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ドーパミンプラス回路とオキシトシン親和回路の結びつきが、真猿闘争集団を生み出した

こんにちは、NISHIです:D
今日は、るいネットのネットサロンで「真猿の集団性」について調べる中で発見した、「ドーパミン回路」「オキシトシン回路」の繋がりについて紹介したいと思います。
taiwanP1060227.jpg
画像はこちらから頂きました。zukan.net [1]
一体どんな繋がりが!?と気になるところですが、まずはポチっと宜しくお願いします。
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■ドーパミン(回路)とは?

ドーパミンは中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。運動調節、ホルモン調節、快の感情、意欲、学習などに関わる。
(ウィキペディアより引用)

ドーパミンは、「快感神経」と呼ばれるA10神経で大量に分泌されます
A10神経は脳幹の中枢に端を発し、本能行動中枢・情動行動中枢である「視床下部」、大脳の中では古い起源を持つ「大脳辺縁系扁桃核(怒り・怖れ・警戒心に関係)と側坐核(行動・意欲に関係)」、観念を司る新しい脳大脳新皮質のうち、快感覚を生み出す「内窩皮質」、記憶・学習に関わる「海馬」、創造力を担う「前頭連合野」などに繋がっています:D
このようにA10神経が快感覚神経(内窩皮質)、怖れ・警戒心に繋がる神経(視床下部及び大脳辺縁系扁桃核)と結びついていることから、ドーパミンは「快楽物質」として働き、怖れや恐怖感などの不全感も麻痺させることが出来てしまうのです。
■オキシトシン(回路)とは?

一般的に、出産の時に子宮(筋)を収縮させる作用や、乳汁を出しやすくする(射乳)ための分泌促進作用ホルモンを「オキシトシン」といいます。
「オキシトシン」は脳から分泌され、授乳に関与するだけではなく、母と子の絆を強くする働きがあることが米国立科学アカデミー紀要で発表されました。
 母親に抱っこされるなどのように、親の愛情を多く受けた子供の「オキシトシン」量は、母親の愛情を受けずに育った子どもに比べて高かったというデータがあります。つまりオキシトシンは母と子の絆に多大な影響を与えているということです。
 その効果は母と子だけではなく、夫婦・恋人同士あるいは親友同士の結びつきにも密接に関連していると言われています。つまり「オキシトシン」は、人間関係を円滑にし、他人との心理的境界を健全に保つ能力に関係があるだけでなく、緊迫した状況でのストレスを軽減させる働きがあることも報告されています。
 また別の実験では「オキシトシン」をスプレーして、それを吸い込むと他人を簡単に信じてしまうという結果が報告されています。この結果から「オキシトシン」には相手を信用したり、共感したりさせる働きを持つことがわかったのです。逆に「オキシトシン」が少ない人は猜疑心が強く協調性に欠けるということです。
リンク [5]より引用)

このように「オキシトシン」は、人の愛情や信頼、共感に影響を与える脳内物質であり、「親和物質」と呼ぶことができます。なお、この物質は人類だけでなく、猿にも存在することが確認されています
■「快楽物質」ドーパミンと「親和物質」オキシトシンの連関性
この「快楽物質」であるドーパミン「親和物質」であるオキシトシンには、一見何の繋がりもないように感じますが、実は脳神経回路上、両者は密接な関係にあることがわかってきました

親子の愛情にもA10神経を流れるドーパミンが関係しています。ドーパミンは快感を生むだけでなく親子を結びつける働きをするオキシトシンと言う物質を、視床下部で生み出しています。画面中央にあるオキシトシンのニューロンを茶色いドーパミンの流れる神経繊維が取り囲んでます。ここからドーパミンが放出されるとその刺激でオキシトシンが分泌されるのです。これまでオキシトシンは出産や授乳のときに母親の体内で働くホルモンだと考えられてきました。しかし、最近脳の中でも働く物質だということが分かってきたのです。
(「NHKスペシャル 脅威の小宇宙人体Ⅳ」より引用)

つまり、脳神経回路上、ドーパミン回路はオキシトシンの分泌回路と結びついているのです ドーパミンが分泌されれば、オキシトシンも分泌される。逆もまたしかりで、オキシトシンの分泌がドーパミンの分泌も促すようです:o
■ドーパミン回路とオキシトシン親和回路の結びつきが闘争集団を形成した
ここで、冒頭に紹介した「真猿の集団性」「ドーパミン回路とオキシトシン親和回路の結びつき」について考えて見ます:D
よく知られるように真猿はボス猿を頂点とした社会集団を形成しますが、同類の集団同士で縄張り闘争を行う、「闘争集団」であることが特徴です。このように同類の集団同士で縄張り闘争を行うのは真猿(と人類)だけです。(マンドリルやハヌマンのような、単雄複雌集団もあるが、類人猿含めて殆どの真猿類は、複数の雄・雌による高度な社会集団を構成している。)
この「闘争集団」を形成する上で重要になるのが、先述した「ドーパミン回路とオキシトシン親和回路の結びつき」です。

原猿弱者たちは、このプラス回路(ドーパミン)によって怖れや怯えや危機逃避をマヒさせ=捨象し、仲間プラス、縄張り闘争プラスへとプラス共感収束することによって、約3000万年かかって遂に闘争集団を形成し、縄張りを確保する事が可能な段階に達します。(これは、麻薬で怖さをマヒさせて闘いに打って出るのと同じとも云えます。人類に見られる闘いの前の踊りも、同じ効果を期待したものでしょう。)
こうして、約3000万年前、遂に同類闘争(縄張り闘争)を第一義課題とする真猿集団が形成されました。
るいネット秀作投稿「真猿の同類闘争と共認機能」より引用 [6]


「闘争」は怖れや怯えを伴うものですが、ドーパミンの分泌によるプラス感覚が怖れや怯えと言った不全感を麻痺させ、「闘争」に対するプラス感覚を生み出す。
ドーパミンの分泌は、オキシトシン親和回路の作動を促し、仲間に対する信頼感や肯定感と言った、「仲間プラス」の感覚を生み出す。
引用文中にもあるように、この「闘争プラス」「仲間プラス」が繋がることで「闘争集団」の形成が可能になったのだと考えられます。

人間的な言い方で言えば、「信頼できる仲間の存在が、『よっしゃ~ 😈 闘うぞ 😈 😈 』と言う意識をより高めてくれる」さらに「闘争と言う課題を通して、より仲間同士の信頼感や連帯感が上昇する」と言ったところでしょうか。
この感覚は、身近な例では学校の文化祭や体育祭、部活の試合場面、そして何よりも仕事の場面で感じることがありますよね。
我々が感じる「闘争」と「仲間」の結びつきの奥には、このような脳回路的構造が存在しており、我々の祖先である「真猿」時代にその脳回路が構築された。
我々の感覚もこのような進化の歴史に根ざしているのだと解ると、非常に感慨深く感じますね:D

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