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今週の福島原発(7月27日~8月2日)福島原発10シーベルトと関東圏の被爆

 今週の福島原発は、屋内浄化に向け少し収束へ向けて動けたように思えます。1号機~3号機は相変わらず故障が起きているようですが、気体サンプル調査や内部の状況把握が進み、4号機では冷却装置が始動しました。一方、屋外では、福島原発敷地内に10Sv/h以上の場所が見つかるなど、汚染物質の拡散状況の不明確さ、現場で働く従業員の被爆状況など、現場の状況分析ができていないことが浮き彫りになりました。
 
 
 
7/26 炉内の燃料プールに直接散水、冷却方法変更 出典日本経済新聞 [1]
7/27 作業員が3号機建屋の2・3階を調査 出典FNNニュース [2]
7/28 汚染水処理作業の低迷 出典YOMIURI ONLINE [3]
7/29 1・2号機で格納容器内の気体サンプリング調査を開始 出典日テレNews24 [4]
7/30 1~3号機を通じて格納容器内の放射性物質の濃度を測定 出典MSN産経ニュース [5]
7/31 4号機 プール冷却装置を本格運転 出典NHKニュース [6]
8/1 4号機燃料プールで冷却装置が本格運転 出典テレ朝News [7]
8/2 福島第一 毎時1万ミリシーベルト超 出典東京新聞 [8]
   もう1カ所でも10シーベルト超か 出典朝日新聞 [9]
 
 こうした状況下から、今週は「10シーベルトはどうやったらでる?」「10シーベルト超の放射線量」「放射性物質は確実に関東圏の住人に蓄積されている」をお届けしたいとおもいます。
 興味を持たれた方は、応援も宜しくお願いします。
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■10シーベルト超の放射線量
 
①福島第一原発1・2号機排気筒付近から毎時10シーベルトを超える放射線量が計測
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 東京電力は一日、福島第一原発で、毎時一万ミリシーベルトの放射線を発する地点が見つかったと発表した。検出されたのは、1、2号機の原子炉建屋の間にある主排気筒につながる非常用の配管の表面で、これまでに同原発内で検出された中で最高の線量。七〇〇〇ミリシーベルトを全身に浴びると100%死亡する。東電は、事故発生直後の三月十二日に行った1号機の格納容器から排気(ベント)した際、放射性物質が付着した可能性が高いとみている。
 
 東電は七月三十一日に排気筒周りのがれきの撤去を終え、放射線量がどれほど下がったかを確認するため、1、2号機の間にある配管の根元をガンマカメラと呼ばれる特殊なカメラで撮影。高い線量が確認されたため、東電の社員三人が一日午後二時半、現場から三メートルほど離れた場所から、棒の先に線量計を取り付けて測った。この線量計の測定上限は一万ミリシーベルトで、振り切れたため正確な数値は分からない。放射線量が一万ミリシーベルトを超えている可能性もある。作業員の被ばくは最高で四ミリシーベルトだった。
 
 東電は現場を鉄板で囲い、目印を置き立ち入り禁止にした。現時点で、排気筒からの放射性物質の漏れは確認されていないという。現場付近では、収束作業は予定されておらず、1号機を覆うカバーの設置も遠隔操作のクレーンで行うため、工程表への影響はないとみている。福島第一原発内では、これまでに検出された放射線量の最大値は毎時四〇〇〇ミリシーベルト。六月四日に1号機原子炉建屋一階の南東部で検出されていた。
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福島第一 毎時1万ミリシーベルト超 検出(東京新聞) [13]
●続報1:高放射線量検出、他の2か所からも…福島第一 [14]
●続報2:1号機建屋内で毎時5シーベルト [15]
 
