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「理想の食事は元禄以前の玄米菜食」~約40年前のアメリカが評価、抹殺、そしていま、再評価

Posted By seibutusi On 2014年7月22日 @ 11:45 PM In ⑩微生物の世界 | 6 Comments

漬物や梅干や魚の麹漬けなどはosouzai [1]、昭和の30年代までは自家製の自給食が主流でした。自家製の発酵食品が日本の食卓から消えたのは、学校給食に始まったパン食の普及と、米国過剰農産品の無償援助の受け入れが契機です。特に朝食が伝統的な日本食から、米国まがいのパン食に代わってしまって急速に進んでしまったのです。

続いて団塊の世代が子育て世代となって以降は、食卓から自家製の発酵食品は姿を消してしまいました。敗戦による食糧難と米国・食料メジャーの対日攻勢が、市場社会に突入し始めた日本の食卓を大きく変えてしまった頃、米国社会ではマクガバンレポート(1977年)が発表されました。

5000ページにも及ぶレポートの中で、さも理想的な食習慣は日本食(しかも元禄期)であると結論付けられています。まだ米国に言論の自由があった時代のことですが、それから食料や医療メジャーの圧力が強まりマスコミの愚民化キャンペーン(現在に続く世論操作)の下で葬られていきました。(引用:自家製の発酵食品が食卓から消えた日、然し再生の機運が高まっている。 [2] )

 

マクガバンレポートは現在、第二版は国会図書館で見ることができますが、圧力により内容が大幅に改訂されたものになります。オリジナルの第一版は原文でも手に入らないようです。戦後、日本人は食文化が西洋化していきます。その発端には、熾烈なやりとりがあったことがわかります。

しかし、いくら世論操作、言論弾圧しようと、事実は変えることができません。いまやアメリカをはじめ世界で日本食が見直され、マクガバンレポートも再評価され始めています。その内容から、西洋医学の問題と、日本の食文化を見直してみたいと思います。(原文訳は見つからないので、もっとも詳しく解説されている「http://www.laface.biz/file/43/makugaban.pdf」より引用・抜粋します。)

肉食中心の食生活では健康を維持できない、今の医学では病気は治せない

ジョージ・S・マクガバン [3]

ジョージ・S・マクガバン

1977年に、アメリカでは「マクガバンレポート」という「研究資料」が、発表されました。当時のフォード大統領が、「こんなに医学にお金をかけて、医療がこれだけ進んでいるのに、どうして病気の人が減らないんだ!」と言い始めたのをきっかけに、被験者3000人を調査し、2年間かけて5000ページにわたる「レポート」を完成しました。その時の「国民栄養問題アメリカ上院特別委員会」の「委員長」が、当時、副大統領だった「マクガバン」で、彼の功績によって、「アメリカの栄養学が変わった」とも言えます。

その当時アメリカでは心臓病の死亡率が一位で、癌は二位でしたが、心臓病だけでもアメリカの経済はパンクしかねないと言われる程医療費が増大していて(1977 年には 1180 億ドル―約 25 兆円)そんな財政的危機を何とか打開しようということで始められた訳です。

しかしながら、彼は当然のことながら、各界から非難を受けます。「今の医学では、病気は治せない!」と言えば「全米医学会」から、非難を受け、「肉食中心の食生活では、健康を維持できない!」と言えば、「全米畜産業界」からの。非難を受けた訳です。案の定、翌年の「副大統領選」には、落選しています。

その後も、チャーチル・パーシーとかエドワード・ケネディー(ケネディー大統領の弟)が、委員会に入り、調査を進めて行きました。エドワード・ケネディーは、北海道や沖縄にも、また日本の10数か所(長寿村と呼ばれる地区)を訪問し、調査をしています。その「レポート」にこう書いてあります。

現在のわれわれの食事は、不自然で全くひどいものである

今の食生活が、ガン、心臓病、糖尿病などの現代病を生んでいる

ビタミン、ミネラルの、特に、カルシウム、鉄、ビタミンA、B1、B6、C、Eの不足がひどい!典型的な若死のデータだ!≫

 

『マクガバンレポート』の要点は「諸々の慢性病は、肉食中心の誤った食生活がもたらした《食原病》であり、薬では治らない」と決め付け、更に「われわれはこの事実を率直に認めて、すぐさま食事の内容を改善する必要がある」として、7項目の食事改善の指針を打ち出しています。その内容を要約しますと、高カロリー、高脂肪の食品つまり肉、乳製品、卵といった動物性食品を減らし、できるだけ精製しない穀物や野菜、果物を多く摂るようにと勧告しています。

