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私たちの体に今も生きる単細胞生物の…

Posted By yukie On 2009年8月22日 @ 2:53 PM In ①進化・適応の原理 | 6 Comments

みなさん こんにちは
突然ですが、 の生き物、見覚えありますか?
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中学校の理科の教科書によく載ってましたよね、この生き物。
そう、ミドリムシです :wink:
今日はミドリムシの特徴の一つでもある、鞭毛(べんもう)に注目してみたいと思います
実はこの鞭毛、ミドリムシだけのものじゃない
なんと私たちの体の仕組みにも関わってるんです
まず、鞭毛について確認しましょう
一口に鞭毛と言っても、構造的に真核生物鞭毛真正細菌鞭毛古細菌鞭毛とに分けられるようです

真核生物鞭毛
・動植物の精子から、クラミドモナスやミドリムシといった藻類や原生生物にまで広く見られる。
・真核生物の鞭毛は、鞭毛それ自体が能動的に屈曲し、運動する能力を持つ。
・断面を観察すると、微小管配置が観察され、その微小管の間にはダイニンというタンパク質分子モーターがある。
・ダイニンがATPを加水分解してエネルギーを取り出し、それによって運動する。
真正細菌鞭毛
・大腸菌をはじめとするバクテリア表面に見られる。
・フラジェリンというタンパク質が重合して伸びた繊維から成る。
・真核生物の鞭毛と異なり、この繊維自体に運動能力はない。
・それぞれの繊維の付け根に回転モーターがあり、イオンの透過によってエネルギーを取り出す。
古細菌鞭毛
・古細菌の表面に見られる。
・表面上は真正細菌の鞭毛にとても似ているが、構造等明らかに違うよう。研究が進んで折らずよく分からない部分が多い。

以上ウィキペディア [4]参照・引用
真核生物と真正細菌の鞭毛は、構造もさることながら運動エネルギーの取り出し方に違いがあるようです。以前このブログでもあったように、両者の大きな違いを産んでいるのはミトコンドリアの有無
ミトコンドリアによって酸素をエネルギー利用に使えるようになり、真核生物のエネルギー効率はそれ以前の生物の約20倍にもなりました
さて、そんな生命起源の初期から運動器官として使われている鞭毛
多細胞生物へと進化してからは、直接的に運動器官として活躍することはほとんどなくなりましたが、実は私たちの体にも関わる、ある役割があったのです
それが…体の左右を決めることでした

心臓は左側に,肝臓や盲腸は右側に,と私たちの体の左右は厳密に定まっています。私たちの体が出来る過程では,まず背腹軸,続いて頭尾軸が決まり,最後に左右が決まるのですが,その機構は全くわかっていませんでした。私たちは最近,この時期の胚(初期の胎児)の腹側表面のノード(原始結節)で左向きの水流が発生していること,そしてこの水流の向きで体の左右が決定されていることを発見しました。

http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_170513_01_j.html [5]より引用
東京大学HP [6]参照
この水流を作り出しているのが、胚の表面に生えている繊毛(鞭毛)だったのです
注:たくさん生えている鞭毛を繊毛と呼びます。鞭毛と繊毛は構造的には全く同じ
繊毛(鞭毛)の運動に必要なタンパク質が作られないと、体の左右が決まらずに、心臓が右にあったりその延長上で腎臓病を発症したりするようです
単細胞生物の時代から受け継がれてきた運動器官である鞭毛(繊毛)が、私たちの体の発生にも大きく関わっているなんて、とても不思議ですね :roll:
生物は進化積層体リンク [7]、と改めて感じた事例でした


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[4] ウィキペディア: http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%9E%AD%E6%AF%9B

[5] http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_170513_01_j.html: http://www.u-tokyo.ac.jp/public/public01_170513_01_j.html

[6] 東京大学HP: http://www.s.u-tokyo.ac.jp/press/press-2008-27.html

[7] リンク: http://www.rui.jp/ruinet.html?i=100&c=1&t=1

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