  
ハッピーさんの今日のつぶやきから [16]@Happy20790
 

 1号機のスタック廻りはパイロンが立ってましたよ。みんなはかなりの範囲が立ち入り禁止って思ってるんだろなぁ…。実際は半径数メートルなんだけどね。昨日もつぶやいたけどスタック廻りは初めから高くて瓦礫もあったし、詳細サーベイは今までなかった場所なんだ。
続き1:だから瓦礫処理してるときに見つかったんだね。詳細に調べたらもっと高い場所出るかも。報道にもあるけどベント時に付着した物だとオイラも思うよ。
続き2:建屋の中が線量高いのも配管表面が高いって理由もあるけど、もう一つ考えられるのは、水素爆発で空調ダクトが吹き飛んだ為にダクト内のベント時の高線量放射性物質が建屋内に付着してるからだと思うんだ。
続き3:建屋内はチリや埃でさえ10mSv/h超えてる場所もあるからね。事故当初は建屋に入れなくて海側のポンプを使って水を注入しようとしてホース引っ張ったんだけど、津波の影響で海側は砂浜みたいだったんだ。その砂が6mSv/hあってすごくビックリしたもんなぁ…。
続き4:結局そのホースは一回も使わず無駄な被曝だったけどね。通常定検時の燃料はオイラの知る限り約8000~9000Sv/h位あるから10Sv/hの放射性物質が出てもおかしくないと思う。今後どうやって除染してスタックや空調ダクトを解体するかが問題だね。
続き5:スタックは外だし、あのまま解体したら大変だよ。高い煙突ごと囲って外に放射性物質が漏れないように解体しないとだけど…。あんな高い煙突を囲えるかなぁ…。

 
③毎時10シーベルト=毎時1万ミリシーベルトとはどういうレベルか?
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 東電は「半径3m以内を立ち入り禁止」「作業・工程表への影響はない」としているが、本当なのでしょうか?
 
 小出裕章氏は20110801 たね蒔きジャーナル [17]

「想像を絶する強さ」「防護服、マスクをしても防げない。実質的にはいかなる手段を取っても防げない」「1時間あたり1Svという現場があれば、とても近づけないなと私は思っていたのだが、10Svという値が出てきた。これはもう到底、人間が行かれるような場所ではないし、このままではなんの作業もできないと思う」

とコメントされています。
 
 放射線を短期間に全身被ばくした場合の致死線量は、5%致死線量が2シーベルト、50%致死線量 (LD50) が4シーベルト、100%致死線量が7シーベルトと言われている。(放射能シーベルトとベクレル [18]
 
④10Svの場所に1時間以上居ると、JCO事故で死亡した作業員の被曝量と同等
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 1999年9月30日、東海村の核燃料加工会社ジェー・シー・オー(JCO)でウラン溶液の加工中に臨界となり、作業員2人が死亡、住民約600人が被曝しました。亡くなった作業員の被曝量は6~20シーベルトと言われますが、大量の放射線を被爆した結果、染色体が破壊され、新しい細胞ができなくなり、身体のあらゆる部分が再生されなくなり、悲惨な姿で死に至りました。最先端のあらゆる医学的な手を尽くして治療がなされたが、なすすべがありませんでした。
 
 この事故では、濃縮度18.8%の硝酸ウラニル水溶液(約16kg)が臨界状態となり、中性子線等の放射線が大量に放射されました。これは制御不能の原子炉が出現したようなもので、死亡した二人が受けた放射線は、推定16-20シーベルト以上と推定6~10シーベルトだったようです。(東海村JCO臨界事故 [19]
 
 不溶性の二酸化ウランの10,000ベクレル(ウラン量、0.8g)を吸入した時の実効線量は57ミリシーベルト→10シーベルトだとウラン量175g吸入に相当。
1kgのピッチブレンド(ウラン量、0.7kg)が1mの距離にあると、1年に18ミリシーベルトの外部被曝を受ける。天然物であっても、ふつうの場所には置けない。→10シーベルトだとウラン量388kgに相当。(放射能ミニ知識 [20]「ウラン-23」)
 
⑤10Svの場所に1時間以上居ると、原爆爆心地から1km以内の被曝量と同等
院長の独り言 [21]によれば、

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