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小脳の細胞(ニューロン)が多いのなんで?

新年明けましておめでとうございます
新年早々ディープな話題をはじめましょう(そんなディープではないので、最後までお付き合いください♪)
   
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画像はコチラ [1]からお借りしました。
   
脳シリーズとして、これまで記事をアップして参りましたが、今回着目するのは何と小脳。非常に重要なんですが、あまり注目されていない脳の部分だと思います。
   
ちなみに、場所や働きに関しては以前の機能局在論をぶった斬る?② ~脳の基礎勉強:パート2~ [2]を参照ください。
   
皆さんもご存知の通り、脳全体には神経細胞は数千百億個も存在しています(宇宙の数ほどあるらしいですね)。その内数百億個は大脳なんですが、実は脳の中の大半の神経細胞は小脳に集まっており、何と千億個ほどの神経細胞があると言われています。
   
あれと思いませんか
   
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さて、神経細胞とは記憶にとって非常に重要なのはいうまでもありませんが、小脳は運動や平衡感覚など、日常生活における運動の微調整を行なっているもので神経細胞はあまり必要ないように思います。むしろ、大脳(特に大脳新皮質)は長期記憶に重要な部分で、人類の生命線というイメージがあります。更に記憶といえば海馬(短期記憶)もイメージが強く、神経細胞が集中するならば大脳新皮質や海馬ではないか?と。。。
   
だから、小脳について書こうと言うことに。では、さっそく紐解いていきましょう。
   
歩行や自転車に乗ったりするときの平衡感覚などを司るという話しは有名な話ですが、実は職人技など熟練された高度な技術もこの小脳に記憶されるのです。しかも、熟練するまでの何度も何度も繰り返し同じ事を続けていく中で、繋がり合った神経細胞ネットワークが洗練され、必要な部分だけが残り、必要のない部分はそぎ落とされていくのです。
   
次に形状を見ていきましょう。
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医学の発展のために [6]よりお借りしました。
   
小脳は、顕微鏡で見ると分子層・プルキンエ細胞層・顆粒細胞層の3層からなります。細胞構築は小脳のどの部分をとっても一定で、更に小脳半球では、プルキンエ細胞、バスケット細胞、星状細胞、ゴルジ細胞、顆粒細胞5種類が結合しあって、きれいな神経回路網を形成しています。大脳新皮質のような相互連関される複雑な神経細胞ネットワークがあるのではなく、単純化された神経細胞ネットワークで形成されているということです。
   
ここで、小脳の神経細胞の数が多い根拠に繋がります。
   
ある神経細胞が他の記憶と相互連関していては、記憶の齟齬が発生し円滑に機能しなくなります。そのため小脳の神経細胞ネットワークはより単純化されていきます。つまり、極論になるかもしれませんが、一つの記憶に対して一つの神経細胞ネットワークが形成されるために、大脳新皮質のように一つの細胞が相互連関して複雑な神経細胞ネットワークを形成するよりも神経細胞が必要になるということです。
   
ただ、小脳に記憶があると言っても、大脳が反応していないと言うわけではありません。むしろ、小脳だけではバランスをとる事も、職人技を使いこなすことも出来ません。大脳と小脳の繋がりについては今後の追求課題と言うことで、これからも脳シリーズを続けていくので、もうしばらくお付き合いください。
   
それでは、今年一年もよろしくお願いします♪

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