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人類の拡散シリーズ14 ~肌色による外圧適応~

Posted By mizuguti On 2010年12月9日 @ 10:14 PM In 5)人類の拡散 | No Comments

今回は、肌の色ついて追求していこうと思います :D
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なんで人類は肌の色が違う人種が存在しているのでしょうか。
これらの色の違いは、しばしば人種差別の原因になったりします。
この肌の色はなぜ、いつの時代にどのように獲得されたものなのか追及していきます


■肌の色はどのようにして分かれたのか?

私たち人類の肌の色は、黒色、黄色、白色の3つに大きく分類できます。
では、現在のように肌の色が分かれていったのは何故でしょう?
初期の人類には衣類がなく裸で生活し、強烈に降り注ぐ紫外線は人類にとっては生存を脅かす脅威であったに違いありません。それは紫外線が皮膚に対し強い発癌作用があるからです。赤道付近の環境では、メラニンを多く含む黒色の皮膚は、紫外線発癌から皮膚を防御するのにきわめて有利です。その後、人類は、石器の発明、火の利用、獣皮を衣類にして保温するなどにより、 アフリカから出て世界各地に進出しました。
この場合、高緯度のヨーロッパに進出した人類は、肌の色の黒いと致命的な欠点になります。というのも、人類は紫外線の助けを借り、骨の発育に不可欠なビタミンDを皮膚で合成します。しかし、高緯度地域の冬季には紫外線量が少なくなるからです。低緯度地域で生活する黒色肌の人類は、高緯度では紫外線でのビタミンDの合成が不十分で、骨の生育が不十分 になる“くる病”に悩まされたでしょう。このような環境で皮膚色がうすくなった人類は、少ない紫外線でビタミンDが合成でき、数万年の時間をかけ、彼らの子孫は繁栄し、中緯度地域では褐色、黄褐色の肌に、高緯度地域では白人の肌になっていったと考えられるのです。

  
■どのように白色化したか
1%5B1%5D.jpgベンガルトラ(白変種)
1.生物種の殆どは、白変適応している

白変種(はくへんしゅ)とは、色素の減少により体毛・羽毛・皮膚等が白化した動物の個体をいう。メラニンに係わる遺伝情報の欠損により白化したアルビノとは異なる。代表的な白変種としては、南アフリカで野生での生存が確認されているホワイトライオンや、インドのホワイトタイガーが有名である。
白い動物の個体そのものは、哺乳類・爬虫類・鳥類等、全ての脊椎動物に広く存在が確認されており、そのため現在では、白変種に関わる遺伝情報は、生物にとって正常かつ基本的なものと考えられるようになった。
白変種が生まれる理由については諸説存在したが、現在では、氷河期と間氷期を繰り返してきた地球環境を生き抜いた現存の生物にとって、氷河期には保護色となる白変種は、そもそも生物が生き抜くためには非常に有利な基本的資質であったことと、紫外線照射量によるビタミンDの生成の調整が考えられ、そのため現在も、生物が白化する遺伝情報は基本的な遺伝子として、生物に脈々と受け継がれている、と考えられている。

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5人中3人の子供がアルビノの家族
 

白変種は外見からしばしばアルビノと混同されるが、遺伝学的・生理学的にもこの両者は全く異質のものである。白変種のメラニン産生能力は正常であるため、アルビノの瞳孔が赤く透けるのに対し、白変種の瞳孔は黒い。
さて、白変種とアルビノとは全く異なる現象ではあるが、生物種全般に見られる白変適応は、人類の歴史と重ねても無関係では無いと考えられます。むしろ、洞窟生活が主体であった初期人類の肌の色は、脱毛症のチンパンジーのごとく白色基調であったが、生存地域と生産様式の変化に伴い、徐々に皮膚の中にメラニン色素の生成による日射量調整を行うようになっていったと考えられます。現在の地球への日射量差と、原生人類の肌色差とを重ね合わせると、ほぼ同一の色彩となるそうです。
つまり、アフリカのような日射量の多い地域で適応すれば肌は黒くなるし、一方で日射量の少ない地域に行けば、メラミン生成の必要性、あるいは代謝量が不活性となる為白色化して行く、という傾向が表れる。体毛淘汰した人類にとって、皮膚層での日射量調整は外圧適応上の必須条件である事は間違いなさそうです。

  
2.白変適応のメカニズム

人の肌色は皮膚に含まれる色素のメラニンの量によって決定される。
肌のメラニンは太陽光に含まれる紫外線を受け、日焼け(正確にはサンタン sun tanning)により沈着する。
肌の色にあわせて影響があると考えられるのは、ビタミンD3である。
ビタミンDはカルシウムの吸収を助け、骨の成長を促進する働きがある。ビタミンDの補充には、食べ物からの摂取(ビタミンD2)と、人間の皮膚内での自己生成(ビタミンD3)のふたつの方法がある。ビタミンD3は皮膚で生成され全体の50%ほど。
ビタミンD3を生成するのに必要なのは紫外線なのですが、紫外線の中にも波長によって種類が異なり、ビタミンD3を生成するのに必要な紫外線はB波(UV‐B)と呼ばれるものです。
ちなみに、ビタミンDの重要性は陸上の脊椎動物全般に見られ、海中から上陸したことにより重力の付加が加わり、より強固な骨格形成が必要だったからと考えられています。

 
 
