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がん(原)遺伝子・がん抑制遺伝子の“正常作動”=細胞のがん化

ganyokuseiidenshi [1]
画像はこちら [2]からお借りしました。

がんは遺伝子を要因とする病気であり、「がん(原)遺伝子」の変異→無限増殖と「がん抑制遺伝子」の変異→機能喪失によって発症すると言われています。
しかし、がん細胞は体内に蓄積された毒物の排出・浄化機構であること、免疫システムの司令塔が免疫細胞によるがん細胞への攻撃を防いでいることなどを踏まえると、「細胞のがん化」は必要に迫られて起きているとも考えられます。

つまり、体内が危機的な汚染状況におかれた場合に、がん抑制遺伝子が機能停止し、がん(原)遺伝子が始動して、細胞のがん化による浄化措置を行っているということです。

がん細胞 [3]<stnv基礎医学研究室>より

『がん遺伝子』は、がん化が必要とされる状況になると働く
『がん抑制遺伝子』は、がん化が必要なときにはスイッチオフにされる

・『がん遺伝子』などといったものがどうして存在するのかであるが、「がんは悪者である」と解釈している限りはその存在意義は理解できないであろう。細胞が生き延びる手段のひとつとしてがん遺伝子が存在するのである。
・従来から言われている『がん遺伝子』の定義や同定された遺伝子をここに列挙することはやめておく。なぜなら、「その遺伝子が壊れた場合にはがん化を促進する方向に働く」遺伝子を『がん遺伝子』と呼んでいるため、これは本当のがん遺伝子ではないからである。
・細胞にとって苦しい期間が長期間継続すると(短時間のストレスは好ましいことの方が多い)、細胞は生き残りを懸けて『がん遺伝子』のスイッチをオンにする。
・抗生物質や放射線を与えるとバクテリアは激しく変異し始めるのと同じように、がん細胞も激しく染色体や遺伝子レベルの変異を誘導する。(これを観察した人は、「がん」は遺伝子変異によって起こるのであると間違った解釈をした。)
・『がん抑制遺伝子』としてp53などは有名であるが、細胞ががん化するときにはこの遺伝子は働かないように処理されている。この遺伝子が変異するから「がん」が発生するのではなく、がん化する必要があるからこの遺伝子が封印されるわけである。

もちろん、がん化した細胞は本来の機能を担うことができておらず、身体への負担もかかります。それ故に安易に作動しないように「がん抑制遺伝子の機能停止」と「がん遺伝子の活性化」という二重のスイッチを設けているのではないでしょうか。
つまり 「細胞のがん化」は、本当に危険な状況に限って発動する非常対応装置として、遺伝子レベルで組み込まれていると考えられます。

このような視点で見ると、「手術による除去」「抗がん剤投与」「放射線照射」等の治療は、非常対応装置を破壊する行為となり、汚染源を断たない限り、適応しようとしてがんの転移や再発が起きるのは必然です。

生物は外圧に適応していく存在です。
徒に「がん細胞」を敵視するのではなく、がん化という非常手段をとらせている外圧(汚染)が何かを探ることが、根本的な“がん治療”の可能性になると思います。

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