- 生物史から、自然の摂理を読み解く - http://www.seibutsushi.net/blog -

哺乳類の集団形成(3)~哺乳類の集団は『母系』が主流~

Posted By blogger0 On 2010年3月12日 @ 11:50 PM In 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ) | 2 Comments

azarashi.jpg [1]
「アザラシの群れ」 画像はこちら [2]からお借りしました。

前投稿 [3]で見てきたように、もともとは単体で行動していた哺乳類も、進化するにつれて単雄単雌型や単雄複雌型など、様々な集団を形成するようになりました。

そうして集団化した哺乳類には、アザラシ、ライオン、オオカミなど、『複雄複雌型』つまり複数のオスが存在する集団を形成する種も現れます。

『複雄複雌型』の哺乳類も母系制なのでしょうか?

↓応援よろしくお願いします。

ブログランキング・人気ブログランキングへ [4] にほんブログ村 科学ブログへ [5]  [6]


 その後、より大型の集団を形成していく戦略を採ったのが、若オスも縄張りから出て行かなくなった『複雄複雌型』ですが、発情期に性闘争に敗れたオスは、『複雄複雌型』の集団でも例えばアザラシやゾウのように縄張り=出自集団を出て行くケースが一般的なのも忘れてはならない点で、この集団形態もムスメ残留の母系制になります。(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=151163 [7]

イヌの群れなどでは、オス同士がマウンティングを行います。これは、常に集団内の順位を確認する行為であり、序列によって集団内を統合する行為であり、そうすることで、いざ外敵が来た時に、軍事集団として統制の取れた行動が可能となるのです。

つまり哺乳類は、そのままでは(集団にとって)遠心力として働くオス同士の性闘争本能を、オキシトシン等を使った親和本能によって求心力に変え、集団を形成して、外敵あるいは同類闘争に適応していったと考えられます。

すでにメスは、親和本能を強化することで性闘争を封鎖しています(前々投稿 [8])から、放逐されず集団内に留まります。したがって『複雄複雌型』の哺乳類においても、母系制が踏襲されることになります。

そこでは、メスが集団内で出産や育児といった生殖課題を担い、その外側でオス達が戦う、という『内雌外雄』の原理も貫徹されています。

800px-AfricanWildDog1.jpg [9]chinpanzee20100311.jpg [10]
リカオン【左】(画像はこちら [11]からお借りしました)
チンパンジーの狩り【右】(画像はこちら [12]からお借りしました)

ところで、リカオンやチンパンジーなど、父系制の哺乳類も存在します。これらは主流とは言えないのでしょうか?

 例外的に父系制を採っているのがリカオンとチンパンジーですが、初期の『集団型』の1類型としてこの集団形態が登場したならいざ知らず、いずれも大型集団を形成できるところまで進化した種(=後発組)です。そして、共に移動生活を送っていることとも関連して、リカオンの場合は自分たちより強いライオンやハイエナなどに対峙する外圧を常時受けてながら狩りを行っている・・・、チンパンジーの場合は力の拮抗した同種他集団とのいつ果てるとも知れない縄張り闘争に遭遇する機会が多い・・・というような特徴があります。これらの状況に対応するために、群れの戦闘力を高く保てるムスコ残留という様式を選択したと考えると、他の哺乳類にほとんど例を見ない特殊な父系制集団の成立原因もほぼ理解できます。(http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=151163 [7]

リカオンやチンパンジーは、他にはほとんど例を見ない厳しい外圧状況ゆえに、父系制という特殊な集団形態を採ったと考えて良さそうです。

やはり、哺乳類の集団は「母系」が主流なのです。

 


Article printed from 生物史から、自然の摂理を読み解く: http://www.seibutsushi.net/blog

URL to article: http://www.seibutsushi.net/blog/2010/03/954.html

URLs in this post:

[1] Image: http://www.biological-j.net/blog/azarashi.jpg

[2] こちら: http://naokoguide.blog33.fc2.com/blog-date-200905.html

[3] 前投稿: http://www.biological-j.net/blog/2010/03/000951.html

[4] Image: http://blog.with2.net/link.php?548466

[5] Image: http://science.blogmura.com/in/073660.html

[6] Image: http://blogranking.fc2.com/in.php?id=92199

[7] http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=151163: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=600&t=6&k=0&m=151163

[8] 前々投稿: http://www.biological-j.net/blog/2010/02/000949.html

[9] Image: http://www.biological-j.net/blog/800px-AfricanWildDog1.jpg

[10] Image: http://www.biological-j.net/blog/chinpanzee20100311.jpg

[11] こちら: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%82%AA%E3%83%B3

[12] こちら: http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=2008103103

Copyright © 2014 生物史から、自然の摂理を読み解く. All rights reserved.