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「放射性物質の拡散予測」シリーズ3 ~年間放射線量を予測する

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こんばんは。
前回記事『「放射性物質の拡散予測」シリーズ 2~現在の拡散状況』 [2]では、放射線の拡散状況を押さえました。
次に気になるのが、「今後どうなるのか?」です。
そこで今回は、今後の放射線量について予測してみました:D
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いつもありがとうございます


そこで今年3/15~5/24までの累積放射線量を元に、来年3/14までの「年間放射線量」を予測してみたのが、冒頭の表です。ほぼ安定的に推移している近2週間(5/13~5/26)の平均放射線量が今後も続くものと仮定しています。
この表から、次のようなことが言えます。
1.福島県に近接する茨城、宮城では、過去平常値に比べて200%を超える高い放射線量になる。とりわけ茨城(水戸市)では、1ミリシーベルト弱となり、上記期間に含まれない震災発生直後(3/14まで)の高い放射線量を加えれば、1ミリシーベルトを超える可能性が高い。
※1990年のICRP勧告による「一般公衆の放射線の線量限度」は、1ミリシーベルト/年。
 
2.東京や大阪では、現状のまま推移する限り、大気中の放射線量については、過剰に心配する必要は無いのではないか。
※大阪は、過去平常値を下回ってしまうとは考えにくいので、実際にはもう少し高めだろう。
 
但しこの予測値には、気をつけなければならない点が、少なくとも3つあります。
①福島第一原発では依然として緊迫した状況が続いており、今後も予断を許さないこと。
②文科省「都道府県別環境放射能水準調査結果」を使用していること。「その文科省はじめ、他省庁、政府、学者、マスコミそのものが原発推進派であって、原発事故による危険を少しでも過少に見せようと『安全』『問題ない』のプロパガンダを繰り広げている」 [6]以上、彼らの公表値を鵜呑みにはできないのです。
③最も気をつけなければならないのは、「放射線による被害は、外部被曝だけではない」という点です。もっと直接的に甚大な被害を及ぼすのが『内部被曝』であり、私達は大気中の放射線量が下がったからと言って、安心できる状況ではないのです。
内部被曝の危険性を考える上で、今回とりわけ注目すべきなのが、海洋生物を通しての被曝ではないか、と私は考えています。そこで次の記事で、放射性物質の海中拡散について考察したいと思います8)
おすすめ記事
『マスコミは決して語らない、内部被爆の危険性』 [7](るいネット)
『予測被ばく量の計算5 合算して総被ばく量を予測する』 [8](るいネット)
『放射能の内部被曝とは?』 [9](本ブログ)
※表に関する補足
・3/15~5/24の放射線量累積値は『RADIATIONDOSE』 [10]より。文科省「都道府県別環境放射能水準調査結果」に基づく。
・宮城(仙台)は、3/28まで公表値がないため、3/15~3/28分は『放射線・原子力教育関係者有志による全国環境放射線モニタリング』 [11]の計測値を参考に推定。
・今後の拡散量の基礎とした近2週間平均値には、『全国の放射能濃度一覧』 [12]より、1日当り最大値の平均/毎時を用いた。情報源は、文科省「都道府県別環境放射能水準調査結果」。
・単位は、mSv:ミリシーベルト。

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