2012-01-05

君もシャーマンになれるシリーズ6~シャーマニズムと幻覚回路

みなさん、こんにちは。あけましておめでとうございます。
昨年から当ブログでは「予知・予言」をテーマにした「君もシャーマンになれるシリーズ」を連載中です。
現在は、シャーマンや予言者と呼ばれる人々が、どのような世界を見ているのか追究中ですが、今回は少し視点を変えて「シャーマニズムと幻覚回路」についてお送りしたいと思います。
280185294_2e9acb04d9.jpg
幻覚植物の一つ「ベニテングダケ」
画像はこちらからいただきました
中身に入る前にポチっとよろしくです
ブログランキング・人気ブログランキングへ
にほんブログ村 科学ブログへ

 にほんブログ村 科学ブログへ


 
12月15日の記事で、アヤワスカと呼ばれる幻覚植物を利用して覚醒する、南米のシャーマンについての紹介を行いました。
南米のシャーマンだけでなく、北米も含めてアメリカ大陸の未開部族におけるシャーマンは、幻覚植物を儀式に利用しています。
 

アヤワスカ(幻覚つる植物)
南米アマゾン川流域に自生し、ハルマリンと呼ばれる幻覚性物質を含む。アマゾン川流域先住民族のシャーマンは、アヤワスカを煮詰めた「アヤワスカ茶」と呼ばれる液体を飲用して儀式を行う。
 
ペヨーテ(幻覚サボテン)
アメリカ合衆国南西~メキシコ中部が原産で、メスカリンなどの幻覚性物質を含んでいる。メキシコインディアンなどで幻覚剤やシャーマニズムにおける治療薬に利用されている。同様のものに、ペルーのサンペドロと呼ばれるサボテンがある。
 
マジックマッシュルーム(幻覚きのこ)
マジックマッシュルームと言うのは幻覚作用のあるきのこの総称で、100種類以上の種類がある。幻覚作用のあるシロシビンやシロシンを含み、マヤやアステカなどメキシコ文明において儀式や治療に用いられた。

 
アメリカ大陸のシャーマニズムにおいては、以上のような幻覚植物が多用されますが、不思議なのはアフリカ~アジア地域においては、このような幻覚植物が利用されることが殆ど無いことです(アフリカ西部地域の一部ではイボガと呼ばれる幻覚植物の利用がある)。
アフリカ~アジア地域のシャーマニズムにおいても、シャーマンは幻覚状態(所謂トランス状態)に入って儀式を行うことが殆どですが、幻覚植物によってではなく、踊りや歌、祈りを通して幻覚状態に入ることが一般的なようです。(沖縄のシャーマンであるユタはその典型)
 
 
なぜ、アメリカ大陸では幻覚植物を利用するのに、アフリカ~アジア地域では利用しないのか?
人類はアフリカで誕生して、アジア地域に拡散、シベリアからアメリカ大陸に渡り、南米まで到達したことから考えると、元々は幻覚植物を利用しなくても(踊りや歌で)幻覚(トランス)状態に入れたのが、シベリア~アメリカ大陸に拡散する段階で、なんらかの要因で、幻覚植物に頼らないと幻覚(トランス)状態に入れなくなったと仮説的に考えることが出来ます。(この問題はなかなか興味深いテーマなので、今後じっくり追究したいと考えています 8) )
 
%E4%BA%BA%E9%A1%9E%E3%81%AE%E6%8B%A1%E6%95%A3.bmp
<人類の拡散経路>
 
  
さて、幻覚植物を利用する場合でも、利用しない場合でも、シャーマンは幻覚を見ること(=トランス状態に入ること)で、様々な宗教儀式を行ったり、覚醒現象を引き起こすと言う点は共通しています。
幻覚=トランス状態はなぜ引き起こされるのか?その鍵を握るのが「脳の安定化装置(リミッター)」です。
300px-Brain_diagram_ja_svg.png
<大脳新皮質(”頭葉”と名付けられた部位が全て該当)>
 
  
人類の脳は、他の動物に比較して大脳新皮質と呼ばれる新しい脳が極端に肥大化しており、脳回路的には、これが人類に「観念能力」をもたらしたと考えられています。
一方で肥大化した脳は「不安定」となる為、脳を安定化させる為の安定化装置(リミッター)が必要になったとも考えられており、この安定化装置は脳に入る外界情報を取捨選択することで、脳の安定化を図っていると言われています。
ところが、セロトニン(又はその受容体であるセロトニンレセプター)と呼ばれる脳神経伝達物質の働きが強まると、この安定化装置の”ネジ”が緩み、外界情報がどんどん入って来てしまう。この脳の安定化装置が緩み、過剰な外界情報が脳に入ってくる状態こそが、「幻覚」の正体のようです。
(この幻覚回路についても、今後詳細に取り上げる予定です。お楽しみに 😀 )
 
 
幻覚植物の成分であるシロシビンなどは、実はセロトニンに非常に似た分子構造をしている為、セロトニンレセプターの働きを強め、幻覚作用をもたらすことが解っています。また、踊りや歌などによる単純なリズム運動はセロトニン神経を活性化させることが解っています。
すなわち、いずれの場合でもシャーマンは脳の安定化装置を緩めることで、幻覚を見ている(=トランス状態に入っている)と言え、それは通常では看取できない以上の外界情報が脳に入っている状態であると言えます。
 
 
未開部族におけるシャーマンは、天候などの自然現象を予測したり、集団の向かうべき方向性を予知・予言したり、人々の病気を(肉体的にも精神的にも)治療したりなどの役割を担っており、その働きは超常的です。
トランス状態に入ると、通常では入ってこない、自然界の微細な動きや人の肉体の微細な変化、心の変化と言った情報も脳内に入ってくることになります。
 
 
つまり、シャーマンの様々な働きは、このような通常では掴み取れない微細な外界情報の看取を元にした、究極的な同化の産物であると考えられるのではないでしょうか。
今後、様々な地域のシャーマンの事例を取り上げながら、シャーマンの能力の実態を明らかにして行きたいと思います。お楽しみに 😈

List    投稿者 crz2316 | 2012-01-05 | Posted in ⑬宇宙人・スピリチャル2 Comments » 

トラックバック

このエントリーのトラックバックURL:
http://www.seibutsushi.net/blog/2012/01/1239.html/trackback


コメント2件

 tanimasa | 2013.11.25 20:20

E=hγは光のエネルギーではなく、光子一個のエネルギーですよね?

 くまな | 2013.11.26 2:53

tanimasaさん
コメントありがとうございます。
おっしゃる通りです。正確には光子一個のエネルギーです。ここでは単位エネルギーぐらいの意味で捉えていただければよいと思います。

Comment



Comment