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新年明けましておめでとうございます。

新年明けましておめでとうございます
今年もよろしくお願い申し上げます 😀
   
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この20年、生物史の解明は主に分子生物学や分子進化学に大きく依存して進展してきたわけですが、分子生物学はどの程度信頼できるものなのかという疑問が最近大きくなっています。
    
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昨年アップされた「人類の拡散シリーズ」にも関連しますが、現在の定説では初期の人類(=猿人)はアフリカで登場し、現代型人類(=ホモ・サピエンス・サピエンス)も『出アフリカ紀』などの単一起源説がほぼ証明されたと言われています。
      
確かに、猿人の登場はチンパンジーの生息域などと照らし合わせてアフリカであることに異論はありません。
しかし、ホモ・サピエンスがアフリカ単一紀源説であるというのは、Y染色体のハプログループ分析や分子時計法などの分子進化学に導かれて、現在各地で生きている各人種のDNA分析による変異距離から類推されたに過ぎません。
    
そもそも、分子時計は「タンパク質や核酸高分子の変異は一定スピードで蓄積される」という仮定の上に成り立つものであり、分子時計を支持する分子生物学者自身が「環境によって常に変異スピードが一定ではないので注意が必要である」というエクスキューズを必ず付加しています。
また、分子時計のモノサシ(=単位速度)は、化石や地層などの考古学的にほぼ正しいと証明された年代から計算されたものであり、結局分子時計とは、考古学的に証明された大きな進化年代の中を分割してどちらが系統的に先か後かを相対的に検証するのが限界なのではないか?という疑問が残ります。
     
以上にように、ホモ・サピエンスの『出アフリカ紀』や『ミトコンドリア・イヴ説』にはどの程度の信頼性があるのか?はまだまだ検証していく必要があると思われます。
     
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そんな問題意識を背景に、今年の当ブログでは、昨年から継続しているシリーズに並行して、分子生物学が脚光を浴びる以前に考古学的に調査された化石人類史を丹念に押さえながら、人類の拡散の足取りを再度たどってみたいと考えています。
その追求過程で、言語機能の獲得時期などにも一定の推論を行うことにもチャレンジして行ければ・・・などと欲張りなことも期待しています。
      
最近では、生命科学分野でももっと多角的・総合的に生物進化史を見て行こうという動きもあります。
2011年の当ブログでもその流れを強く意識して、「人類の拡散経路~その徹底検証」というあたりを皮切りにして、分子生物学の限界と正しい使い方に肉薄して行ければと考えています。
本年も会員皆様のご尽力とご協力を切にお願い申しあげます 😀
   
                                            【by 管理人】

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