リンク [3])』にある。

熱とは元々方向性を持ったエネルギーが細分化しそれぞれ違った方向に向けられ、総体として方向性を失った形態のエネルギーの事であり、実際の物質世界においては電子が振動すると電磁波を発するその仕組みにより、初めの方向性を持ったエネルギーの衝突の衝撃が電子を約3万ギガ・ヘルツの振動数で振動させあらゆる方向の赤外線、つまり総体として方向性を失った赤外線エネルギーへと変換されたものが熱エネルギーである。

温度とは秩序レベル(方向性、構造)が高い物は低温であり、秩序レベルが低い物(構造が崩壊し、方向性を失った物)は高温である。よって、構造が崩壊する、またはエネルギーの方向性が失われる、又は方向性を失った形態のエネルギーである熱エネルギーがやって来る、または発生すると温度が上がる。

そして方向性を持ったエネルギーが方向性を失った熱エネルギーへと変換される過程はエントロピー増大過程である。

つまり、方向性(秩序)を失い、乱雑化したエネルギーを熱エネルギーといいい、このエネルギーは更に無秩序化していく。これをエントロピーの増大といい、熱エネルギーは利用価値が低い、という理由でもある。

ところが、生物が主に利用している地球に到達する太陽エネルギーは熱だけではない。むしろ、熱以外の電磁波や素粒子など、温度は低いが、高秩序、高エネルギーの利用価値の高いエネルギーのほうが圧倒的に多い。

生命活動や生物の進化は、このような秩序化されたエネルギーを受信、利用して、その廃棄物として熱をすてることで実現してきた。つまり、熱力学第二法則に抗する生命活動と生物進化は、秩序化された電磁波などの波動エネルギーを受信、利用することで実現されてきた。

このことからも、エントロピーの法則は、物理世界を包括的に説明できる論理ではなく、多くのエネルギーの内、質の低下した熱エネルギーだけに適用できる部分的な法則であることがわかる。

よって、生命活動や生物の進化は、秩序化された電磁波などの波動を考慮しない限り説明できない。それは、秩序化エネルギーともいえる。

それは、熱を利用した化学反応をエネルギーを利用する生物より、電磁波(≒光)を利用して光合成を行う(従属栄養型生物といわれる、植物を食べて間接的に光のエネルギーを利用している生物を含む)生物のほうが進化しているという事実からも説明できる。

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