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命を懸けた原発作業 日本人の平均寿命が下がる

  
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チェルノブイリ原発事故が1986年。その直後から旧ソ連諸国の男性の平均寿命が急落しています。


チェルノブイリはウクライナの北部にあり、ベラルーシが隣接しています。
 
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冒頭に紹介したグラフでは男性のみですが、女性の平均寿命はどうか。
 
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チェルノブイリに近いベラルーシでは、男性が最大5歳、女性が2歳、平均寿命が短くなっています。男性の平均寿命が女性に比べて大きく短縮したのはどうしてでしょうか?
 
これは、リクビダートルと呼ばれる原発の処理作業を行った人々がガンなどにより死亡したことが大きく影響しているのではないかと考えられます。下のグラフではロシアとウクライナのリクビダートルにおいて、何らかの慢性的疾病により労働不能と認定される人の割合を示したデータです。
 
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リクビダートルの総数は60~80万人。事故処理作業時の平均年齢は約35歳。
ウクライナ、ベラルーシ、ロシアそれぞれでリクビダートルの国家登録が行われ、各登録人数はウクライナ約47.4万人、ロシア約43.5万人、ベラルーシ約20.5万人。
 
 
フランスの報道では以下の内容が伝えられている。
 

日本の癌研究の専門家5人が英医学雑誌ザ・ランセットに寄稿した手紙の中で、福島原発内で日夜奮闘している作業員達の健康な造血幹細胞を保存すべきだと訴えている。大量の放射線被曝により将来作業員が癌を発症した場合、健康な造血幹細胞を移植することで体内に新しい細胞を作ることが出来るという。この訴えは公益財団法人がん研究会の谷本哲也医師と虎ノ門病院の谷口修一医師らのイニシアティブによるもので、3月29日に日本造血細胞移植学会が作業員の細胞採取を提案しているにも拘らず、「日本政府は原子力産業のイメージを守るためにその重要性を無視しているが、最も重要なのは現場で働く作業員達の命を守る事だ」と谷本医師らは訴えている。

FRANCE MEDIA NEWS フランスからのニュース」 [1]より
 
 
このことは日本ではほとんど報道されていない。
 
 
フランスでは、次のような報道もあります。
 
2061年までに福島原発200キロ圏内で41万7千件の癌が発生~「放射線の危険に関する欧州委員会」(4月1日・15日)

「放射線の危険に関する欧州委員会」(ECRR)の科学次官を務めるクリス・ブスビー教授は、福島原発事故による放射性降下物により今後日本国内で発生する癌の発生件数を試算、2061年までに福島原発から200キロ圏内で41万7千件の癌が発生するだろうとの見込みを発表した。
 
ブスビー教授による分析は、国際原子力委員会(IAEA)および日本政府の公式ホームページに掲載されているデータを元に行われている。トンデル法およびECRRによる計算手法の2種を用いて計算を行い、両方の試計でほぼ同じ結果を得た。
 
トンデル法を確立したマーティン・トンデル教授は北スウェーデンでチェルノブイリ事故の影響を調査、1平方メートル当たりに堆積する放射性降下物のレベルが100キロ・ベクレル増加するごとに、癌の発生率が11%上昇することを発見した。今回の試算にもこうした知見が活用されている。
 
ECRRによる予測数に対し、国際放射線防護委員会(ICRP)は同じく2061年までに6158件の癌が新たに発生すると試算、「無視できる程度のレベル」と述べている。

フランスねこのNews Watching [2]
 
 

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