2009-06-12

生物の地上進出時の逆境とは、なにか?(1)

★因果関係と収束関係(実現関係)の矢印
(前略)
進化(=実現)の歴史が、常に
逆境発の⇒探索(どうする?)⇒可能性収束⇒(新機能の)実現態の塗り重ね
であるとすれば、実現の摂理は常に、

逆境⇒課題(どうする?)⇒可能性収束⇒実現態
という収束関係or実現関係(⇒)で表現されることになる。
(かつ、時間軸上では、常に、古い左項から⇒新しい右項へと、⇒が引かれることになる。)
そして、因果関係などというものは、収束関係(実現関係)の中の、最初の逆境という項目の内部を説明するだけの摂理にすぎないということも、一目で分かる筈である。
(後略)→詳しく読む

 
ということを踏まえ、生物の陸上進出時代における『逆境』とは何だったのかを、「るいネット」などから探索してみました。先ずは、古生代の地球環境と生物進化を俯瞰してみます。
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●「古生代の地球環境と生物進化」より《抜粋》
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■【カンブリア紀】5億4,500万年前~5億年前
・概して温暖湿潤で、極地方には氷河がなかった?
・海の無脊椎動物が爆発的進化(カンブリア大爆発)、藻類も多様化。
—————————————-
■【オルドビス紀】5億年前~4億4,000万年前
・大陸の衝突による巨大山脈の出現。大河の誕生。
・新しい捕食動物オウムガイ(頭足類)の全盛期。
・脊椎動物では、最初の魚類、無顎類のアランダスピスが出現。
—————————————-
■【シルル紀】4億4,000万年前~4億1,000万年前
・巨大氷河が溶解し、海洋の面積は増加。
 イアペタス海が小さくなり、浅い海が減少し、生物の生態空間が変化。
・オゾン層の形成で、陸上でも有害な紫外線の量が減った。生物の上陸。
・最初の陸上植物クックソニア。
・クモやムカデが陸上で進化。
—————————————-
■【デボン紀】4億1,000万年前~3億6,000万年前
・陸地は衝突して一つの大陸となり、イアペタス海は消滅。
 超大陸ゴンドワナは南極から北上。地表の気候は全体として温暖。
・造山運動の最盛期で乾期と雨期が交代し、より乾燥に適したシダ種子植物も現れた。
 昆虫が陸上に出現。
・脊椎動物では、魚類が繁栄(魚の時代ともよばれる)。
 軟骨魚や硬骨魚が進化。肉鰭類の登場。
・肺魚が登場。中軸の骨のある胸鰭や腹鰭を持ち、内鼻孔があるのが特徴。
・デボン紀末期には四足の両生類イクチオステガも現れ、陸生化を始める。
 四肢で体を支えられるようになり,肋骨や胸部の筋肉が発達 (肺が発達)。
 魚類的特徴として尾鰭があり、体表は骨鱗で覆われていた。
 歯はエナメル質の表面にひだがあるため,迷歯類(亜綱)に分類される。
—————————————-
■【石炭紀】3億6,000万年前~2億9,000万年前
・湿潤な熱帯気候といわれるが、石炭紀末に寒冷化し、ペルム紀にかけて氷期となる。
・シダ植物が繁殖。巨大なシダ植物が湿地帯に森林を形成。
・昆虫類が適応放散し、両生類や初期爬虫類の貴重な蛋白源に。
・脊椎動物では、湿地には両生類が繁栄。また、乾燥に適応した爬虫類が出現。
 爬虫類は体表に硬いウロコがあり水辺から離れることができ、
 また卵は卵殻を持ち陸上で発生させることができた。
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■【ペルム紀】2億9,000万年前~2億5,000万年前
・ユーラシアとローレンシアがゴンドワナに合体し超大陸パンゲアが出現。
 内陸部の温度は上昇し乾燥。
・数百万年にわたって周期的に寒冷化・乾燥化する氷河期が到来し、
 多くの生物が死滅したといわれる。
・様々な植物(シダ植物、イチョウ類やソテツ類)、昆虫類(多様な昆虫目)、
 巨大な両生類や爬虫類が生息していたが、
 脊椎動物のなかでは、爬虫類が適応放散→勢力拡大し、両生類が衰退。
 恐竜や双弓類、哺乳類の祖先といわれる単弓類も登場。
もう一度、きっちりと読む
 

こうして見ると、約4.5億年前ぐらいから生物の陸上進出がなされたようです。
最初の陸上植物クックソニアは、【シルル紀(4億4,000万年前~4億1,000万年前)】ということですが、どんな「逆境」をはらんでの上陸だったのでしょうか? 後半にみていく動物と比べると、植物の方は、どうもすっきりとしません。
興味深い図版があるので見てください。
 
これは、両方とも「生命と地球の歴史(丸山茂徳・磯崎行雄著/岩波書店)」の図版です。この本の内容を紹介してくれている投稿がありますのでざっと見てみます。

●「大気と海洋の変遷② 」より《抜粋》 
【大気と海洋の変化】
酸素は、約10億年以降に藻類が浅瀬に進出することによって急激に増加し、酸素の濃度が大気の上層に増えると、太陽から紫外線を吸収するオゾン層が形成され、生物ははじめて陸上で生活することができるようになります。
太古代の海水は二酸化炭素濃度にほぼ飽和していました。
海水の酸素濃度は、最初は35億年前頃、27億年前の光合成(酸素排出型)の開始時期と21億年前頃の不連続的な上昇段階を経て、5.5億年前の最後の急激な上昇段階に入ったと推定されます。
きっちりと読む

 
海水の酸素濃度は、5.5億年前の最後の急激な上昇段階に入った、ということは、光合成(酸素排出型)生物の急激な増大を意味するのでしょう。それが水中光合成生物の生息密度限界をもたらしたことが「逆境」となり、陸生化の可能性収束へとつながった、ということなのでしょうか?
   つづく   by びん

List    投稿者 staff | 2009-06-12 | Posted in 6)“祖先の物語”番外編2 Comments » 

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コメント2件

 さんぽ☆ | 2009.08.17 16:12

ホタルって、幼虫も光るのですね!
初めて知りました!
ホタルの光があれだけ多くまるのは、反射細胞があるからなんですね。
エネルギー効率の良さにびっくりです!
ホタルの光って、医療や食品分野で応用されているのですね。意外でした。
ホタルの光にヒントを得た省エネ照明ができるのを、楽しみにしています!

 s.tanaka | 2009.08.18 1:23

さんぽ☆さん
普通、私たちはホタルの成虫しか見ないので、幼虫も蛹も光るのは意外ですよね。
次の記事のセミもですが、昆虫の人生(虫生?)の中で、実は成虫の時間はほんの僅か。
交尾して卵生むためだけの、純粋な生殖存在です。あー、だから翅があるのかな。
> ホタルの光にヒントを得た省エネ照明ができるのを、楽しみにしています!
「ホタルック」とかいう名前の省エネ型照明器具はあるみたいですが、
ホタルの発光メカニズムを応用したものではないみたい。
実際にできたら、ぶよぶよした光る人工細胞の塊りみたいなものになりそう・・・。

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