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生き物の暑さ対策!

みなさん夏休みは充実していますか
しかし、暑い日が続きますね。
夕方家に帰ると、日中窓や壁を通して進入した熱が室内を暖め、もわっとした不快感を感じてしまいます。
どうしても暑い場合はエアコンをつけますが、エアコンの冷風は体になじまず調子が悪くなってしまいます。。コンクリートジャングルの日本、なんとかなりませんかね~?
さて、エアコンを持たない生き物たちは、一体どのように暑さを凌いでいるのでしょうか?動物園のホッキョクグマは大丈夫でしょうか??今回は、動物・昆虫たちの暑さ対策、生活の知恵について学んでいきましょう
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下の写真は、山口県周南市の徳山動物園で飼育されているホッキョクグマ、ユキの様子です。氷柱をプレゼントされ、嬉しそう。気持ち良さそうです。
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写真はコチラ [4]から
1.哺乳類の体温調整
人間は、汗腺から汗を出し、気化熱によって体を冷やすことができますが、動物たちはどのように体を冷やすのでしょうか
1)イヌ科
哺乳類は、犬や狼などイヌ科の動物には汗腺がありません(厳密に言えば非常に小さな汗腺が四肢の肉球にあります)。
「はあはあ」
イヌが呼吸をするときは、口をあけて「はあはあ」とする呼吸の仕方が特徴的です。この深くて激しい口極は「体温調節」の意味を果たしています。
一生懸命に口で呼吸をすることで大きな舌から水分を蒸発させ、体の中の熱を逃がし、体温を調整しているのです。
ですから、冬よりも暑い夏のほうが、深く大きく口呼吸をしているはずです。また、湿度が高い日は、水分が蒸発しにくいのでさらに大きな呼吸をしていると思います。
さらに体を冷やしたい場合は、「よだれ」をたらします。
「おなかでもすいたのかなあ」と思うかもしれませんが、そうではなく、「よだれ」によって熱をもった水分を外に排出しているのです。すごいですね
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写真はコチラ [5]から
2)ネコ科
ネコ科もイヌ科と同様汗腺がないので、汗を出して体温を調節するといった事ができません。また、イヌ科のように「はあはあ」と呼吸で体温を下げる事もあまり行わないと言われています(サファリパークなどで観察しているとたまに見られるらしいですが…)
したがって、暑くなると日陰のような涼しい場所に移動してお腹をつけて休みます。これはお腹に血流が多いので効率的に体を冷やすことが出来る為です。寒くなった時は日なたや他の仲間と一緒に寄り添って休んでいるところがよく見られます。
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写真はコチラ [6]から
3)ゾウやウサギ
ゾウやウサギはなんと「長い耳」で体温調整を行っています。つまりゾウやウサギの耳は聴覚だけではなく、体温調節の役割も果たしているのです。
特に、ゾウは体が大きく単位体積当たりの表面積が他の動物と比べて小さいため、体内の発熱量の増加に放射量の増加が追いつかなくなります。
このままでは熱を蓄熱させてしまい、体細胞にダメージを与えてしまうため、体の中で体積が小さくて表面積が一番大きい耳に血管を集中させて空気中に熱を放熱させているのです。まさに空冷ラジエーターです。
もちろん水辺空間が近くにあれば、水浴びしたり、長い鼻をホース代わりに水を体に噴射して冷やす事もしていますね
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写真はコチラ [7]から
2.爬虫類の体温調整
爬虫類は変温動物ですが、体温調節をしないわけではありません。体温が低いときは石の上などで日向ぼっこをして体温を高め、体温を低くするために日陰に入ります。このような体温調節を行動性体温調節と呼びます。外から温度を吸収するために、爬虫類は体内で熱を発生して体温調節をする哺乳類に比べてエネルギーの消費量が少なく、同じ大きさの哺乳類で比べると、10%以下のカロリーで生き延びることができそうです
1)ヘビ
ヘビの冬眠は有名ですが、これは変温動物ゆえに活動できる体温が外界の温度に左右されるからです。逆に熱帯地方のヘビは熱を避けるために夏眠する場合もあります。
太陽の当たる暖かい所を求めたり、避けたりする、また環境的に暖かいところを選んだりして自分の体を好適な温度域に移動させ体温の調整をはかり行動しているのです。一日の行動の中でも必要に応じて涼しいところと暖かいところを交互に移動し最適の温度に保てるように行動しています。
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写真はコチラ [8]から
2)カメ
カメは気温変動に弱く、20℃を下回ると腸内で食べ物が腐敗して死ぬといわれ、直射日光を浴び続けて体温が上がり過ぎると『熱中症』(カメは体温調節ができないため30分ぐらいで命取りになる)になります 日陰や水辺の有無が生死を決めるほど重要なのです。
また、適度な日光浴も必要で、体温調整のためだけでなく、紫外線により甲羅や骨を体内で合成したり、体表の雑菌類を滅菌しているそうです。デリケートな生き物ですね
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写真はコチラ [9]から
3.昆虫の体温調整
昆虫も体温調整するそうです
1)トンボ
トンボが体温を調節するときには、たとえば「飛び立つとき」があります。飛行はエネルギーを大量に使う活動ですが、中でも飛び立つときが一番大量のエネルギーを使います。そのため飛び立つときにはある程度の高い体温が必要になります。羽を広げ、日光浴をするのは、太陽熱を利用して体温を上昇させるためなのです。
逆に体温上昇を防ぐ対策も行います。太陽熱や、飛行中の代謝熱によって体温が上昇し、オーバーヒートすると、体内で働くタンパク質の変化が起きたり、代謝エネルギーの浪費してしまうからです。そんなときには、腹部を持ち上げたオベリスクと呼ばれる姿勢をとって太陽光を受ける面積をできるだけ少なくします
このように太陽熱の取得以外にも、気温状況に応じて止まる場所を変えたり、羽を震わせるウォームアップと呼ばれる行動をとるによって体内で熱を発生させ、体温を上昇させます。
また、飛行中に発生した熱を逃がすために、羽のはばたきをやめて、滑空飛行をすることで胸部の体温上昇を防ぐこともします。
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写真はコチラ [10]から
4.まとめ
生物は体温調整のために色々な工夫を行っているのですね 🙄
その仕組みを知ると、もっと生物たちの置かれている状況に迫れそうです。
そして、改めて考えると汗腺による発汗作用は非常によくできた仕組みです。エアコンに頼りすぎると発汗機能の低下を招いてしまうと言われています。もっと自然の力、先人の知恵を活用して、居住環境を整えていきたいですね!
 
おしまい

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