・紫外線の種類と特徴
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紫外線A波
(UVA/長波長紫外線) 地表に届く紫外線の約90%を占めます。ガラスを通過する性質があります。
皮膚の深い部分まで到達し、肌を赤くする作用は少ないのですが、肌を黒くする作用をもたらします。
紫外線B波 (UVB/中波長紫外線) 紫外線Aよりも強力な刺激を肌に与えます。表皮と真皮の境目にあるメラノサイトにメラニンを作らせ肌を黒くします。 皮膚の比較的浅いところまでしか届きませんが、赤くヒリヒリと炎症を起こす原因となります。皮膚や肝臓に蓄えられたビタミンD2を、ビタミンD3に変える。このため、日光浴をすると、骨が丈夫になる等の病気の回復が早まる傾向があるそう。皮膚細胞の遺伝子DNAに傷をつけ、シミやしわを作ったり、大量に浴びることで皮膚ガンを発生させたりすることもあります。
紫外線C波
(UVC/短波長紫外線) 波長の短い光線で、オゾン層によって吸収されるため地表に届くことはほとんどありません。
仮に皮膚に当たった場合、紫外線A波、B波によりもはるかに影響は大きく皮膚ガンをもたらす光線とされています。

 
・緯度による紫外線照射量の違い3.gif

上図をみてわかるように、太陽光線の入射角における照射量の絶対量と、この入射角の違いは短波の電磁波を反射し拡散させるオゾン層(その他不純物含む)の通過距離に関係している。
低緯度地域ほど、地上に降り注ぐUVは多く、高緯度になるほどUVは極端に少なくなるということがよくわかります。
特に短波であるUV-Bは地上に届きにくくなり、ビタミンD3の合成には不利になります。UV-B自体が地上に届く量が少ないので照射反応によって生成されるメラミン色素も少なくなります。(=少量のUV-Bを積極的に取り込むにもメラミン色素を抑え白色化した。)

 
・同緯度地域による肌色の違いは?

同緯度にも関わらず、肌の色が違う民族がいる。ということに対して、水蒸気説が考えられます。
上記の追求で肌の色はUV-Bに大きく影響を受けることがわかっています。
UV-Bは短波でオゾン層だけでなく雲や霧等の水蒸気にも反射し拡散します。
そこで、やはり肌色の地域差というのは、気候=地形的特徴に関係があると考えています。

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               世界の暖流と寒流
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               気流のメカニズム

雲や霧ができる現象は、地理学的には暖流や寒流の関係と地球の自転・公転による気流と地形によって起ります。
例えば、原白人の出自と考えられる、西欧(ドイツ附近)というのは近くにノルウェー海流という暖流によって生じた湿度の高い空気塊が偏西風によって大陸に運ばれ冷やされ雲や霧を発生させ易い土地柄とわかります。
アラスカやモンゴル等に定住するエスキモーやモンゴロイドは現代でも黄色系です。これは、元々が黄色系人種の出自ということもあるかと想いますが、アラスカ~カナダ~アメリカ西海岸は山脈が連なり偏西風によって乗せられたアラスカ海流の温暖で湿潤な空気は山脈にぶつかり雨を降らせ、平野を越えるころには乾燥化した空気となって降りてくるため、UV-Bを反射・拡散させる水蒸気が少ない地域といえます。
前述の地理的気候の違いによって、同緯度でも紫外線照射量は大きく違うということがわかります。

■まとめ
少々専門的な内容になってしまいましたが、ここまでをまとめると、メラニンによる日射量調整は、哺乳類全般に見られることで、人類も同様だと言えます。また、肌色、髪色の違いは地域や生活様式に起因していて、その違いは紫外線照射量の違いと判断できます。
いつ頃何色だったのか詳細はわかりませんが、おそらくアフリカで狩猟していた時は、短時間とはいえ強烈な日射を浴びていた為、黒に近かったのではないかと考えられ、洞窟からあまり出なかった女、子供もその遺伝子を継承していることから同様と考えられます。(黒人と白人の混血では、優性遺伝の関係から黒人の特徴が強いようです)
その後、出アフリカを経て北上し、地域によっては白変適応したということですね。
  
・参考サイト
http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=241827 [1]
http://www.bihakunet.com/doctor/serial/01.html [2]
http://poesie.web.infoseek.co.jp/shigaise.htm [3]
http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikinodaijunkan.htm [4]
http://dtp.jdash.info/archives/8356199.html [5]
http://dtp.jdash.info/archives/8356199.html [5]
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%AE%E8%82%8C%E3%81%AE%E8%89%B2 [6]
http://kaneshou.sakura.ne.jp/tounyoubyou/cat0007/1000000132.html [7]


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[2] http://www.bihakunet.com/doctor/serial/01.html: http://www.bihakunet.com/doctor/serial/01.html

[3] http://poesie.web.infoseek.co.jp/shigaise.htm: http://poesie.web.infoseek.co.jp/shigaise.htm

[4] http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikinodaijunkan.htm: http://www.s-yamaga.jp/nanimono/taikitoumi/taikinodaijunkan.htm

[5] http://dtp.jdash.info/archives/8356199.html: http://dtp.jdash.info/archives/8356199.html

[6] http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%AE%E8%82%8C%E3%81%AE%E8%89%B2: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%92%E3%83%88%E3%81%AE%E8%82%8C%E3%81%AE%E8%89%B2

[7] http://kaneshou.sakura.ne.jp/tounyoubyou/cat0007/1000000132.html: http://kaneshou.sakura.ne.jp/tounyoubyou/cat0007/1000000132.html

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