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シリーズ 超極小『素粒子』の世界14 ~電磁波をエネルギーから捉え直そう!~

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皆さんこんにちは。久々の素粒子シリーズです。
今回は追及途中であった、【電磁波】を扱います

電磁波については、

シリーズ 超極小『素粒子』の世界5 ~「電磁力(電磁波)」って何? ①~ [1] 
シリーズ 超極小『素粒子』の世界8 ~「電磁力(電磁波)」って何? ②~ [2] 

と、2回に渡り【電場】と【磁場】の基本的な性質について追求してきました。
 その結果、【電場と磁場を分けて考えても電磁波は理解出来ない】という事が分かってきました。
 むしろ分けて考れば考える程混乱は増すばかりという状況でした。

そこで、今回は

シリーズ 超極小『素粒子』の世界7 ~素粒子をエネルギーから捉え直すと可能性が拡がる! [3] 

で、素粒子をエネルギーから捉え直した様に、電磁波についても【エネルギー】という視点から捉え直してみたいと思います。 

応援よろしくお願いします。



①電荷を持つ全ての粒子は電磁波を吸収・放出している。 

 まず、始めに共有しておきたいのは、

【電磁波は電荷を持った粒子が振動することで発生する。】
【電荷を持った粒子は電磁波を受ける事で振動する】
⇒【電荷を持つ粒子は電磁波の吸収→振動→放出を繰り返している】

という事実です。

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        (荷電粒子の振動による電磁波の吸収と放出)

 電子、クオーク等物質を構成する全ての粒子は電荷を持っていますので、突き詰めると
【全ての物質は常に電磁波を吸収⇔放出している】という事になります。

②電磁波の放出⇔吸収現象は自然界の至る所で行われている。

 事実、電磁波の放出⇔吸収は至る所で行われています。
 例えば太陽の光は電磁波の一種ですが、それを受け止めた物体は熱くなります。これは太陽から届いた電磁波が熱に変換されるからです。そして地球は受け取った熱を赤外線(=電磁波)の形で再度大気に放出しています。

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               (地球による電磁波の吸収と放出)

 また、ストーブの中で焼けた鉄板が赤く光る、焚き火のときに炭が赤く光る、ハロゲンヒーターが赤熱する、そしてその光を浴びるとすぐに暖かく感じるという現象は、鉄板等が放出する光=電磁波を私達が吸収するという現象です。この様に熱せられた物体から光や電磁波が出る現象は「熱放射」と呼ばれています。

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                (身近な電磁波の吸収と放出)

 鉄板や炭が高温で放出する電磁波は目に見える現象ですが、低い温度の物体も電磁波を放出しています。
 例えば体温の高い人が近くに来ると直接触らなくても暖かさを感じる事を経験した事はありませんか?それはその人の体から、地球の熱放出と同様、可視光線よりも低い電磁波=赤外線が放射されているからです。
 この赤外線を吸収する事で体温の高い人の隣にいる人は温かく感じます。これも立派な電磁波の放出⇔吸収現象です。

 さらに、自然界に存在する【蛍石】と呼ばれる石は、紫外線を吸収すると電磁波を放出して青白く光る事が知られています。

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             (蛍石の発する青白い光)

 電磁波というと、人工的な機械装置類を用いて発生させ、送信アンテナから照射させるようなイメージがあるかも知れません。
 しかし、私達人類が電磁波を人工的に発生させる事が出来る様になる以前から それは身の回りにごく普通に存在していたのです。

 この様に、具体事例を見ても【全ての物質は常に電磁波を吸収⇔放出している】と言えそうです。

③電磁波はエネルギーそのものである。 

 全ての物質が電磁波を吸収・放出しているという事実から考えられる事は、
【電磁波はエネルギーそのものである】という事です。
 この事は、物質は常に【エネルギー】を吸収⇔放出しているという事に他なりません。

 ある物質が放出した電磁波(エネルギー)を他の物質が吸収する。あるいは空間に存在するエネルギー(電磁波)を粒子が吸収し、そしてまた空間に放出する。この様なエネルギーのやり取りが至る所で行われているのです。
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          (物質・空間との電磁波(エネルギー)のやり取り)

 生物は常に細胞を入れ替える事で生命体として安定していますが、物質もまたエネルギーを常に入れ替える事で物質として安定しているのでしょう。
 
この様に考えると、電荷を持たない(=外部にエネルギーを放出しない)中性子の寿命が非常に短い現象も説明出来ます。
 すなわち、【エネルギーの入れ替えの無いモノは不安定構造だから安定構造となるために中性子は陽子に変化しようとする】という事です。

以上、今回の気付きをまとめると、

【電磁波はエネルギーそのものであり、全ての存在は電磁波(エネルギー)を吸収⇔放出する事で安定構造を保っている。】

という事になります。
 生物は【変異と安定】という普遍構造を持ちますが、この普遍構造が生命体のみならず物質まで貫かれているというのは驚きです。

生きとし生けるものは、全て外圧(外部世界)に対する適応態として存在している。例えば本能も、その様な外圧適応態として形成され、積み重ねられてきたものである。また全ての存在は、本能をはじめ無数の構成要素を持っているが、それら全ては外部世界に適応しようとして先端可能性へと収束する、その可能性への収束によって統合されている。(実現論 前史1 [4])

とある様に生物は外圧適応体として存在していますが、生物のみならず物質も含めて、【万物は外圧適応体である】と、捉える事が出来るのかも知れません。

次回は、この認識を元にして、追求を深めて行きたいと思います。お楽しみに!

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