体内受精する動物の場合、オスメス互いの総排出孔を接触させたり(鳥類など)、陰茎を膣に挿入したりする(哺乳類など)ことが、直接的に受精の準備作業として、メスの妊娠を促しています。
ところで、体外受精する動物の場合はどうでしょう?
メスは勝手に産卵するのか?いや、いくら多産な動物でも、そんな「勿体ない」ことはしないでしょう。
体外受精するメスは、どのように産卵し、オスの放精を成功させるのか?
ということで、まずは体外受精する種の配偶行動が何を切っ掛けにして始まるのかを、魚類・両生類について調べてみました。
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●魚類
まずは、魚類。よく知られたサケです。サケの場合、オスがメスに体を擦りつけることで、産卵を促します。
サケのメスは産卵に適した場所を見つけると、尾びれを使って川底を掘り卵を産む準備をします。ペアとなったオスは他の魚やオスに産卵の邪魔をされないように周囲を警戒し、産卵の準備が出来ると、オスは体をメスに擦り付けて、メスの産卵を促します。(参考 http://www.db.fks.ed.jp/mov/20024.006/20024.006.00001.html [4])
次にナマズ。こいつも魚類ですが、もっと情熱的です。
ビワコオオナマズの場合、50~80センチのオスが、80~110センチほどもあるメスの体に絡みつき、その後20~30秒間ほとんど動かなくなります。その後、メスがオスを振り払うように反転し、オスがメスの体から離されると同時に、メスの体からはおびただしい数の卵が放出され、オスからは精子が放出されます。
●両生類
カエルの場合は、なんと声。声が産卵を促すシグナルとなっているようです。
もっとも一般的なものでは、雄は鳴き声で雌を呼び、雌が近づくと後ろから胸部を前足で抱きかかえるようにして産卵を促し、産卵と同時に放精して受精させます。
体外受精する種の産卵・放精も、子孫を確実に残すために、オスメスの協働作業として、様々な配偶行動、受精方法が確立されているのですね。
次回は、陸上に上がって体内受精するようになった動物。身近なイヌとネコの産卵(胎生だから、排卵というべきか)と受精について。
だんだんとヒトに近づいていきます。