2010-08-24

プロローグ~「人類の拡散から弓矢を発明して洞窟を出るまで」~

さて、本日から新テーマの追求を開始します。
タイトルにある通り、「人類の拡散から弓矢を発明して洞窟を出るまで」の道程を、徹底追求します
人類の誕生は、今からおよそ500万年前まで遡る事が出来ます。
しかし、なんとその500万年の殆どは、暗い洞窟に隠れ住んでいた時代 😥 なのです。
「人類の拡散」と言うと、強く逞しい人類が地球の隅々まで縄張りを広げていったような印象を抱きますが、事実は全く逆で、この拡散というのは、実は奇跡の決死行だったのです。
この奇跡の決死行は「Great Journey」とも呼ばれ、人類誕生の地・アフリカのラエトリから最も遠い南米大陸最南端まで、凡そ5万キロの距離があります。ほぼ大陸の端から端までを、しかも洞窟に隠れ住みながらも移動を続けたのは、よほどの理由が無いと説明できません。
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また、この400~500万年の期間のものとしてこれまでに発掘された人類の化石は極僅かであり、未だにミッシングリンクとして多くの謎を残しています。
そこで、これまでのるいネットなんで屋劇場等を通じての様々な仮説の再検証をベースに、この壮大な人類の拡散史及び地上進出までの過程を追求していきたいと思います。
今後、予定している追求テーマは、
●人類の拡散と絶滅
●観念機能の獲得(200万年前~)
●言語機能の獲得(200万~20万年前)
●毛が抜けたのは何で?
●道具史
●弓矢の発明
●洞窟から出たのは何で?

さらに、これらの追求過程から発掘された新たなテーマ等も加えながら、皆さんと一緒にブログ上でグレートジャーニーを歩いて行きたいと想っています。
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という事で、本日はプロローグとして最新ニュースを紹介します。
人類最古の石器使用跡、エチオピアで発掘された動物の骨で確認

【8月12日 AFP】エチオピア・アファール(Afar)地方の約340万年前の地層から、先のとがった石器で肉をこそぎとったような跡が残る大型ほ乳類の骨の化石を発見したとする論文が、12日の英科学誌ネイチャー(Nature)に発表された。人類の祖先は、定説より約100万年も前から、石器を使用していたことになる。
 米カリフォルニア科学アカデミー(California Academy of Sciences)などの国際調査隊は、それぞれウシとヤギほどの大きさの動物の骨の断片2個を発掘した。石器自体は見つかっていないが、骨に付いた跡から、石器で肉をこそぎ取ったり、たたき割って骨髄を吸っていたりしたとみられる。
 これまでで最古とされる石器は、約250万年前のものだった。 
 石器が見つかったアワシュ渓谷(Awash Valley)の発掘現場では、2000年、同じ調査隊が約330万年前の人類の祖先アウストラロピテクス・アファレンシスのほぼ完全な骨格化石を発掘している。女児のものと断定され、「セラム(Selam)」と名付けられた。
 調査隊リーダーのZeresenay Alemseged氏は、「今回の発見と照らし合わせると、セラムは石片を持ち歩いていて、家族が動物を解体するのを手伝っていた可能性は高い」と話している。(c)AFP/Marlowe Hood

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石器によるとみられる傷が見つかった動物の骨の化石。牛ぐらいの動物の骨(上)の左上部(矢印)には切り傷、ヤギぐらいの動物の骨(下)には右下部(矢印)にたたいたような跡がある(研究グループのディキカ調査プロジェクト提供)
たった一つの化石から、人類の道具史が一気に90万年も遡ってしまうかもしれない というのも面白いですが、それ以上に驚くのは、100万年の歳月でたった1つしか化石が発見されない 、というこの線の細さ。それほど、人類の進化の道は険しく過酷で、かつ奇跡的なものであった事を物語っています。
しかし、それだけ過酷な環境を生き延びてきたからこそ、他の動物には類を見ない特殊な能力を獲得してこれたのだと考える事もできます。
上記ニュースにある石器も、他の動物の餌となり食い散らかされた後の屍肉をかき集め、食糧としていた事の形跡ではないかと思われます。まともな食糧確保の出来ない状況であったからこそ、石を使って少しでも多くの栄養分を必死で取得しようとしていたことがイメージされます。
これら、人類の拡散過程から学べるであろう沢山の事実群=成功体験の塗り重ねは、きっと現代人の多くに『どんな状況においても決して諦めない事』の大切さを教えてくれるのではないかと期待されます。
今後の追求が楽しみです!

List    投稿者 kawait | 2010-08-24 | Posted in 5)人類の拡散No Comments » 

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