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シリーズ 素粒子とテレパシー2~動物たちのテレパシー~


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こんにちわ。素粒子とテレパシー第2段です。
第1回では、テレパシーは超常現象ではなく、誰もが潜在的に有している能力である可能性が高いhttp://www.seibutsushi.net/blog/2013/11/001440.htmlという事を明らかにしました。
今回は、もう一段掘り下げる為に動物たちのテレパシー現象に迫って見ます。
応援よろしくお願いします。


動物界で見られるテレパシー現象は大きく、「個体間」「集団内」に分ける事が出来ます。
①個体間でのテレパシー
 ウマやイヌ等は、2頭~数頭程度の小さな集団において、個体同士が親密な関係にある場合テレパシーの様なものが働く事が分かっています。
〇ウマ
%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%80%80%E9%A6%AC.jpg イギリスのウマ調教師・ハリー・ブレイク氏の実験によると、同腹(=親が同じ)の兄弟姉妹、もしくは一緒にえさを食べたり散歩したりするような緊密な関係にあるウマ同士を別々の場所に置き、一方にだけえさをやったときの他方の様子を観察したところ、24回中21回において、見えないはずの相方に呼応するように、興奮してえさを求めるしぐさを見せた。
〇イヌ
%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%A4%E3%83%8C.jpg ニューヨーク・ロックランド州立病院に勤務する精神科医・アリステッド・エスナー氏による実験では、ボクサー犬とその仔犬を別々の部屋に置き、仔犬を驚かせてみると、別の部屋にいるはずの母犬がその様子を見ていたかのようにそわそわした。またボクサー犬の飼い主を別部屋において同様の実験を行ったところ、やはりボクサーの心拍数が上昇するという現象が観察された。
〇ウサギ
%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%81%86%E3%81%95%E3%81%8E.jpg フランスのルネ・ペオク氏の実験によると、同腹のウサギを別々の檻に入れ、一方のウサギだけにストレスを与えるという実験を行ったところ、音も動きも電磁波も遮断されているはずの他方の檻内のウサギも、なぜか3秒以内にストレス反応を示した。
②集団内でのテレパシー
 昆虫、鳥、哺乳類、魚等は、多数集まって1つの集団を形成する時に、その集団がまるでテレパシーの様な力で繋がっているかの様に1個の生命体であるかのように振舞うことが古くから観察されています。
〇アリ
%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%82%A2%E3%83%AA.jpg 南アフリカの博物学者・ユージーン・マレイ氏は、アリ塚に大きな裂け目を作り、働きアリがその破損した部分をどのように修復するかを観察した所、アリたちは破損部の両側から集まり、中央に向かって修復を始めた。左右に分かれたアリ同士は互いに触れ合うこともなく、そもそも目が見えない種だからお互いの姿も見えない。にもかかわらず、アリたちは両側から淡々と修復作業を続け、最終的には元と寸分の狂いもないアリ塚が再生された。
 さらに左右に分かれたシロアリの間に障害物を入れ、感覚的な手段でお互いにコミュニケーションを取れない状態にして同様の実験を行ったところ、やはりアリたちは左右で同じ形の構造物を作り始め、障害物を取り除けばお互いがぴったりとくっつくほど正確な再生技術を見せた。
 こうした実験からマレイ氏は、「アリたちはその場その場で考えながら行動しているのではなく、事前に計画があって、その計画に従って動いているだけだ」という結論に至り、この集団全体を統制する上部構造を「集団の塊」と表現した。
〇魚
%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC%E9%AD%9A.jpg 魚の群れが捕食者に襲われたときの防御行動の一つに「フラッシュ膨張」というものがあるが、この膨張現象は1/50秒という極めて短い時間でなされる。
 しかし、この1/50秒という時間は、魚が持つ神経内を通るインパルスの伝達速度よりも速いことが判明しているため、魚たちは、隣の魚の動きを見て反射的に方向転換しているわけではなく、感覚以外の何かによって統制されているということを意味する。
〇鳥
%E3%83%86%E3%83%AC%E3%83%91%E3%82%B7%E3%83%BC%E9%B3%A5.jpg ウェイン・ポッツ博士が1980年代に行ったハマシギに関する研究で、ハマシギの大群が見せる「傾飛行」は、群れの中の1羽~数羽の個体から始まり、そこから波打つように全体へ伝わることがわかった。さらにこの波動が隣の鳥へ伝わる速度を平均すると15/1000秒(約1/70秒)程度であり、この伝達速度は鳥の神経組織が持つ反射速度の限界値を超えていることが判明した。
 こうした事実からポッツ氏は「個々の鳥たちは、隣の鳥の動きに反応しているのではなく、群れ全体を包む運動波の存在を感じ取り、それに反応しているのだ」という結論に至った。
〇カリブー(トナカイ)
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 その時、群れの連中はロング氏のいた茂みから1.6キロほど離れていたにもかかわらず、すでに警戒態勢に入り、三々五々逃げ出した後だった。目や耳などの五感を用いて仲間の危機を察したとは考えにくい距離だったので、傷負いのカリブーは五感以外の何かに訴えかける警鐘を仲間たちに対して鳴らしたのではないか、とロング氏は推論する。
③動物たちにとってのテレパシー
 「個体間」「集団内」のテレパシー現象を整理すると、以下の様な共通点が見えてきます。
・テレパシーは既知の感覚(五感)とは無関係に影響しあう。
・テレパシーは親密な関係にあり、強い絆で結ばれた個体間で発生しやすい。
・テレパシーは群れの中で全体行動を調整する重要な役割を担っている可能性がある。
・テレパシーの内容は、恐れや警戒などの感情、到着や出発、身の危険や死などが含まれる。

注目ポイントは、動物界では、危機に直面する等特別な場面だけでなく、集団行動等日常場面でもテレパシー現象が観察されている事です。
 以上の事から推測できるのは、私達が超常現象として捉えているテレパシーは生物全体で見るとごく自然なものであり、進化の歴史の中で育んできた重要なコミュニケーション方法の1つである可能性が高いという事です。
次回からは、テレパシーのメカニズムに迫って行きます。
お楽しみに

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