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生物史を学ぶための「なんでや的」基礎知識

前回の記事生物史を追求するための「なんでや的」基礎知識 [1]から1年と8ヶ月がたちました。
今回は、なんでや劇場 [2]生物史シリーズに参加する初心者向けに、生物史を勉強するにあたってこれだけは知っておきたいものを厳選したバージョンで、内容も進化しています
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なんでや劇場 [2]のようす
(生物史シリーズはH19.6.17~H21.7.27に16回にわたって開催されました。内容を知りたい方は右の「CATEGORIES」にある「なんでや劇場レポート」をクリック)
まずは、地球誕生から人類誕生まで46億年の地球・生命史を概観できる年表です。
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生物史を学ぶための「なんでや的」基礎知識
代謝と複製
代謝とは細胞が物質を取り込み体内で使えるように変化させること。複製とは代謝によって細胞がその内容物を増やし、分裂すること。そのようにして細胞は増えていく(からだは成長する)。
原核細胞と真核細胞
原核細胞は、大腸菌等の細菌類で見られ、直径約0.01㎜で細胞内はDNAと細胞質だけの単純な構造をしている。真核細胞は、原核細胞の約10倍(体積は約1000倍)の大きさで、細胞内に細胞小器官や細胞核がある。ヒトの全細胞をはじめ動物・植物などに広く見られる。
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生体膜
細胞や細胞小器官を包んでいる膜。膜の間にタンパク質があり、様々な反応(認識)や物質の出し入れなどを行っている。
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遺伝子と染色体
1865年(まだDNAや染色体が発見されていない時)に、メンデルは、親の形質が子に受け継がれるのは何らかの粒子によると提唱した。この粒子がのちに遺伝子と命名される。1888年には細胞の分裂に際して細胞核内に現われる物質が発見され、遺伝子の正体だと考えられた。その物質が色素に染まることから染色体と命名された。
DNA
遺伝情報を保存している高分子化合物。1943年に遺伝物質であることが解明された。DNAは糖(デオキシリボース)・リン酸・塩基が細長く連なってできており、塩基部分の並び方でどんなアミノ酸(タンパク質の材料)を作るのかを決めている。ヒトの体内にある細胞(約60兆個)は例外を除き全て同じDNAをもつ。
RNA
タンパク質合成等を行う高分子化合物。DNAを鋳型として作られ、糖(リボース)・リン酸・塩基が細長く連なっている。DNAが保存物質であるのに対して、タンパク質合成に直接係わっているのがRNAである。細胞内での働きにより、伝令RNA、運搬RNA、翻訳RNAなどがある。
タンパク質
生物のからだを構成している物質(ヒトでは10~15%)で、構造タンパク質と酵素タンパク質がある。構造タンパク質はからだの形をつくっており、皮膚や骨をつくるコラーゲン、髪の毛をつくるケラチンなどがある。酵素タンパク質は生体内で起こる様々な化学反応を助けるはたらきをしており、細胞内ではDNAの組換えや修復などを行っている。身近なものでは唾液(分解酵素)がある。
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倍数体(2n)と半数体(n)
倍数体は染色体(DNA)のセットを2組もつ細胞で、半数体はそれが1組の細胞。倍数体は、同種の細胞同士がDNAの組換えを行うために融合し、染色体数が元の細胞の2倍になった細胞である。半数体は、倍数体(2n)が融合前のn体に戻るために半分に分裂し染色体数を半減させた細胞である。この倍数体(2n)から半数体(n)に戻る分裂が減数分裂である。
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生殖細胞と体細胞
生殖細胞は精子や卵子のように受精・合体するためだけの役割をもっている細胞。体細胞は生殖細胞以外の細胞で、単純分裂により体のすべての器官を形成する。
有性生殖と無性生殖
有性生殖は異なる遺伝情報を持つ2つの配偶子(ex.精子と卵子)が合体することで新たな個体を発生させる生殖の方法。無性生殖は配偶子の合体を経ずに細胞等の単純な分裂(クローン形成)による生殖の方法。単細胞生物の分裂や、イソギンチャクの縦分裂、ミミズの横分裂などがある。

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