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緊急テーマ:『放射能の内部被曝とは?』①

過日の東日本大震災に端を発した、人災である福島第一原発の放射能汚染問題について、政府・東電・マスコミ・学者からの汚染についての発表は一貫して「安全」一辺倒。

しかし、安全基準値の段階的な引き上げや、避難区域の拡大。そしてここに来て、政府の御用学者であった内閣官房参与の一人であった東大小佐古教授の突然の辞意表明など、これまでの政府発信とは裏腹な動きが数多く見られます
このような様々な不確定な発信は、間違いなくこの件に対して隠蔽圧力が働いていると感じている人も多いのではないでしょうか

事実はいったい何なのか?という探索層も増えてきている今、ネットの中の情報を見ても様々な情報が行き交っており、何が使える知識(判断材料)となるのかがわからないという状況でもあります。

このような状況の中、私達自身の身を守る為にも被曝の影響というものを、より現実に即して判断できるだけの材料を自らが構築していくしかない

そこで、今回から数回にわたり、緊急テーマとして放射能による被曝。特に内部被曝について追求をしていきます 🙄

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(画像はコチラ [1]よりお借りしました)
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では、被曝の影響を考える前にいくつか前提を押さえていきたいと思います
放射能による被曝は大きく2種に分けられています

外部被曝:放射線源が体外にあって人体表面から直接に放射線を照射されて(直接線によって)被曝する
内部被曝:経口摂取した放射性物質などで人体内部から被曝する

上記2種に関しての被曝線量限度には自然放射被曝と医療放射被曝は含まれません。

では、これまで政府や東電が発表してきた放射線量被曝基準値は本当に安全なのでしょうか?

1、現在発表されている放射線量と基準値は何を示しているのか?
以下、「内部被曝」について [5] より引用

(中略)
外部被曝と内部被曝は、いずれも放射線による細胞破壊であるという点では本質は同じなのだが、実際には大いに異なる点がある。まず、本質は同じとは言いながら

(1) 外部被曝は、外部の放射線源から出た放射線は空気中を伝わってくるから、ガンマー線や中性子線は問題になるが、アルファ線はほとんど問題にならない(空気中数㎜で止まってしまうから)。ベーター線(電子線)は数mは進むので、線源との距離による。それに対して、内部被曝は体内に沈着した放射性物質が放射線を出すのだから、μm(マイクロメータ、ミクロン)単位で(場合によってはもっと狭い分子の大きさ、nm ナノメートルの単位で)影響が出る。しかも、放射線が細胞内のたとえばDNAを直接破壊して突然変異の原因になるというような場合だけでなく、放射線が水分子を壊して活性酸素を作りだし、その活性酸素が細胞に悪影響を与えるというような、何ステップかを踏んでいる場合もある。生物生理としての濃縮などを考慮する必要もある。したがって、放射線のエネルギーが小さくとも悪影響はありうる。“放射線のエネルギーが大きいほど被害も大きい”という常識は通用しない。生物体は精緻な構造をもっていて、しかも、自己修復機能などが動的に働いている。低レベルの放射能は低レベルなりの壊し方をする、と考えておくべきである。
もうひとつ、重要な点は線量測定のことである。放射線の量である。

(2) 放射線は臭いも色もないので、その存在を確認するのは、特別な計器などを必要とする。放射線の量はガイガーカウンターのような計器で計る。ところが、それは、通常ではすべて外部被曝の線量を計ることになる。内部被曝の線量を測定することは、極めて難しい。体内にμm単位で計器のゾンデを埋めることが難しいからである。つまり、内部被曝の現象は、理念的には明瞭だが、実証するのはとても難しい。
この線量の話は、許容量のことと密着する。どれくらいの放射線に照射されても大丈夫か、という量。これの算定の基礎になるのは、ひとつ自然放射線の量、もうひとつは広島・長崎での原爆被害の例。しかし、それらはいずれも外部被曝からでてくる線量である。
外部被曝から求めた許容量を、内部被曝にも適用できるか。これは、大問題で、決着が着いていない。

