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男女の脳ってこんなに違う④~生まれる前からこんなに違う~

「男女の脳ってこんなに違う!」ということで、男女の脳の違いから行動の違いをシリーズで紹介してきました!
    
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今までのシリーズは、こちらです。
男女の脳ってこんなに違う!①~幼い時からこんなに違う!~ [1]
男女の脳ってこんなに違う②~「幼児の絵」における男女の違い~ [2]
男女の脳ってこんなに違う③~サルも雄と雌では違う!~ [3]
     
    
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このような男女の違いは、なぜできるのでしょうか? 🙄


それは、胎児の時に起こるのです
   
受胎後、8週目までは、どの胎児の脳も男女の脳のようにみえます。
つまり、脳の初期設定は、女性なのです。
    
しかし、妊娠8週~18週にかけて大きな変化が起こります。
    
人間の男の胎児では、Y染色体上の精巣決定遺伝子の働きによって作られた精巣から、アンドロゲンという男性ホルモンが大量に分泌されます!
この時期、男児の血中濃度は、成人男子に匹敵する量で、まさにアンドロゲンのシャワーを浴びている状態です
この増加によって、コミュニケーション中枢の細胞の一部が破壊され、性および攻撃中枢の細胞が増えて、それまで性差のなかった脳は、男性の脳になります!
これが、男脳の誕生です
    
一方、女の胎児では、アンドロゲンはほとんど出ないので、母親の女性ホルモンの中で成長します。
女児の脳では、コミュニケーション中枢や情動をつかさどる野で細胞がどんどん成長します。
こうして女脳が誕生します
   
    
そして、生まれた後も、男女の脳の成長には違いがあります
生後、1歳半をすぎたあたりから「幼児思春期」と呼ばれるホルモン段階にさしかかります。
この時期は、男児では9カ月しかないですが、女児では24カ月続きます。
子宮が成人女性に匹敵する大量のエストロゲンを分泌しはじめ、それが女児の脳を浸します。
この幼児期のエストロゲンの高まりは生殖に向けた子宮への発達を促すだけではありません。
この大量のエストロゲンは、ニューロンの成長を促進し、観察やコミュニケーション、体感的直感、世話をしたり可愛がったりすることに関係する女性の脳の回路や中枢をさらに強化する。
対照的に、男は、性的衝動に関与する脳の部分が2倍大きく、行動や攻撃の中枢も大きくなります。
こうした成長違いを受けて、男の脳、女の脳はできていくのです。
   
      
こうやって、男女の脳が生まれる仕組みを観察してみると、男の脳は、脳の発達を意図的に抑えてるのを感じます。
コミュニケーション中枢の発達を抑えてまで、発動したかったもの。
それは何だったのでしょうか?
それは、やはり、男の闘争性ではないでしょうか?
性的衝動に関与する脳の部分や、行動や攻撃の中枢が大きいことからもうかがえるように、
男の脳は、闘争性が発揮されやすいような構造になっています。
そうやって男を闘争に特化させ、男女差を生みだし役割分化することで、外圧に適応してきたのですね
そういた進化の戦略を感じました

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