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太陽系を探検しよう―4.地球の内部はどうなっているのか?(その1)

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画像はぉとなりのトトロ(http://blogs.yahoo.co.jp/totoromie3/18811779.html)さんよりお借りしました。
「太陽系を探検しよう―3.太陽系惑星では、こんなにいろんなことが起きている!」 [1]では、太陽系惑星それぞれの違いについて説明しました。
惑星毎に、ホントに色んなことが起きているのですね。
 
さて今回は、我々の住む地球に焦点を絞り、その秘密に迫ります。
 
地球では、地震など様々な災害や不思議な現象も多くあります。
これらは、地磁気や電磁波など、様々な要因が考えられます。
はたまた、宇宙人の影響かもしれません 8) 。
これらの現象を追求していく上で、地球の組成など何で出来ているのかを解明することは不可欠となります。
そこで、地球の内部がどのような構造になっているのかを紹介します。
 
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地球の内部は、どのようになっているのでしょうか。
地球内部といっても、だれも見ることは出来ません。
推測するしかないのです。
 
地球の内部構造を知るには、大きく5段階の手順が必要となります。
①地球の質量を算出する 
 ⇒重力や、万有引力から算出します
②地球の密度を算出する
 ⇒①の結果から算出します
③地球の内部は「固体」なのか、「液体」なのか。固体の部分は「固い」のか、「柔らかい」のか、を求める
 ⇒これらは、地震波など、様々な原理を使って導きます。
  固さや状態が、組成を知る大きな手がかりとなります。
④地球の内部の構成を導く
 ⇒4層構造と考えられていますが、その要素を導きます。
⑤それぞれの地球内部の組成を推測する
 ⇒マグマ、隕石など、様々なヒントから本質に迫ります
 
今回は、②までの秘密に迫ります。
 
 
①何で地球の質量って分かるの?
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実際に地球の重さを量ることは出来ません。
 
地球の質量を知るには、まず「重力」を求める必要があります。
それは、りんごが落ちるという現象から導くことが出来ます。
その重力を生み出しているのは、「万有引力」です。
 
つまり、「重力」「万有引力」は同じ大きさなのです。
両者を数式によりイコールで結ぶと、地球の質量を導くことが出来ます。
それは、「万有引力」は、「地球の質量」との関係があるです。
 
まず、「重力」と「万有引力の法則」について説明します。
 
 
【万有引力の法則】
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画像はこちら [4]からお借りしました。
 
ニュートンが発見したといわれる「万有引力の法則」です。
一度は聞いたことがあると思います。
この法則は、宇宙のどこであっても、全ての物体m(質点)は互いに、引き寄せる力(引力)を及ぼしあっているというものです。
これは、全ての物質に共通なので、万有引力と呼びます。
 
 
【重力】
ニュートンと言えば「リンゴ」ですが、リンゴは、手を離すと地面に向かって落ちていきます。
月では、地球よりも遅く落下します。なぜなら、重力が違うからです。
「重力」とは、このリンゴにかかる力をいいます。
 
【地球の質量の求め方】
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では、いよいよ地球の質量の求め方です。
 
重力は地球の中心に向かう引力と、自転軸から垂直に遠ざかろうとする遠心力の合力です。実は、重力(鉛直線の向き)は両極と赤道以外の地点では地球の中心に向かないのです。
次に、地球上では自転は一定ですが、場所によってその速さは異なります。
遠心力は、その場所での自転の速さに関係しており、結果として、自転軸からの距離に比例します。よって、遠心力は赤道で一番大きく、両極では0(ゼロ)になるのです。
 
つまり重力は、赤道で一番小さく、極に向かうほど(緯度が高いほど)大きくなる、ということです。
 
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画像はこちら [5]からお借りしました。
 
ちなみに、赤道での重力は極での重力より、1%程度小さくなります。
極で体重60.0kgの人は、赤道では59.4kgで、600gものダイエットなっているのです。
もちろん、元に戻ったら600gのリバウンドがあるので、ご注意くださいませ。

 
遠心力が重力に影響を与えると説明しましたが、それはせいぜい1%と、全体から見ると、ごく小さいのです。
ですから、正確に言うと「万有引力」=「重力」となるのは、北極や南極の遠心力が発生しない場所だけ、ということになります。
 
 
いよいよ、最後です。
これまでの話を数式に置き換え、計算すると質量が求められます。
興味のある方は、計算してみてください。
 
重力は「mg」
万有引力は「G・M・m/r2」で表されます。
・地球の質量    M
・地球上の物の質量 m
・重力加速度 g=9.8m/s2
・地球半径  r=6.4×106m
・万有引力定数G=6.7×10-11m3・s-2・kg-1 

物体に対する、地球からの「万有引力」と、「重力」が釣り合っていることを数式化すれば、地球の質量が分かるのです

 
つまり、 mg=G・M・m/r2 となり、計算をすると地球の質量Mが出るということになります。
これに、数値を代入して地球の質量Mを求めると、M=5.974×1024kg となります。
 
 
【重さって何?質量との違いは?】
さて、「重さ」という言葉は広く使われていますが、実は、色んな事を指しています。
ここでは、正確におさえることにしましょう。
 
月は重力が小さいので、重さが地球上の6分の1なります。体重が減るのです。
 
これは、60kgの人が月面で体重計に乗ったとき、体重計の目盛りが10kgになるということです。人体のもともとの量は減っていないのに、重さだけが変ったのです。
地球上、月面、無重力空間を問わず「もともとの量」は変わりません。
この「もともとの量」のことを「質量」といいます
 
宇宙を考える上では、重力は一定ではありませんので、「質量」を重さの基準にすることとします。
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画像はこちら [6]よりお借りしました。
 
宇宙空間にポツンと孤立している物体は質量を持つが、重量を持ちません。引力の影響がないからです。この物質を地球上に持ってくると、地球の引力の作用をうけて(地球と物体が引き合って)重力が発生します
 
 
②何で地球の密度って分かるの?
これは、簡単です。「地球の質量」が分りました。
地球の大きさ(体積)は分かっているので、「地球の質量」を「地球の体積」で割ると地球の密度(水に対する比重)が出ます。
 
具体的には・・・、
地球の体積は4×3.14×地球の半径の3乗÷3なので、1.08×1021m3。
密度は5600kg/m3となります。
水に対する比重は1m3の水の質量が1000kgなので、比重は5.6です。
 
ただし、今回分かったのは、大きな地球内部の、平均的な密度に過ぎません。
地球が一つの物質で満たされていれば簡単ですが、地球の内部は複雑です。
実際に見ることが出来ませんので、この平均密度をヒントに、推測していく必要があります。

 
内部の構造は具体的にどうなっているのか、次回以降、さらに迫っていきたいと思います。

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