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進化の歴史は、「ニッチ」の連続② ~海水魚⇒淡水魚~

921.jpg生物進化の過程を知る事でニッチは何なのかがよく分かります。
そこで、今回は生物の【海水魚⇒淡水魚】の進化過程を見ていきたいと思います
 
さて、生物の歴史を遡る事4.8億年前
生物が海中にしかいなかった時に魚類は登場しました
 
この時の魚はアランダスピス 体長は ㎝程度で地面を這って海底の泥の中の微生物を口ですくって食べる、といった大人しい生き物
しかし、そんな緩やかな生活にも
 
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体長は30㎝~mと、大小に差はありますが、海水魚からするとかなり大きく、しかも口で海水を噴射し移動していた生物が登場します
 
      
魚類の天敵エンドセラスです 😈
このエンドセラスは初期のオウムガイで、三葉虫や貝類、魚類などを捕食し、当時の海での覇者でした
海底を這っていた生き物が多いこの時代。エンドセラスの口から海水を噴射して移動するというのは、当時とても速かったのです
 
海水魚はエンドセラスによりどんどん食い殺されていきます
さて、この時にエンドセラスに戦いを挑もうとした、勇敢な生物はいたのでしょうか
ありえないですよねぇ~ 🙁 エンドセラスに戦いを挑もうものなら、簡単に餌と成り果てるでしょう 😥
エンドセラスからすると飛んで火に入るなんとやら。。。
 
当然、他の生物達は一目散に逃げる訳ですが、全長5mもあって、しかも動きの速いオウムガイから逃げるには、あなたであればどこに逃げますか
 
とりあえず遠くに逃げる
 
そうです。とりあえず逃げるしかないのです
エンドセラスがこれなくなるような場所まで逃げ延びるまでには、たくさんの本当にたくさんの同志や他の生物は喰われて行ったでしょう
そうして何とか行き着いた先が、海と川の合流地点である浅瀬だったのです
 
さて、浅瀬まで逃げる事が出来た魚は、その場で生きることができたのでしょうか
まず、海と浅瀬の違いを見ていきましょう
 
浅瀬は海と川との合流地点であり、汽水域と言われ、海水では無く淡水が混ざっているような場所になります。
 
さて、エンドセラスの追撃から逃れた先は外敵のいない楽園と呼べるような良い場所だったのでしょうか 海水にいて、淡水で生きていくための機能は持っていたのでしょうか
 
その答えは否
 
淡水で生きていける機能など持ち合わせている訳は無く、新たに獲得し、その場に適応していかなければ死んでいってしまう。
正に!!大逆境の地に逃げ込んでしまったのです

何が大逆境なのかというと、海水と淡水に含まれているミネラル分や濃度の決定的な違いです
これまで、海水からミネラル分を摂取していた海水魚はミネラル分の摂取が出来なくなります
また、そのままだと濃度が違う淡水が体内に入り、いずれ破裂する可能性もあります
 
そこで、その場に適応するための大進化が起きるのです
 
まず、ミネラル分の確保に骨を作ります。骨はミネラル分を貯蓄する為の貯蔵庫のようなもの。
そして、淡水が体内に入るのを防ぐために、ウロコをつくり淡水を物理的に防ぐように体を変えていきます。
しかし、全てを防ぐことはできません。そこで、入って来る淡水を排出する為に体内の腎臓の機能を発達させていくのです。

 
この
①ミネラル分を貯蓄する為の骨
②淡水が入ってくるのを防ぐウロコ
③淡水を排出するための腎臓の発達

 
以上の3つの新しい機能を獲得する大進化があり初めて淡水魚として川で生きていくことができるようになったのです
 
しかし これで終われないのが生物の進化というところでしょう
一般的に言われている進化は、ここで言うところの小進化を取り上げていることが多く、①体を大きくする②食性を変える(肉食化)などDNAや新機能(骨を作るとか、ウロコを作るとか)を獲得するような進化ではないものを指します
 
淡水魚の中にもこのような、体を大きくし食性を変えるような小進化を遂げた種が出てくるのです。
つまり、淡水魚の中に体が大きく他の種の淡水魚を喰う肉食淡水魚が表れたのです 😈
 
また 逃げなくてはなりません 海に戻るにも、体が大きくエンドセラスに勝てるようなら生き抜いていけたかもしてませんが“肉食淡水魚に追われた淡水魚”ですから、非常に弱い淡水魚です 生き抜くには困難な状況だったでしょう
 
そこで取った逃げ道が“さらに上流へ”だったのです
しかし、逃げても逃げても、ある一定のところで生活しては肉食淡水魚が出てきては、また追われ 肉食淡水魚が登場しては上流へ逃げていく繰り返しだったのです
 
さて、今回はここまでです
次回は淡水魚から更なる大進化の歴史を辿ってみたいと思います
乞うご期待

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