- 生物史から、自然の摂理を読み解く - http://www.seibutsushi.net/blog -

哺乳類の起源と歩み~生物史は大絶滅の歴史であり、逆境によって進化してきた

・本シリーズでは、「哺乳類の起源と歩み」を扱っていきます。
・このテーマに取り掛かった問題意識としては、我々人類が哺乳類であるという事実を見つめた時に、その起源と歴史をもう一度押さえ直す必要があるのではないかといった所から来ています。
・おそらく順風満帆な歴史(歩み)では無かった事でしょうし、絶滅の危機もあったものと思われます。
・まずは、38億年前の生物誕生から遡った「年表図解」から見ていきましょう。
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1)古生代オルドビス紀末(4億4000万年前)  

・オルドビス紀は、生物の多様化がカンブリア紀並に進んだ時代です。オウムガイの全盛期で三葉虫のような節足動物や筆石のような半索動物が栄えました。甲冑魚のような魚類が登場したのもこの時代です。
・地球の大半の地域で気候は温暖湿潤であり、海水面は現在よりも600メートルほど高かったといわれています。広大な海には多様な海洋生物が繁栄し、陸地には最初の原始的な植物が登場しました。

古生代オルドビス紀末の大絶滅:種の絶滅84%
・オルドビス紀の大量絶滅の原因はガンマ線バーストによりオゾン層が破壊され地球全体が寒冷化したためと言われています。

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2)古生代デボン紀後期(約3.65億年前)

・超大陸ゴンドワナが存在。地表の気候は全体として温暖で、陸上にはシダ植物や昆虫が出現し、地球で最初の森林が登場します。
・脊椎動物では魚類が繁栄(魚の時代とも呼ばれる)。軟骨魚類や硬骨魚類が進化するとともに、淡水域には淡水魚や肺魚が出現します。
・末期には原始的な両生類が登場。四足の両生類イクチオステガも現れ、陸生化を始めた時期でもあります。

デボン紀末の大絶滅:種の絶滅70%
・デボン紀末には約2000万年のうちに大量絶滅が起こり、氷河の影響で海生生物が大打撃を受け、最大で70%の種が死滅したといわれます。

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3)古生代ペルム紀末(2億5000万年前)

・様々な植物、巨大な両生類や爬虫類が生息していた。その中には、恐竜や現生爬虫類の祖先となる双弓類もいた。また、我々哺乳類の祖先に当たる単弓類(哺乳類型爬虫類)も繁栄し、陸上には豊かな生態系が築かれていた。

古生代ペルム紀末の大絶滅:種の絶滅96%
・生物史上最大の大量絶滅といわれている。大量絶滅の引き金になったのが、約3億年前にできた巨大な超大陸パンゲアの分裂と考えられている。分裂時にマントルの上昇流が発生し、大量に吐き出された二酸化炭素とメタンによって、気温の上昇と酸素濃度の著しい低下を引き起こした。
・古生代に繁栄した多くの単弓類が死に絶え、低酸素環境に対する適用能力を身につけた恐竜が次の時代に繁栄していった。

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4)三畳紀(2億5000万年から2億1000万年前)

・超大陸パンゲアが広がり、乾燥した気候だったと考えられています。気温は徐々に上昇。ペルム紀に30%程あった酸素濃度も,10%程度まで低下。ジュラ紀頃までの約1億年もの間,低酸素状態が続きます。
・低酸素状態に適応した爬虫類が急激に繁栄します。三畳紀の中頃になると最初の恐竜が現れます。でも最初のころの恐竜はまだ小さくて1m前後、大きな物でも体長が3mぐらいでした。哺乳類の祖先である単弓類も世界中に見られましたが、徐々に衰退していきます。植物ではシダ類、ソテツ類、イチョウ類、ベネチス類など裸子植物が栄えました。
・海のなかでは魚竜とよばれる爬虫類が現れ、アンモナイトも繁栄していました。

中生代三畳紀末(2.1億年前): 種の絶滅79%
・絶滅は地上と海洋の両方でおき、地上の方が数百万年早かったと言われています。アンモナイトの多くの種や爬虫類や単弓類などの大型動物の絶滅が目立ち、生物種の76% が絶滅したといわれています。
・カナダに直径100kmにも及ぶ「マニクアガン・クレーター」があり、このクレーターをつくった巨大隕石が、ちょうどこの頃に落下しています。また、現在の中央大西洋に溶岩が洪水のように噴出したとされる跡があり、パンゲア大陸が南北に分裂する境目に当たるため、この場所での大規模な火山活動が影響したのかもしれません。低酸素状態に加え二酸化炭素濃度が急上昇したとも言われています。
・当時、比較的小型だった恐竜が以降に急速に発展していきます。

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※)ジュラ紀(2億1000万年から1億4000万年前)
・は虫類の中でもより低酸素状態に強い恐竜が全盛期を迎えます。種類も増え、おおきさも巨大化するようになりました。なかでも草食の恐竜がとくに大きくなり、高い木の枝の葉も自由に食べることができました。
・一方、草食の恐竜を餌とする肉食の恐竜もあり、地上はさまざまな種類の恐竜がくらしていました。また、空には翼竜が飛び交い、始祖鳥も出現しました。
・恐竜の足下では初期の哺乳類の多くがせわしなく走り回っていました。
・植物ではイチョウやソテツなどの裸子植物が繁栄し、はじめて被子植物が現れたのはこの頃です。

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5)白亜紀(1億4000万年から6500万年前)
・白亜紀の気温は地球の歴史のなかでもずっと高く、さまざまな植物が地上を覆っていました。そのため草食の恐竜が増加し、それに伴って大型の肉食恐竜も現れるようになりました。
・空には大型の翼竜が飛び交い、恐竜の全盛時代となりました。哺乳類も影ながら繁栄しており、最初の有胎盤類も登場します。被子植物は花をつけるようになり、昆虫とともに栄えるようになります。

中生代白亜紀末(6500万年前): 種の絶滅70%
・恐竜が突如として絶滅。原因は巨大隕石の衝突。衝突で発生した火災と衝突時に巻き上げられた塵埃が太陽の光を遮ることで、全地球規模の気温低下を引き起こし、大量絶滅につながったと考えられています。その後、哺乳類の繁栄へつながります。

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※)新生代古第三紀(6500万~2300万年前)
・新生代の始まりである古第三紀の夜明け、地球には恐竜も翼竜も、また海の巨大爬虫類もいなくなっていました。その空白を埋めていったのは、齧歯類(げっしるい)ほどの大きさの哺乳類でした。それまで夜間にしか活動できなかった小型の哺乳類が、恐竜などの大型爬虫類がいなくなった日の当たる表舞台に進出したのです。その後の4200万年の間に、哺乳類は大きさ、数、多様性、すべての面で成長し繁栄していきました。古第三紀が終わるころ、現在も見られる生命体が海に満ち、陸を覆い、空にも進出していました。

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→上記5つの大絶滅の歴史を見てきましたが、その都度いずれも絶滅した種の縄張りに生き残った種が拡散して進化を遂げているという事象があります。

結論
☆生物史とは「大絶滅の歴史」である
☆生物は大絶滅をはじめとした「逆境によって進化してきた」のである


・これから本シリーズの「哺乳類の起源と歩み」を追求していきます。
参考サイト:「ウィキぺディア [3]」「バーチャル科学博物館 [4]」「古世界の住人 [5]
ナショナルジオグラフィック 太古の世界 [6]」「斉藤和一のサイエンスウォッチ [7]

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