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生命への進化

Posted By jorge On 2009年10月4日 @ 9:25 PM In ①進化・適応の原理 | No Comments

生命への進化
    
 各種の有機物が恐らく水中で今日生命と呼ばれるシステムを確立するに至る段階は、核酸の材料であるヌクレオシドやタンパク質の材料であるアミノ酸等の有機物が出来る段階、それが低分子量のDNAやRNAおよびオリゴペプチドになる段階、RNAやDNAが、高分子化して必要なエキソンを含むに至る段階であると考える。
ここで取り扱うのは、RNAやDNAが高分子化して必要なエクソンを含むに至る段階であり、この段階から生命が誕生するまでの過程は、生命のその後の進化から類推できると考えた。
      
    
生命と目的論
   
生命は特定の目的の為に創造されたものではないが長い時間をかけて、生き延び、場合によっては増殖するという目的に矛盾しないような機構を持っている。
その機構を維持するための各種目的を達成するためのシステムが生命であると考える。。
  
機能とプロセス
   
 生命は、無数の化学反応および、その結果生じる各種結合と反応熱、濃度差あるいは外界からの影響によって生ずる分子運動が関わる現象であり、それらの反応、分子運動が互いに連関して生じたシステムが生命だと考えている。
 このような反応と共役する分子運動をプロセスと呼ぶなら、 結果的に生物は生き残るという大目的と、大目的を達成するための中目的、小目的を達成するためのプロセスの集合体であり、各プロセスの環境との相互作用の中での最適化が、総合的に淘汰により判定された結果が、生き残りであり、場合によっては進化であるといってよいと思う。
(例えばあるタンパク質を生成し、細胞膜に埋め込むというプロセス)
 そして もともとランダムなプロセスから選抜されたのであるから、通常一定の目的を達成するに必要な機能を有するプロセスの数は複数で、ある環境下でもっとも効率のよいプロセスから効率の悪いプロセスまで分布があるはずであり、必要な機能に有害なプロセスは淘汰され、無害なプロセスは突然変異等でなくなる迄保存されると考える。
 同じくあらゆるプロセスは確率的に生成するので、ある物質を合成するプロセスがあるなら、分解するプロセスも当然存在するので、プロセスの多くは動的平衡状態にある。
 環境が変化した場合、効率のよいシステムの順位が入れ代わることもあるだろう。これは生物システムの最下層要素における進化といってよいだろう。
   


細胞膜より先に細胞骨格?
   
 DNAあるいはRNA、mRNA、rRNA、tRNA等が存在しても、それらが適当な位置関係になければ、反応の連鎖が起こるのは難しい。また界面活性物質が合成されたとしても都合よく細胞膜になるだろうか?
 細胞は触媒反応の場のネットワークともいえる。恐らくは反応熱の蓄積をさけるため反応の場の間にはある距離が必要であるが、その距離が大きすぎるのは、どのような輸送手段をとるにしろ効率が悪い。
 この事は細胞膜より先に生まれたのは反応位置をある程度制限するための細胞骨格ではなかったかということを意味するのではないだろうか。
 当初、多くのDNA、RNA等を含む水溶液から、水溶液の各所で合成された水溶性タンパク質が局所的粘度を上昇させ、その水溶性タンパク質に各種物質が吸着されて、それぞれの位置関係が定まった小系に別れていったとは考えられないだろうか。
 この小系に含まれる核は、一個の場合も多数個の場合もあったろう。また小系を構成する水溶性タンパク質は一本とは限らず、多数の糸で構成されている水溶性タンパク質群の場合もあったであろう。
 さらに付け加えれば、生命の基本的な特徴は環境の中で、環境を自己の都合のよいように変化させ自己を保存することであるが、これは触媒作用こそが生命の基本であることを示しているように思われる。
     
      
イントロンからエキソンへ
      
またこの時代のRNA、DNAの殆どは今日いうところのイントロンで構成されていたろう。
 このようにアミノ酸、オリゴペプチド、ヌクレオシドが存在する状態でDNAやRNAの重合度を高める機能と系を安定に存続させる機能が存在すればRNAからtRNAで読みだされるオリゴペプチド、DNAから読み出されるRNA等を含めての多くの系の内、機能に乏しい系は消滅し、機能に富んだ系はより重合度の高いRNA、DNAを持ち安定に存在するに至る。
(重合度の高いRNA、DNAはより多くの種類のタンパク質やRNAやDNAの発現に発展できる可能性を持つと考えて。)
 ある一定の環境の中で系を安定に存続させる機能は限られているので、RNAあるいはDNAの組成は一定のエキソンを持つよう収斂に向かう。(この収斂の方向は複数あると考えるのが自然である。) 種が一定したのはDNAの二本鎖が出現してからのことであったと考える。
今積極的可能性を注目する主体が環境に働きかけることにより起こり得る可能性、消極的可能性を主体が環境に影響を受けることにより起こり得る可能性と定義する時、生命への、そして生命の進化の方向は積極的可能性を増大させ、消極的可能性を減少させる方向に起こると考えている。
 ウイルスの核はDNAの一本鎖、二本鎖、RNAの一本鎖、二本鎖とあらゆる状態を含んでいる。これはよく云われるようにウイルスが普通の生命から退化して出来たからではなく、ウイルスは、核の複製以外の機能を持つことが出来なかった生命誕生時の系の生き残りであるとは考えられないだろうか。


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