(3) 外部被曝から求めた許容量を、内部被曝にそのまま適用すると、多くの場合、“健康には影響ない”となる。呼吸などで体内にとりこむ放射性チリなどは、たいてい、ごく微量だから。 そもそも、アメリカをはじめとする原子力推進を考える国家や原発会社は内部被曝という考え方そのものを認めない。
(中略)

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現在、政府や東電等が発表している地域別汚染線量の値は外部被曝に対しての判定基準はガイガーカウンターをはじめとした、外部における放射線量を示しているに過ぎないということになり、内部被曝として影響のあるアルファ線等は含まれず、それらの数値を元に内部被曝の影響を考えることはできない!ということがわかります。

では、内部被曝の危険度・影響とはどれくらいなのでしょうか

2、内部被曝の軽視は禁物!!
内部被曝のメカニズム内部被曝に関するコメント [6]より
 

(中略)
(2)被曝は外部・内部を問わず生物体に害を与えるメカニズムは、電離と言いますが、分子をつないでいる電子を吹き飛ばして、分子を切断することです。分子切断を行う度に放射線はエネルギーを失います。DNAを切断することが最も深刻な被害です。
(3)放射性の埃についてですが、原子炉から出る方射性物質は多種の原子からなります。アルファ線、ベータ線、ガンマ線を放出します。
(4)アルファ線、ベータ線は物質との相互作用が強いので、分子切断を密に行います。したがって短い距離で止まります。これに対してガンマ線は物質との相互作用が小さいので、分子切断を疎らに行います。この場合は切断された場所どうしは遠い距離になります。
(4)外部被曝の場合は主としてガンマ線です。身体の中で疎らに、分子切断を行い、エネルギーを余らせて体外へ抜けます。また、放射性物質が体外にありますので身体の方向に発射されたガンマ線だけ被曝に寄与します。
(5)内部被曝は全ての放射線が被曝に寄与し、同一微粒子からの外部被曝よりはるかに多くの被曝をさせます。放射性微粒子が体内にいる限り被曝を継続させます。また、密度の高い分子切断を行います。被曝の計測性と被曝の集中があります。
(6)被害として与えられる被曝量ですが、例えば、微粒子の平均半減期が50日程度ですと、100万分の1グラムという非常に少ない量が、体内に7日間いると1Syもの被曝線量があります。100万分の1グラムの埃は目には見えない小さなものです。
(中略)

細かい数字の精度は一先ず、棚上げにしたとしても内部被曝が外部被曝よりもより深刻な影響を及ぼすことは間違いなさそうです。

そこで問題になるのが、いったいどれくらいの数値を内部に取り入れると危険なのか?という点です。

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(画像はコチラ [7]よりお借りしました)

上記の表からも一般的な公式見解では、年間積算量100ミリシーベルト以上より健康被害が出ると考えられていますが、この数値も外部被曝に対する線量測定が主になっているのでこれを元にして内部被曝の危険度を測ることは難しいと考えられます。

3、まとめ
今回の追求によってわかったことは

現在の放射線量測定は外部被曝を想定して測定されている
内部被曝は外部被曝の数倍危険で、決して軽視してはならない

の2点です。
まだまだ、獏とした結論にしかなっていないのでさらに確度の高い判断材料とするべくも、もっと具体的な数値や根拠を詰めていくことが必要です。

以下を今後の残課題として挙げます。
被曝量の目安は?(内部被曝の算定方法)
体内に長期滞在する放射性物質が人体に影響を与え続けるメカニズムは?(半減期とは?)
植物やヒト以外の生物の放射能汚染の影響とその過程は?
ウランやプルトニウムなどの毒性の高い重元素の飛散距離は?

これらを今後さらに追求していきます
今後も応援よろしくお願い致します
また参考になる情報等も教えていただけると助かります

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