2010-02-16

実現論勉強会シリーズ9:人類の雌雄分化と人類の弱点

実現論勉強会シリーズ第9弾
~前回のポイント~
・人類の最先端機能たる観念機能は、現実課題に応えるためにあり、行動を導く為にある
・観念機能は目の前の現実世界(自然や同類)を対象化⇒事実認識の蓄積によって人類の生存様式を進化

さて、今回はこの観念機能を獲得した人類の男女関係(雌雄分化)を見て行きます。
本能が混濁する程のすさまじい外圧に晒され、恒常的な飢えや怯えの不全を抱えたままの人類が、何故生き延びる事が出来たのか?
実際、推計では200万年~6万年前までの間の人口増加率は0.12%/千年程度とも言われています。1,000年に一人も増えないほど過酷な状況。むしろ、生き残ったのが奇跡的 とも言える数字です。
しかし、樹上機能を失い、種間闘争にも全く勝てない弱者は、唯一の武器である共認機能にひたすら収束し、想像を絶する不全感を克服していったのです。

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ト.人類の雌雄分化と人類の弱点

 人類はつい一万年前まで、まともに地上を歩くことが出来ず洞窟に隠れ棲むしかない様な、凄まじい外圧に晒されていた。jyane3.jpg(洞窟イメージ。実際はもっと暗くじめっとした空間であったと思われる。)
従って、人類のメスはサル以上に極度に依存収束を強め、首雄収束⇒応望収束回路を発達させていった。しかも人類のメスは(首雄でも防ぎ切れない)飢えや怯えに晒され、サル以来はじめて自らの不全感を直撃されたメスは専ら解脱収束を強め、強力な解脱収束⇒性機能収束回路(エンドルフィンとドーパミンの快感回路)を形成していった。だから、人類の女は徹頭徹尾、応望存在であり、自らの役割欠損を専ら性機能に収束させてゆく性的存在である。もちろん、それら全ては首雄の期待に応えて役割充足を得る為であり、従って男たちはそんな女たちを、純粋にかつ積極的に肯定視してきた。それどころか、樹上機能を失い、絶望的な状況下に置かれたカタワのサル=人類が、その極限時代五〇〇万年間を生き延びることが出来たのは、性と踊りをはじめとする強力な解脱充足回路を形成し得たからであり、もしそれがなければ、人類は生きる希望を失って早々に絶滅していたであろう。この様なサル→人類を貫くメスの応望存在化⇒性的存在化が、生物進化を貫く雌雄差別化のベクトルに合致した、その一つの極限的な実現形態であることは言うまでもない。

人類のメス達は、主雄を通じて集団を貫く外圧=不全を捉え、全的に応望する事で活きる望みを繋いで行ったのです。
強力な解脱回路を発達させた事で大きく充足収束したのですが、ここでのポイントは相手の不全を解くための解脱行為が中心であった、という部分です。これこそが共認の真髄と言っても良いと想うのですが、極限時代のメス達は徹頭徹尾相手の期待に応える事で相手を充足させる事に喜び・活力を見出して行ったのです。(と~っても、ありがたいですね
しかし、その実現形態も、外圧の克服により徐々に問題を孕むもの 🙁 へと変動して行きました。
   

 凄まじい外圧に晒され、共認機能(更に観念機能)を唯一の命綱として生き延びた人類は、共認を破壊する性闘争や自我を五〇〇万年に亙って全面封鎖してきた。実際、この極限状況では、人類は期待・応望の解脱充足を生きる力の源にしており、その充足を妨げ、生きる力の源を破壊する様な性闘争や自我が徹底的に封鎖されてゆくのは必然である。あるいは、絶対的な課題共認・規範共認によって(つまり、絶対的な共認圧力=集団統合力によって)、性闘争や自我が発現する余地など、全くなかったとも言える。しかし、人類は外圧を克服してゆくにつれて、極めて厄介な自己矛盾に陥ってゆく。  

