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食事療法によりガンを治す方法① ~現代医学に限界を感じ、「食事」に可能性を見出した医師~

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写真は、済陽高穂(わたようたかほ)医師による、「今あるガンが消えていく食事」という書籍です。
 
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(画像はこちら [1]からお借りしました。)
 
近年の医療技術の進歩はめざましいものがあります。
死亡者が大きく低下する病気も、多くあります。
一方で、図に示すとおり、死亡者数の多いガンに対しては、研究が進められているものの、死亡者数の増加は留まるところを知りません。
西洋医学では、ガンに対して三大療法(手術、放射線治療、抗ガン剤治療)で対処しようとします。しかし、これはあくまでも延命措置に過ぎず、根治治療ではありません。
そもそも、それまでの生活に何らかの問題があったからこそ、ガンになっているにも関わらず、その生活を変えることなく、対処療法である三大治療のみで対峙しようとする西洋医学の考え方そのものに問題があると思われます。
一方で、ガンが治った事例も多くあります。
これらに共通するのは、西洋医学だけに頼っていないことです。
むしろ、東洋医学や食事など、根本的な原因を突き止め、対応してきたタイプの人です。
この場合、多くは科学的根拠はありません。
しかし、現実に治っているのです。
ここで、紹介したいのは、済陽高穂(わたようたかほ)医師です。
済陽医師は、医者でありながらその現代医学の限界を感じ、本気で治そうとしている先生です。
済陽氏は、「食事」に着目しています。
今回は、済陽氏自身の経験から、「食事」に着目するまでの経緯を紹介します。
医療現場の現実もリアルに伝わってくるものです。
そして、これから数回に亘り、ガンの原因は何か、それに対してどうすればよいのかについて、紹介していきます。


済陽氏による、「今あるガンが消えていく食事」から引用します。
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(済陽氏の画像はこちら [2]からお借りしました。)
 
日本人の死因のおよそ3分の1を占める「ガン」。そのガンを治す医師になりたい。
そう思って、私は「消化器外科」の道を選びました。
消化器は病気全体の約半分が発生する臓器で、そのなかでもとくにガンが多く発生する部位です。
そして、当時の常識では「ガンは手術で切除して治すもの」だったため、消化器外科医こそガンを治す専門家の筆頭だと思ったのです。
そこで私は、外科医として何十年も修行を積み、多くの手術を行ってきました。外科医になって30年目にあたる2000年までに、執刀した手術は約4000例。
そのうち約半数が消化器ガンの手術でした。
手術の腕を磨き、より多くの患者さんのガン病巣を的確に切除すること。
それが、自分の初心である「ガンを治す」ことへの、最も大きな貢献になると信じていました。
しかし、ある時期を境に、私はこの考えに疑問を抱くようになったのです。手術・抗ガン剤・放射線という、現代医学の三大療法だけでは「ガンを治すには限界があるのではないか」という疑問です。
漠然と頂いていたその疑問を確信に変えたのは、2002年に行ったガン患者さんの追跡調査でした。
外科医にとって、手術を行った患者さんについての追跡調査は、自分の手術成績を客観的に知る重要な指標となります。
そこで私もこの年、自分や後輩が手術をした消化器ガンの症例1406例を調査しました。
すると、5年生存率、つまり、患者さんが手術を受けてから5年後に生存されていた割合は52%でした。すなわち、手術自体は成功したにもかかわらず、48%の人は、5年後までに再発して亡くなっていたのです。
この結果に、私は愕然としました。
一般に、「ガンの治癒」は5年生存率が目安とされています。
その割合がほぼ半数で、残り半数が亡くなるくらいなら、一体なんのための手術でしょうか。私は、「もっと治癒率を上げなければ」という思いに駆られました。
それには、どうすればよいのか。私が注目したのは、1994年ごろから関心を抱いていた「ガンと食事」の関連でした。
当時、ガンが進行していて十分な手術が出来ず、ガンを取り残したまま自宅療養に移った患者さんのなかに、少数ながら「特殊な例」が見られました。
それらの患者さんは、ガンを取り残しているのに、定期検査に訪れるたびに検査結果がよくなり、見た目にも元気になるのです。
画像診断でもガンが次第に縮小し、やがて完全に消失する例も現れました。
そうした人たちの共通点は、自宅療養に移行してからの「徹底した食事療法」でした。
人によって細かい点は違っても、野菜を中心とした植物性食品の摂取、動物性食品や脂肪・塩分制限などは共通していました。
そこに、「治癒率を上げる大きなヒント」を見た私は、ガンの食事療法(栄養・代謝療法)について、本格的に研究し始めました。
国内外の文献をよみあさり、この分野の先輩達の業績に学び、徐々に食事療法をガンの治癒に取り入れ、様々な症例を体験しました。
こうして、「ガンに効果的な食事指針」を確立したのです。
食事指導を行い始めると、「食事を変えることで、こんなにもガンが抑制出来るのか」という驚きの連続でした。今も、それは続いています。
ガンの食事指針の基本ポイントは、大量の野菜や果物の摂取、動物性の脂肪・タンパク質の制限、塩分制限、未精製のの穀物の採取などです。
この研究の成果を、現在、食事指導を希望される患者さん達に適用しています。
その中には、胃ガン、大腸ガン、肝臓ガンといった私の専門である消化器ガンだけでなく、乳ガン、肺ガン、前立腺ガン、悪性リンパ腫などの患者さんも含まれています。
あちこちの医療機関で治療を受けられ、手遅れなどと言われて行き場を失った患者さんや、ホスピスに行く寸前に来られる患者さんも少なくありません。
そういった晩期ガンでも、きめ細かい食事指導をしながら丹念に治療をすると、6~7割は改善します。
なかでも、食事療法の効果が現れやすい乳ガンや前立腺ガンの改善率は7~8割に及びます。
誤解しないでいただきたいのですが、私はガンの手術、抗ガン剤、放射線という現代医学の三大療法を否定しているわけではありません。
これらは、ガンの診断が下ったあと、まず最初に受けるべき治療手段です。
実際、この三大医療を私は現在も行っています。
そして、私の専門である消化器ガン以外のガンについては、それぞれの専門医の診療を仰ぎつつ、食事療法を指導しています。
栄養、代謝、免疫といった、患者さんの体の側の条件を考慮せずに三大療法だけで突き進めば、ガンの治癒率はどうしても頭打ちになります。
そこに、栄養状態を改善し、代謝を整え、免疫を高める食事療法を加えて、三大療法との最もよいコンビネーションをとれば、治癒率は飛躍的に高まる
のです。
それだけでなく、患者さんのQOL(=生活の質)も格段に上がります。
 
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医師を目指す人たちは、済陽医師のように、病気を治す医師になりたいという志を抱いて始める筈です。しかし、いつのまにか、利益優先の医療業界に絡め取られているという現実。
これに対して、済陽医師のように自らの経験を踏まえて、「治す」という思いを貫徹する想いがあれば、医療技術の進歩も真っ当な方向に向かうはずです。
西洋医学を全て否定する必要もないし、そもそも、西洋とか東洋とか、分けること自体に意味がありません。
「利益優先」ではなく、「治す」ということを前提としていれば、様々な可能性が見えてくる
ということです。
もちろん、全ての答えが出ているわけではありませんが、少なくとも、利益優先の最先端医療よりは、食事療法は「治す」ことに関しては最先端の考え方の一つであると思います。
次回より、具体的に原因と具体的方針について、紹介していきたいと思います。

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