2013-08-11

ウイルスやがんから細胞を守る植物成分「インターフェロン・インデューサー」(後編)

前編に続き後編は、個々の病気にインターフェロン・インデューサーがどう対処しているか、そしてインターフェロン・インデューサーの機能を引き出すには食生活の改善が重要であることを紹介します。
前編同様、月刊「自然食ニュース」の小島博士のインタビュー記事から抜粋します。
インターフェロンが作用する仕組み(下図)はここからお借りしました。
%E3%82%A4%E3%83%B3%E3%82%BF%E3%83%BC%E3%83%95%E3%82%A7%E3%83%AD%E3%83%B3%E3%81%AE%E4%BD%9C%E7%94%A8%E6%A9%9F%E5%BA%8F.gif
応援、よろしくー

 にほんブログ村 科学ブログへ



細胞を守るインターフェロン・インデューサーで長期戦の現代病に対処
──個々の病気にインターフェロン・インデューサーはどう対処しているのでしょうか。
〈肝機能の強化〉
近年は飲みすぎ食べすぎ、ストレスなどで肝臓の機能が低下している人が増えています。特にお酒や脂肪分の多い食べ物が好きな人は注意が肝要です。
肝臓の機能が衰えると、様々な病気になりやすくなり、ウイルス性肝炎などの症状も悪化します。
肝臓にはマクロファージの仲間であるクッパー細胞が多く存在し、腸管から吸収した食物の解毒をしたり、再生のための老廃物処理、そして異物や微生物の処理をします。
インターフェロン・インデューサーを与えるとマクロファージは盛んにインターフェロンを産生し、その情報が細胞に伝わることで細胞の防御体制が整います。
〈風邪などの感染症の予防〉
免疫力の弱いお年寄りや子供たち、病人は風邪、特に症状の強いインフルエンザが命取りになることもあります。
現在のところ風邪に対する十分な特効薬はなく、特にインフルエンザに対しては、発病を防いだり症状を軽くするためには抗ウイルス剤が開発され利用されていますが、予防にはワクチンに頼るのが一般的です。このワクチンもタイプが合わないと効き目がないなどやっかいです。
インターフェロン・インデューサーでマクロファージを丈夫にしてやると、もろもろの自然感染を防ぎ、一般の風邪に対しても抵抗力が強くなります。
〈花粉症などアレルギー体質の改善〉
アレルギーも典型的な現代病の一つです。遺伝も関与していますが、食品添加物、様々な化学物質、ダニやハウスダスト、ストレスなどが誘因となってアレルギー症状を起こします。機構が複雑で未知の部分も多く、それだけに決定的な治療法も見つかっていません。
ことに過剰なIgE抗体によって起きる花粉症やアトピー、気管支喘息などの1型アレルギーは、免疫機能のバランスの崩れが問題です。マクロファージやTh1型のT細胞は、Th2型のT細胞が産生するIgE抗体の産生を抑えます。
インターフェロン・インデューサーはマクロファージを活性化して、アレルギーを引き起こす元になるIgE抗体の産生を抑制する働きがあります。
〈皮膚のバリアの強化〉
皮膚は私たちの体を病気から守る最大のバリアです。病気の予防のために皮膚を鍛えるということは昔からいわれていますが、皮膚の衰えは健康の赤信号です。発生学的には大腸も皮膚も呼吸器と同じ系統に属します。皮膚には外界からの異物の進入を防ぐため、たくさんのマクロファージが働いています。
インターフェロン・インデューサーはこれらのマクロファージを活性化します。微粉末のインデューサーを水で練ったり、エキスにしたインデューサーを内服したり、鼻の粘膜や皮膚に塗ることで細菌やウイルスの感染への抵抗力をつけ、代謝を良くすることが実験的に証明されています。
〈がんの予防と再発防止〉
健康な人でも日常的にがんが発生しているといわれています。
しかし、調和のとれた免疫の働きでその増殖が抑えられています。老齢や体力の衰えで免疫の調節作用がくずれるとがんは増殖し発病に至ります。また、長寿がんといって、高齢で亡くなった人を病理解剖するとがんが見つかることも珍しくありません。これらは上手にがんと共存して天寿を全うする例です。
免疫学的にがんを予防し、また再発を防ぐには活性マクロファージの働きが極めて重要です。
がんに対してはNK(ナチュラルキラー)細胞が有名ですが、増殖のしやすさや細胞数からもマクロファージの働きには及びません。マクロファージがインターフェロン・インデューサーなどで活性化すると10~20倍増えるのです。また、マクロファージが活性化しなければ、NK細胞も十分な働きができないのです。
マクロファージはその他のいろいろな腫瘍壊死因子と連携してがん細胞を消化してしまうのです。
食の改善によってがんのリスクを減少させ、インターフェロン・インデューサーによって身を守るように心がければ、細胞が健康になって、がんだけではなく、O157もMRSA(メシチリン耐性黄色ブドウ球菌)もそう怖いものではありません。

捨てる部分に多いIFN・インデューサー。その上手な活用法
──食生活の改善が前提──

──最後に、インターフェロン・インデューサーの上手な活用法をお願いします。
私の実験でインターフェロンの誘発が確認されたのは生薬の一部、カボチャの種子、ウコンやガジュツ(紫ウコン)、ハトムギなど漢方生薬の約30%にインターフェロンを誘発させる作用のあることがわかりました。
日常の食品ではアワ、ヒエ、ムギ、野菜、果物、穀類の皮、種子や根茎などがインターフェロンを誘発します。美食が好まれる現代では、固い、不味いなどの理由から料理で捨てられてしまいがちなのがインターフェロン・インデューサーです。
昔の日本人は、アワ、ヒエ、ムギなどを常食し、果物なども皮ごと食べていました。これらはインターフェロン・インデューサーとしての機能があるので、昔の人は現代人よりもマクロファージの活性が高く、病気に対する抵抗力が強く、アレルギーにもならなかったと考えられます。
インターフェロン・インデューサーの機能を引き出すためには、普段の食生活にも気をつけ、高脂肪・高蛋白・低繊維質の欧米型食生活は避け、バランスのとれた伝統的な和食を基本によく噛んで少食(現代生活では腹6分が妥当)を心がけ、細胞を丈夫に保つことが大切です。
――――――――――――――――
如何でしたか。
人がもともと持っている力を引き出して病気と戦わせる、それを支援するためのインターフェロン・インデューサーを薬品ならぬ食品として漢方生薬から開発された小島保彦博士の紹介でした。
こらからも、免疫とは?、癌とは?のシリーズが継続して追求されるので、関連してまた出てくるかもしれません。お楽しみにー

List    投稿者 okamoto | 2013-08-11 | Posted in ⑤免疫機能の不思議No Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2013/08/1412.html/trackback


Comment



Comment