こんにちわ。arincoです。前回の記事 [1]で、
このように、外圧に適応するためオスメスの役割分化を特化する形で進化を塗り重ねてきたわけですが、哺乳類はこのベクトルをさらに推進する方向で進化してきました。
とありましたが、今回からは、哺乳類が雄雌分化を媒体に、どのように進化していったのか?を主に「集団形成」という観点で追及していきたいと思います。
生物は、単細胞生物以来、集団形成を重要な生存戦略として適応してきました。雌雄役割分化も集団を前提とした進化形態です。
特に、哺乳類の進化を集団形成の観点から追及する事は、現代の我々の集団のあり方を考える上でも示唆に富んだものに成るはずです。
第一回目は、最も構成単位の小さい集団とも言える親子(母子)関係に着目していきたいと思います。
我々人類からしてみると哺乳類の特徴である産後保育は当り前ですが、生物には、元々親子関係はありませんでした。つまり、産後保育というのは、生物全体から見ると非常に特殊な事なのです。
では、哺乳類は、どのようにして産後保育を実現させたのでしょうか?
応援よろしくお願いします。
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□両生類(卵生)から哺乳類(胎生)へ
まずは、両生類から哺乳類に至る進化の流れを復習しましょう。
とある様に、哺乳類は、両生類から「寒冷適応」という形で進化しました。系統樹でまとめると以下の様になります。
胎生の獲得は、寒冷適応と言う点では、成功しましたが、その分母体の負担は大きくなります。ましてや進化に伴い機能はどんどん高度化していきます。
こうして、出産後の保育の必要が高まり、産後保育を行うようになります。
□胎生の獲得→産後保育がメスの保育本能=母性本能を生み出した。
では、産後保育機能はどのように獲得されたのでしょうか?
生物はほっておくと、子は新世界(環境)へと泳ぎ出してゆきます。なぜなら、それこそが生命の根本的な適応原理たる個体(同類他者)の多様化原理に適った在り方(同類他者の変異が多様なほど、種としての適応が有利)だからです。
つまり、産後保育を行う為には、「同類他者」をつなぎとめておく必要があるのです。
それを可能にするのが、「オキシトシン」という物質です。
オキシトシンについて『生物学辞典第4版:岩波』によると、
とあります。つまり、
オキシトシン=母が子を体内で育て分娩し、哺乳するために、必要な母子をつなぐホルモン物質
という事です。一般的に言われる母性本能とは、この事を指しているんですね。
さて、面白い事に、
とある様に源オキシトシンとでも呼べる類似物質は、全ての生物が持っているのです。
つまり、元々は、保育本能を機能させる為ではなく、違う働きを持つ物質だったのでは?と考える事が出来ます。
この事から考えられるのは、
とある様に、源オキシトシンは、元々集団をつなぎとめる為=集団本能を機能させる為の物質で、それを産後保育を実現させる為に改良したのがオキシトシン、という事です。
次回は、この産後保育を実現した哺乳類がどのようにして集団形成を行うのかを追求していきます☆