 問題は、共認機能が不全感を捨象する為の解脱共認(エンドルフィンやドーパミンの解脱充足回路)を母胎としていることである。
もちろんそれは、本能ではどうすることも出来ない、本能が混濁するほどの凄まじい外圧→不全感から解脱する為に形成された回路である。しかし、その解脱充足回路=期待・応望回路が、唯一の開かれた可能性の実現として形成された以上、本能をはじめ全ての回路がそこ(=解脱回路)へと可能性収束するのは必然である。事実、サル・人類はこの解脱共認回路を命綱として生き延び、進化してきた。従ってサル・人類は、何であれ不全感が刺激されると(例えば、動物にとっては当然のことである暑さや寒さや雨に濡れることなどの不快、あるいは共認動物に固有の存在理由欠乏→自我の充足欠損の不快を感じると)、自動的に解脱充足回路に収束する。とりわけ、極限時代五〇〇万年に亙って解脱充足を生きる活力源として生き延びてきた人類は、解脱充足なしには一時も生きておれない解脱動物となって終った。動物なら、例えばネコなどは、よく縁側で陽光を浴びながら日がなじっと寝そべっているが、20090510%25E3%2581%25B2%25E3%2582%258B%25E3%2581%25AD%25E3%2581%2593%25E5%25B8%25B0%25E3%2582%258A.jpg実は人間にはそれができない。人間は、時間があると決してじっとしておれずに、音楽を聴いたり本を読んだりテレビを見たり、あるいは誰かとおしゃべりしたり、とにかく何らかの解脱充足を味わっていないと生きておれないのである。人類固有の物的欠乏も、涙と笑いも、芸術も、全てはこの解脱欠乏が生み出したものである。とにかく、人間がいかに強く解脱充足を必要とする動物であるかを、人類は深く自覚しておく必要がある。

常に解脱を貪る、という辺りは誰もが実感するところではないでしょうか?
rs32-91.jpg
特に近代以降は、「遊びの時代」であったと言っても過言では無い位に、様々な娯楽道具を発展させ、快美充足に溺れてきた歴史と言えます。これは、極限時代の活きる源でもあった「解脱充足」が、暇な余りに充足できないという不全を解消する為の堕落回路へと転換してしまったのです。
   

 もちろん、強力な外圧に晒されている時には、サル・人類はこの解脱共認を母胎にして、その上に闘争系の共認を形成し、そこ(課題共認や役割共認)へ収束する。だが、外圧が低下すると、忽ち闘争(集団)収束力が低下して、時間さえあれば解脱充足を貪る様になる。つまり、元々は凄まじい外圧→不全感から解脱する為に形成された解脱回路は、外圧が低下すると、むしろその充足だけを貪る為の堕落回路となる。問題は、そこにある。人類は、外圧が低下すると解脱収束し、堕落してゆく。しかも、外圧が高く闘争・課題共認への収束力が強ければ僅かな解脱でも充分に充足できるのに、闘争・課題共認への収束力が低下すると、どれだけ解脱を貪ってもなお充足できなくなる。だから、解脱回路は共認の母胎であると同時に、麻薬でもあり、人類の最大の弱点ともなる。

この弱点を抱え、堕落しまくった結果が、現在の閉塞した社会という結果を齎したのは言うまでもありません。
しかし近年、いよいよその閉塞感は本能の奥底に在る適応欠乏にまで至り、意識潮流に明確な変化を顕現させました。
それが、『遊びの衰退→私権体制の崩壊⇒共同体の時代へ』という状況認識です!
参考
1/31なんでや劇場レポート1 「遊びの失速」は、何を意味しているのか?
1/31なんでや劇場レポート2 私権体制の崩壊⇒共同体の時代へ
最近、遊びよりもマジ話の方がよっぽど充足する、という話をよく耳にします。
あるいは、社会不全からマジ話による状況探索というベクトルは、外圧に適応した正しい解脱とも言えるかもしれません。
先人達が過酷な外圧環境の中で獲得した人類特有の共認機能や観念機能を、ようやく適切に使う時代が到来したのだと想います。

List    投稿者 kawait | 2010-02-16 | Posted in ①進化・適応の原理1 Comment » 

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コメント1件

 ふぇりちゃん | 2010.10.12 22:50

なるほど☆
脂質って、とても役に立ってるんですね~♪
いつも食事をするときには「脂ものは血液ドロドロになるから・・・」と控えるように(いや、避ける??)してきたけれど、「ごめんなさい」です。。
そうそう、脳って酸素消費量もすごいんですよね~。
外圧の変化で顕著に表れますものね♪
こうして体のいろんなことがわかるって、すごくおもしろいかも☆

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