 また、この『マクガバンレポート』を補足する形で発表されたのが『食物・栄養とがん』に関する特別委員会の中間報告ですが、そのレポートで特に注目されるのは、「動物性タンパク質の摂取量が増えると乳がん、子宮内膜がん、前立腺がん、結腸・直腸がん、膵がん、胃がんなどの発生率が高まる恐れがある」として「これまでの西洋風な食事では脂肪とタンパク摂取量との相関関係は非常に高い」と述べています。

 

最も理想的な食事は元禄時代以前の日本の食事

マクガバンレポートでは、従来の医学は栄養に盲目であり偏った片目の医学であると結論づけ、がんをはじめとする慢性疾患に関しては患者さんの生活習慣を改善することが不可欠であるために従来の医学で治すことは不可能であるとしています。

その理由は、担当医師が患者さんに付きっきりになり生活改善の指導をすることは物理的に無理だからです。さらに、日本では本格的に「栄養学」を学んだ「医師」は、極めて少ないのが現状です。大学で、学ぶ栄養学は「臨床栄養学」と言って、詳しい「栄養学」は、学びません。

元禄時代の食事 [4]そして「最も理想的な食事は元禄時代以前の日本人の食事である。」と報告しています。(精白しない殻類を主食とした季節の野菜や海草や小さな魚介類)であることが明記されています。

「なぜ元禄時代以前?」という疑問があがるでしょう。理由は、元禄時代には精米技術が発達し、白米を食べるようになったからです。その結果「江戸わずらい」、すなわち脚気が大流行したという話が歴史にも残っています。お米は精白することで、胚芽に含まれるビタミン、酵素、ミネラル、食物繊維といった、貴重で重要な栄養素が無くなってしまいます。ですから、単に日本食とは言わず、栄養的に優れている玄米を主食にしていた頃の和食が理想的な食事というわけです。伝統的な日本の食事というと結局は、精白しない殻類を主食とした季節の野菜や海草や、小さな魚介類といった内容です。

 

20世紀の医学=パスツール医学=は偏った思考回路が支配

マクガバンレポートには…≪このような単純なことに気が付かなかったのは、20世紀の医学に特有の思考回路、偏った思考回路が支配していたからだ!≫と言っています。それは「パスツール医学」です。つまり「病気の原因は菌だ!」という訳です。それ以来、「抗生物質」の開発を進んでいる訳です。

しかし、「ペッテン・コーヘル」が、「病気の原因は、菌じゃない!菌が宿りやすい抵抗力のない体が問題なのだ!」と唱える訳です。彼は、コレラ菌を自分で培養して、みんなの前で飲むんです。でも、当然、「なんともありません」…でも、現在でもやはり、「菌さえ叩けば、病気は治る!」と言う考え方が主流である事は確かです。

このレポートの前身、1971 年にアメリカのニクソン大統領は、国家的プロジェクトとして「ガン撲滅計画」をスタートさせ、巨額の研究費を国立ガンセンターなど、西洋医学を中心とした政府機関に投じました。しかし、ガンは年々増え続け、結局ガン戦争に勝てませんでした。この計画は実現されないまま、同年 1977年にマクガバンレポートが発表されました。こうして米国の疾病対策は、治療から予防へと大きくシフトしたのです。この歴史的レポートは、”日本以外”の先進国が健康政策の原典としています。

***

今、世界から日本食が注目されています。また、日本国内においても、玄米食(自家精米)や糠漬などの発酵食品が見直されだしました。敗戦から70年、苦しい貧困の社会圧力は消滅したものの心と体は病むばかりで、それに付け込むように医療産業が隆盛を極めてきました。しかしその医療産業全体への国民の不信と懐疑が芽生え始めるとともに、醗酵食などの伝統的な食生活が見直されだしました。この傾向はこれから益々進展していくこととなりそうです。自家製の発酵食品が食卓から消えた日、然し再生の機運が高まっている。 [2]

 


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[2] 自家製の発酵食品が食卓から消えた日、然し再生の機運が高まっている。: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=292283

[3] Image: http://www.seibutsushi.net/blog/wp-content/uploads/2014/07/GeorgeMcGovern_1.jpg

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