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イルカは人間の心が分かるのか?

Posted By kumasuke On 2011年1月5日 @ 7:22 PM In ⑨おもしろい生き物 | 2 Comments

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今回は、みなさん大好きなイルカについてのお話です。
上の写真のバブリングなんか、なんてお茶目なんでしょう。
水族館のショーでも、身近でホントにかわいくて、賢い印象のイルカです。
でも漢字は、「イルカ=海豚」と中国語から由来しており、海に住む豚に似た生き物というかわいそうな名前を付けられています。「イルカ」とカタカナで書くことにしましょう。
イルカと人間についての美しい神話も多く語られています。
イルカが溺れる人を助けたという話などは、多く残されています。
例えば最近では1996年に、ペルーで青年が助けられたケースが報道されました。海水浴中、沖にナガされた青年が突然現れた5頭のイルカに助けられ、海岸まで押し戻してもらい、九死に一生を得たというものです。
今回は、イルカの能力に迫っていきます。
きっと、イルカは人間の心が分かるに違いない、と思ったあなた、続きをご覧下さい。
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■イルカの行動様式~集団行動~
一般に群れを作って行動をする社会的な動物で、個体としてだけでなく個体間のレベルにおいても秩序ある生活を送っています。
群れの利点は、幾つか考えられます。
多くの個体が集中することでエサの探査や発見が容易となること、しかも、チームでエサとなる魚を囲い、捕食する様子も確認されています。
また、繁殖上の有利性だけでなく、出産後、育児を分散して行うなどのメリットがあります。
■イルカの子育て
多くのイルカは母系的な群れを作ります。
年長のメスをも含んだ育児を補助するメスのイルカ達から構成されており、出産・育児についても、母イルカだけでなく手伝いをします。
出産直後の母イルカのへその緒を噛み切る光景や、出産直後の子イルカが水面まで上がろうとするのを支えるなどの行動がみられ、母子―乳母の間にも、接触―スキンシップによる信頼関係が築かれていきます。雄は、育児には関与しません。
■コミュニケーション能力
イルカを含む鯨の仲間は、クリックスと呼ばれるパルス状の音を発します。それは、「ギリギリ」とか「ブチブチ」といった音で、その音感能力(可聴域)は最高で200キロヘルツです。(ちなみに、人は20キロヘルツが最高である。)
これをエコロケーション能力といい、自らの発した超音波のエコー(反響)を聴くことによって、物体の有無や位置、動きなどをキャッチすることであり、その能力を利用して海中を動き回っているのです。
その他、ホイッスルと呼ばれる音で「ピューイ」「ピーピー」といった口笛を吹いたような音があるが、これらを用いてお互いに交信していると考えられます。例えば、エサを食べるとき、天敵に追われているとき、群れで仲間同士が仲むつまじそうに行動しているときなどです。しかも、自分の家族や群れの仲間だけに共通する鳴音があるようです。
■イルカは本当に溺れた人間を助けるのか?
実は、イルカには、水面に浮いているものを見付けると、つついたり背中に乗せて運ぶという習性があります。
これは、本能といってもよい行動かもしれません。イルカの母親は、出産直後の新生児を呼吸させるために水面へと押し上げる行動をとります。また、幼い子イルカをかばうために、背中におんぶするようにして泳ぐ行動も知られています。
死んでしまった子イルカを一週間以上も水面に押し上げ続けた母イルカの事例がある一方で、自分が殺したサメを水面に押し上げる例、ウミガメ、流木、漂うゴミなど、その事例は多くあります。
また、あまり知られてないようですが、現実には泳いでいる人間が突然イルカに攻撃されたり、沖合いの方向へ押されるというトラブルも報告されています。
つまり、習性なのだから、それが流木なのか、死んでしまった子イルカなのか、溺れる人なのかはイルカにとっては関係がないのです。
イルカに人助けの意識はなく、人間を背中に乗せて行った先が、たまたま海岸なのか、逆に沖なのかという話なのです。
■イルカが賢いのは本当か~脳の大きさ~
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>脳の大きさは、体の大きな動物では大きくなるので、体重に対する比率として見る必要があります。脳の重量を縦軸に、体重を横軸にとると、概ね下図のような右肩上がりのグラフとなります。細かく見ていくと、魚類、両生類、爬虫類、哺乳類ごとのまとまりがみられます。
<http://www.biological-j.net/blog/2010/11/001051.htmlより>
この表からも、イルカは人間に匹敵するほどの脳の大きさを持っていることが分かります。
■脳から見た知能レベル
では、イルカが賢いというのは、脳科学的にも証明出来るのでしょうか。
>イルカのシワは人間より多いのだが、知能に大きく関わるとされる大脳新皮質は人間の半分程度に薄く、神経細胞の密度も低い。もっとも新皮質が脳全体に占める量が多い方が知能が高いかというと、実際にはハリモグラの方が人間より多く、やはり量のみでなく質的な分析が求められる。鯨類の祖先が陸上の哺乳類で、6500万年から7000万年前に海での生活を始めた事は、今日ではよく知られていると思う。陸上哺乳動物において、脳の新皮質の最後の進化が始まったのは5000万年程前と考えられているが、鯨類の祖先はそれよりはるか以前に海へ移ったために、同じ哺乳類といっても、現世の陸上哺乳類とは違い、新皮質の層の数が6つではなく5つしかなく、構造もはるかに単純であるなど、質的な違いも大きい。また、海中という、視覚から入ってくる情報だけでは不十分な環境で生きているために、音波を発して、その反射波から周囲の状況を把握するエコーロケーション(Echo location)という機能が発達しているため、音波の処理に必要な箇所が発達して、このような比較的重い脳を持つに至った、と考えている学者もいる。
というわけで、イルカの脳は見かけに反して質的にはかなり人間のものと違い、人間に匹敵する知能の存在を万人に納得させる決定的な材料は、今のところない、のである。
<クジラやイルカの知能 http://luna.pos.to/whale/jpn_zat_intel.htmlより>
以上、様々なイルカの能力について紹介してきました。
イルカには、普通の動物にはない高い能力があることは分かりましたが、人と会話が出来たり、人の気持ちが分かるということはなく、どうやら、人間の願望や擬人的発想からというのが、悲しいですが現実のようです。
しかし、イルカについては、まだ分かっていないことも多く、少なくともイルカ同士の気持ちが分かるという可能性は秘めているかもしれませんね。
<以下、参考資料>
・イルカ(生態、六感、人との関わり):中央公諭新社刊
・ここまでわかったイルカとクジラ:講談社
・100問100答クジラの謎、イルカの秘密:河出書房新社


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