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哺乳類の集団形成①~産後保育の実現。母性本能って何?~

Posted By arinco On 2010年2月25日 @ 10:35 AM In 3)地上へ進出した哺乳類(原猿から真猿へ) | 2 Comments

 こんにちわ。arincoです。前回の記事 [1]で、

このように、外圧に適応するためオスメスの役割分化を特化する形で進化を塗り重ねてきたわけですが、哺乳類はこのベクトルをさらに推進する方向で進化してきました。

とありましたが、今回からは、哺乳類が雄雌分化を媒体に、どのように進化していったのか?を主に「集団形成」という観点で追及していきたいと思います。
生物は、単細胞生物以来、集団形成を重要な生存戦略として適応してきました。雌雄役割分化も集団を前提とした進化形態です。
特に、哺乳類の進化を集団形成の観点から追及する事は、現代の我々の集団のあり方を考える上でも示唆に富んだものに成るはずです。
 第一回目は、最も構成単位の小さい集団とも言える親子(母子)関係に着目していきたいと思います。
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我々人類からしてみると哺乳類の特徴である産後保育は当り前ですが、生物には、元々親子関係はありませんでした。つまり、産後保育というのは、生物全体から見ると非常に特殊な事なのです。
では、哺乳類は、どのようにして産後保育を実現させたのでしょうか?
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□両生類(卵生)から哺乳類(胎生)へ
まずは、両生類から哺乳類に至る進化の流れを復習しましょう。

初期両生類の登場が約3.6億年前ですが、2.8億年前までには肉食両性類が水辺を闊歩する状態になります。この肉食両性類に追いやられるカタチで、陸上生活に適した殻のある卵の産卵や水分を体内に温存できる強固な皮膚などの機能を獲得して、言わば乾燥適応したのが爬虫類です。
 それに対して哺乳類は、肉食両生類と肉食爬虫類の両方に追われて、乾燥適応だけでは生き残れないために、寒冷地に適応していった種です。毛皮をまとって恒温動物に進化したのも、完全な胎生に進化していったのも、寒いとからだが動かない、卵が孵らない・・・などの弱点を矯正して、寒冷な環境でも子孫を残し種として生き残っていくためです。

とある様に、哺乳類は、両生類から「寒冷適応」という形で進化しました。系統樹でまとめると以下の様になります。
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 胎生の獲得は、寒冷適応と言う点では、成功しましたが、その分母体の負担は大きくなります。ましてや進化に伴い機能はどんどん高度化していきます。
 こうして、出産後の保育の必要が高まり、産後保育を行うようになります。
□胎生の獲得→産後保育がメスの保育本能=母性本能を生み出した。
では、産後保育機能はどのように獲得されたのでしょうか?
 生物はほっておくと、子は新世界(環境)へと泳ぎ出してゆきます。なぜなら、それこそが生命の根本的な適応原理たる個体(同類他者)の多様化原理に適った在り方(同類他者の変異が多様なほど、種としての適応が有利)だからです。
 つまり、産後保育を行う為には、「同類他者」をつなぎとめておく必要があるのです。
 それを可能にするのが、「オキシトシン」という物質です。
 オキシトシンについて『生物学辞典第4版:岩波』によると、

子宮(筋)収縮ホルモン。子宮の筋層に働いて子宮の収縮を起させ、乳腺の筋肉性上皮を収縮させて乳汁の射出を促す神経性下垂体ホルモンのひとつ。オキシトシンはペプチドでバゾプレシンと似た構造。視床下部の視索上核・室旁核で合成され神経の軸索内を流れて神経葉に貯えられる。Ca2+依存性で血中に放出される。乳汁の射出は、乳頭に加えられた刺激が神経を通って視床下部に伝えられ、オキシトシンを分泌させるという神経内分泌反射によって行われる。 [5]

とあります。つまり、
 オキシトシン=母が子を体内で育て分娩し、哺乳するために、必要な母子をつなぐホルモン物質
という事です。一般的に言われる母性本能とは、この事を指しているんですね。
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さて、面白い事に、

オキシトシンは9ヶのアミノ酸が結合した単純なペプチドで、
No.1とNo.6のシステインがジスルフィド結合をした環状構造をしています。
構成するアミノ酸は微妙に違っていますが、
この環状ノナペプチドは昆虫やサメなどからも見つかっています。
恐らく、とても古くから生命に利用されてきた化学物質なのでしょう。
脊椎動物でも広く利用していますが、
魚類ではNo.4がセリン、No.8がイソロイシンに変わります。
これをイソトシンといいます。
両生類、爬虫類、鳥類は共通です。

とある様に源オキシトシンとでも呼べる類似物質は、全ての生物が持っているのです。
つまり、元々は、保育本能を機能させる為ではなく、違う働きを持つ物質だったのでは?と考える事が出来ます。
この事から考えられるのは、

集団として(種として)同類をつなぎとめる物質、集団本能(≒追従本能)に近い位置にある物質なのでしょう。親子の物質というより集団の物質…これ(源オキシトシン)が、やがて哺乳のための(親子親和物質)として、使われていったのではないでしょうか。先ほどの分娩は同類の誕生を促しているのでしょう。 [6]

とある様に、源オキシトシンは、元々集団をつなぎとめる為=集団本能を機能させる為の物質で、それを産後保育を実現させる為に改良したのがオキシトシン、という事です。
次回は、この産後保育を実現した哺乳類がどのようにして集団形成を行うのかを追求していきます☆


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[5] 子宮(筋)収縮ホルモン。子宮の筋層に働いて子宮の収縮を起させ、乳腺の筋肉性上皮を収縮させて乳汁の射出を促す神経性下垂体ホルモンのひとつ。オキシトシンはペプチドでバゾプレシンと似た構造。視床下部の視索上核・室旁核で合成され神経の軸索内を流れて神経葉に貯えられる。Ca2+依存性で血中に放出される。乳汁の射出は、乳頭に加えられた刺激が神経を通って視床下部に伝えられ、オキシトシンを分泌させるという神経内分泌反射によって行われる。: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=18243

[6] 集団として(種として)同類をつなぎとめる物質、集団本能(≒追従本能)に近い位置にある物質なのでしょう。親子の物質というより集団の物質…これ(源オキシトシン)が、やがて哺乳のための(親子親和物質)として、使われていったのではないでしょうか。先ほどの分娩は同類の誕生を促しているのでしょう。: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=200&c=400&m=18274

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