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【脳のメカニズムと可能性Vol.2】記憶において重要な2つの機能

Posted By seibutusi On 2014年11月4日 @ 10:32 PM In ④脳と適応 | No Comments

人間の脳は、なぜ多くの情報を蓄えることができるのでしょうか。そしてどうすれば、効率的にものごとを覚えることができるのでしょうか。その答えを、本ブログでは、脳のメカニズムから探っていきたいと思います。

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■どうして多くのものを記憶できるのか

それは、人間の脳は見たこと、感じたこと、考えたことを、「言葉」に圧縮することができる機能を持ってるからです。

例えば、具体的な事例として、次の記事を引用したいと思います。

リンク [1]
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●言葉や文章は、すべての現象を表現しきれない
人間の脳により「言葉」は日々生み出されます。言葉は脳と脳の外界を含めたすべての情報を言葉により表現・記述しようとします。しかし言語では、現実(外界)の膨大な情報を「完全に」描写・蓄積することができません。言葉により記述される内容は必ず不完全な情報になります。なぜなら脳は外界よりも(空間的に)遥かに小さく、そもそも脳の能力自体にも限界があるからです。よってそこには必ず不要な(=重要ではない)情報を切り捨てる、つまりモデル化するという作業が必要になります。もっとも着目した情報に焦点を合わせて、モデル化はなされていきます。

具体的に考えられるように例を出しましょう。下に私がインドで撮ってきた二枚の写真を載せました。
インド1 [2] インド2 [3]

 

 

 

 

 

 

 

これらをあなたが隣人に伝える時、どのように表現するでしょうか? その表現は、他人と比べて同一でしょうか? まず同じにはなりません。着眼点が異なることもあるでしょう。同じ点に注目していても表現が違うこともあるでしょう。実際問題、あなたがどれほどこの写真の情報を他者に伝えきることが出来るでしょうか。人物の服装・性別・年齢、または背景などすべての情報を言葉で表現しきることはかなり困難で、なおかつ着目すらしなかった点が必ずあったはずです。そのような情報も含めてすべてを伝えるといことがいかに難しいことであるかはお分かりいただけると思います。

中略

このジレンマに対して、ヒトは表現を変えて様々に形容してみたり、身振り手振りを加えたりして情報量を増すことで補おうとします。しかし多く場合これでもすべてを伝えきることは困難なことであることはご理解いただけると思います。このような「つたえきれない」というジレンマは、モデル化の作業、主要でない情報を「切り捨てる作業」により必然的に生まれるものなのです。

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引用記事に書かれているように、私達は五感で感じたことを、部分的に集約することで、言葉として他者に伝えています。そのような機能を、ものに意味を与えることから、「観念機能」と呼ぶことにしましょう。人類は、この観念機能を巧みに使うことで、世の中の現象やモノに対して意味を与え、その原理や知識を蓄積することで進化してきたのです。

つまり、人間の脳には、何かを感じる感覚機能と、言葉に置き換える観念機能の2つが備わっていると言えます。

それでは、この観念機能は「記憶」どのように関わっているのでしょうか。
るいネット [4]より

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>観念が記憶力の向上に重要な役割を果たします。例えば、りんごのような赤色の物体をみて、『赤』という『色』を記憶するには、りんごの様々な特徴から、赤という特徴(膨大な情報量がある)のみ取り出し『赤』という観念(非常に小さな情報量になる)に置き換えて記憶します。

>そして、赤に関する何かを考えるとき、データ量の多い実態の赤を呼び起こさないで、小さなデータ量の『赤』という観念のみを呼び出し、その他の観念とつなげて統合することが可能です。そして、結果が実態のデータ量の多い赤にまつわる諸事実と整合していることを、最終過程で確認すれすむようになっています。
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このように、「記憶」とは、感覚機能と観念機能という2つの機能が同時に働くことによって行われる作業であると言うことができます。

もちろん自転車の乗り方や、泳ぎ方など、感覚機能だけで覚えるものもあるし、丸暗記のように観念機能だけで覚えるという、例外もあるかもしれません。

しかしながら、最も重要なのは、この感覚的な機能と、観念的な機能を同時に動かすことです。それはより忘れにくく、生きていく上で使える脳みその使い方となるからです。

例えば…

・何か覚えるとき、声に出したり、手を動かした方が早く覚えられなかったか?あるいは友人と問題の出し合いをした時の方がよく記憶に残っていなかったか?

・鉄道の車掌や工事現場の作業員が腕を動かして点検作業を行っているのはどうして?

・英語で「赤い」はredであり、そこには音にしか意味がないが、日本語の「赤い」は「明ける」から来ている。日本語には、このように情景が言葉へと対応したものが多く存在する。そこには日本人特有の、言葉のイメージと言語能力の結びつきがあるのでは?

これらの疑問の答えは、感覚機能と観念機能の関係にありそうです。

この2つの機能の結びつきを明らかにしていけば、脳の使い方も変わってくるかもしれません。次回は、この関わりをさらに掘り下げていきたいと思います。


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[4] るいネット: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=14152

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