- 生物史から、自然の摂理を読み解く - http://www.seibutsushi.net/blog -

太陽系を探検しよう-32.磁化率理論~検証編~惑星の位置と組成の磁化率は一致する

2207a9f3.jpg
 
前回の記事「太陽系の起源、新説「磁場説」(2) [1]」で、磁化率の作用で様々な特徴をもつ惑星が形成される仕組みを紹介しました。
 
今回は、そのような惑星形成過程の仮説と実際の惑星の組成が一致するかどうかの検証です。福田武隆さんの著書「太陽系の起源 [2]」を要約・引用しながら紹介します。
  
 
磁化率に基づく物質の分布と惑星の組成は一致する
 
磁性は磁場に対する感応のしかたで分類されます。強磁性は、磁性が大きいほど磁場に近づいていきます。反磁性は逆に、磁性が大きいほど磁場から遠くなります。常時性は、反応は小さくなりますが、強磁性と同様に、磁性が大きいほど磁場に近づく性質があります。
%E7%A3%81%E5%8C%96%E7%8E%87%E5%88%86%E5%B8%83.JPG
図1:磁性物質の磁場に対する感応(模式図)
 
 
下図は、磁化率に基づく主要物質の位置関係(左に太陽=磁場がある場合)を示しています。
  
%E6%83%91%E6%98%9F%E7%A3%81%E5%8C%96%E7%8E%87%E3%81%AB%E5%9F%BA%E3%81%A5%E3%81%8F%E4%BD%8D%E7%BD%AE.JPG
図2:磁化率に基づく物質の位置
 
強磁性物質は太陽の近くにあり、反磁性物質は磁化率が大きいものはより右に、磁化率が小さいものはより左に存在することになります。(常時性物質はその反対)
 
そのように考えると、太陽系の惑星は、太陽に近いものは強磁性や常磁性物質が中心で、太陽から遠いものは反磁性物質が多くなっているはずです。
 
太陽系の内惑星の主な組成は、核を形成している鉄やニッケルで、いずれも強磁性体で図の左側に位置します。マントルや地殻を形成しているケイ素(Si)は反磁性ですが、磁化率は0.13と低くなっており、磁場からはあまり遠ざからない傾向にあります。外惑星の主な組成は、水素、アンモニア、メタンで、いずれも反磁性物質で図の右の方に位置します。
 
つまり、惑星の組成と磁化率に基づく物質分布(図2)は一致しています。
 


著者は次のようにも分析しています。

内惑星はみなSi、Mg、Feなど非揮発性元素の固体から成るのに対し、外惑星の主成分はH2やNH3、CH4などの揮発性物質で、これらの惑星の特長と [3]の物質分布は完全に一致しているのである。
  
円盤の主体は反磁性物質であるが、内側には単体、酸化物、炭酸塩の列に、非揮発性元素の殆どのものが集まっている。
  
これに反し、外側には非揮発性元素としては無定形炭素Cのみで、他は揮発性のアンモニア、メタンと各種イオンである。水素H2は中間帯の位置を占めている。
  
磁気による分級の検証は以上の事実で十分と思われる。

  
 
天文単位を磁化率に置き換える

1970年代以降多数の宇宙探査機による調査のおかげで、惑星の様子が詳しく分かってきたが、それは驚異の連続であった。特に内惑星は互いに近い所で誕生した筈なのに、みな表面の様相は全く異なっていて、驚嘆極まりなしである。金星には大量の炭酸ガスがあるかと思えば火星には酸化鉄の粉が空が赤くみえる位に舞い上がっているし、地球は宇宙からみると水球としかみえない位に水が多く、おまけに生物という奇怪なものが存在している。このような内惑星同士の大きな違いも図-3(ポップアップで確認 [4])から読み取れる筈である。
 
それを検証するためには、各惑星が図3の中のどこに誕生したのかを決めなければならない。
各惑星の太陽からの距離は、太陽地球間を1として比較した天文単位という数値によって表現されている。一方、図-3 [4]
の中の物質は磁化率の数値に比例した距離で表されている。どちらも距離に比例する値であるが、天文単位を磁化率に置き換えられないだろうか

 
  
指標物質はアルゴン36

もし特定の物質が或る特定の惑星だけに存在し、他の惑星にはそれが無いというものがあれば、その惑星の天文単位をその物質の磁化率で置換し、他の惑星の天文単位は比例計算で磁化率に変えれば良いわけである。
 
そのような都合の良い物質が実際にあるだろうか。正に天佑神助としか言いようが無いのだけれども、存在していたのである。
 
それはアルゴン36である。これはアメリカと旧ソ連の無人探査機が金星に着陸して得たデータで、地球のアルゴンは放射性カリウムからのアルゴン40が主体アルゴン(99.6%)で、アルゴン36は僅か0.337%にすぎないのにくらべ、金星のアルゴンは36が主体なのである。
 
火星大気中にもアルゴンはある。しかしそれも地球同様放射性カリウムからのアルゴン40が主体で、36は地球よりも更に比率が小さい。金星から遠い程減っているのである。そしてこのアルゴンは不活性元素であるから、地球や火星のアルゴン36は他の物質と作用して少なくなったのではない。
 
以上のようなことから、金星の天文単位をアルゴンの磁化率に置き換え、表-3を作製した。

 
表-3
%E6%83%91%E6%98%9F%E7%A3%81%E5%8C%96%E7%8E%87.JPG

つぎに、この表-3と表-2(ポップアップで確認 [5])の中の反磁性物質とから図-6を作製した。

図-6:物質の磁化率と惑星の位置
%E5%9B%B3%EF%BC%96.JPG
(惑星の組成データは筆者が追加)
 
この表からわかるように、物質の磁化率を惑星の位置に換算すると、惑星の位置と組成の関係は物質の磁化率で説明できることがわかります。

これは原始太陽の中心を通り、原始太陽の磁軸中心を通り、原始太陽の磁軸に直角な平面内に集まった反磁性物質である。その中には存在率80%の水素、19%のヘリウムをはじめ内惑星の主成分であるシリカがあり、外惑星の主成分メタンやアンモニアもあるのでこの面が惑星誕生地であろう。

つまり、惑星は太陽の赤道面上に形成された、ということです。 
  

   
今回は、金星のアルゴン36を指標に、各物質の磁化率と太陽(磁場)からの距離をプロットし、惑星の太陽からの距離と重ねてみました。次回は、そこから、惑星がなぜあんなに多様な姿をしているのか、その理由が次々に解明されていきます。
お楽しみに

[6] [7] [8]