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醗酵食品 その素晴らしい健康効果①

みなさんこんにちは 😀
当ブログでは、様々なテーマを扱っていますが、本日はレギュラーシリーズとは少し趣向を変えて、発酵食品について扱ってみたいと思います。
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醗酵と言えば、この漫画・・・もやしもんHPより、A.オリゼー(麹菌の仲間) [1]

 発酵食品の歴史

チーズ、ヨーグルト、納豆etc…。洋の東西を問わず、世界には数多くの発酵食品があります。
ワインやビールなどのお酒類、味噌に醤油、漬物に鰹節、パンだって発酵食品です。
人類にとって発酵食品はかかせない食品、栄養源の一つと言っても過言ではありません。
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醗酵中のワイン・鰹節・チーズ
その歴史は古く、4000―6000年前に遊牧民がチーズを見出し、7000―8000年前にはワインが既に作られていたとも言われます。
日本でも縄文時代から納豆が作られていたと考えられています。
今でこそ徴生物の働きによって発酵食品が作られることが解っていますが、微生物の働きを人類が理解したのは、つい最近のことです。
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納豆菌と乳酸菌の顕微鏡写真
それまでは理由は良くわからないまま、所定の工程を得ることで変化(発酵)が起こることを発見し、食品として利用してきました。
発酵食品の優れた特徴は後ほど紹介しますが、徴生物の働きが解っていないにも関わらず、世界中で発酵食品が「発見」され、利用されてきたのに驚かされます。

 発酵食品の特徴

食品によっても違いがありますが、発酵食品には、概ね以下のような特徴が上げられます。
1 保存性が高まる

発酵食品の製造では、必要な微生物が働きやすく、その他の雑菌の繁殖が起きないようにするため、腐敗など食用に適さない状態になることを防ぎ、保存性が高まる。
特に乳酸発酵を利用した食品では、発酵の過程で生産される乳酸が雑菌の繁殖を抑えるため、保存食として利用されてきた。

2 おいしくなる

発酵食品では、タンパク質を分解させてアミノ酸としたり、糖(炭水化物)を分解させアルコールにするなど、微生物に分解させることで、単に食用に適するだけでなく、風味豊かに変化する。
分解されることで旨味が増し、おいしくなる。これは単なる味の問題だけでなく、そのままでは食用とするのが難しいものを発酵によって食用可能にすると言う重要な意味がある。

3 健康に良い

(植物性)乳酸菌の働きで良く知られるように、発酵食品には整腸作用(腸内細菌叢のバランスコントロール)による便秘、下痢の解消、免疫活性化、病原菌感染予防、血液の流れを良くする、肌の潤いを保つなど様々な健康作用がある。
また、例えば乳酸菌では発酵の際にビタミンCも生成し、発酵前の生乳等のビタミンCよりも濃度が高くなると言ったように栄養価を高める働きもある。

 飢えの圧力が生み出した発酵食品

このように発酵食品には非常に優れた特性があります。
現在、日本では貧困は消減し、あふれるほどの食料に恵まれていますが、人類社会の99.9%は飢えの圧力にさらされていました。食料が非常に貴重な中、人類は「自然の摂理」を撤底的に観察し、追求を重ねることで、貴重な食料を長期的に保存し、場合によっては食料に向いていないものを風味豊かな食料に変え、更には肉体の健康にも役立つ「発酵食品」を見出して来たと言えるでしょう。
観察と追求により見出された困果関係から見出された発酵食品は、人類の観念能力が生み出した最高の食品と言っても過言ではないかもしれません。
文字通り先人達の追求に感謝ですね 😛
さて、次回は醗酵食品の中でもとびきり健康効果が高く、日本人に馴染み深いあの食品を取り上げます。
お楽しみに 8)

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